夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その149 発行日     2014年2月23日
編集・著作者       森 みつぐ
  季節風
 2週続けて南岸低気圧が発生して、本州では大雪で大混乱をもたらしているが、春が近付いている証であろう。札幌の気温も平年並みとなって、雪質も変わってきたようである。日中は、雪が緩んで路面がツルツルからザクザクに変わって、歩きにくくなっている。
 春を待つ室内に置かれた蜜柑の木は、全く生気を失っている。このままだと、6年目の春はないかも知れない。幹だけになってしまったので、ひと回り小さな鉢に植え替えて、多分弱ってしまった根っこを活き返させないと枯れてしまいそうである。もうすぐ春なのだから。
  言いたい放題
 「厚生労働省は18日、毎月勤労統計調査の2013年の結果(確報)を発表した。労働者一人当たりの平均賃金を示す「現金給与総額」は月平均で31万4054円と前年(31万4127円)より73円減少し、1990年の調査開始以来、最低となった。(読売新聞より)」
 円安による株高が、いかにも景気が良くなっているように報じられているが、労働者の給与は、未だに低迷したままのようである。4月から上がる消費税への対策としての駆け込み需要も消費購買を支えているようであるが、4月以降、消費者の購買動向がどう推移するかが問題となりそうである。政府が期待している労働者の賃上げがどうなるかも、その動向が気になるところである。
 春闘が始まっている。ベースアップ(ベア)の行方は、どうなるのだろうか。中小企業にとって、円安による恩恵は、ほとんどないと考えられる。そんな中、ベアは難しい選択であろう。労働者に少しでも賃金を上げようとしたら、賞与を上乗せするしかないように思われる。大企業にとっても、円安による恩恵はあるにせよ、世界の経済情勢は以前と変わっているようには思えない中、ベアは、経営者にとって厳しい決断となることだろう。ただ大企業は、利潤を内部留保として蓄え続けていることも確かなことである。4月以降どうなるか、注視していかなくてはならないだろう。
  つくしんぼの詩
 人口が減少する中、大都市へと一極集中が起きているようだ。北海道では、札幌に人口が集中している。地方では過疎化が進み、そして住民は高齢者ばかりとなってしまっている。地方のローカル線が、どんどん廃線となってゆくのに象徴されているようだ。
 人口減少社会とはいえ、これでいいのだろうか。経済活動優先、効率優先社会は、本当に人々にとって優しい社会なのだろうか。弱者を切り捨ててゆく社会システムを作り上げてきたのは、政治である。人口減少社会において、日本をどう再構築してゆくかが政治に問われているのである。
  虫尽し
 私は、脚が6本までの生き物は何とか付き合ってゆけるのだが、クモやダニのように8本を超える脚の生き物は、とても苦手である。採集して標本にしようとは、ほとんど思ったことはないのだが、それでも少しは標本にしている。
 定山渓の林道を歩いていると、ワラジムシが歩いているのを見つけた。“あれっ!もしかして、ダンゴムシ!”圧倒的にワラジムシの方が多いのだが、こんなところにダンゴムシがいた。・・・やはり、突っついてしまった。
  情報の小窓
『我々は文明社会をつくった代わりに、自分が「生き物」であることを忘れてしまいました。
 足し算、割り算はできるけれど、愛情がなかったり、分からなかったり。やっぱり、結局はみんな愛情で生きているのですし、「どう生きるか」が一番大事なのですが、それは誰からも教えてもらえません。
 今、幼稚園からやっていることは、仕事の訓練です。今の教育は、競争的な知識を詰め込む職業訓練で、本当の意味での教育ではありません。たとえ大人になるまでの間にありとあらゆる仕事に備えた訓練を受けても、結局、就く仕事は一つです。それも子供たちは分かっています。』
 サンガ新書「心は病気」アルボムッレ・スマナサーラ著

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