夢惑う世界 草紙<蜃気楼> |
蜃気楼 その154 | 発行日 2014年7月20日 編集・著作者 森 みつぐ |
||
季節風
長く続いていた雨も上がったと思ったら、冷夏といわれた今夏も、一変して例年通りの夏になると長期予報が変わった。その後、暑い夏になっている。沼津に住んでいたとき、7月下旬、梅雨が明けると同時に、クマゼミやアブラゼミが一斉に啼き始めて、“あ〜、夏が来た!”と感じていた。
ここ札幌でも、7月下旬になると同じようにエゾゼミやハネナガキリギリスが鳴き始め、それに続いてアブラゼミやツクツクホウシが啼く。もうすぐその季節になる。 |
言いたい放題
小樽の海水浴場近くで、酒気帯びで携帯電話を操作しながら運転していた車が女性4人(3人死亡1人重傷)が撥ねられ、ひき逃げするという事件があった。道路に4人の女性が倒れている、なんと悲惨な情景であろうか。こんな風に新聞やテレビのニュースになる交通事故は、交通事故の中でもほんの一握りであろう。それでも毎日のように、新聞やテレビを賑わしている。
これらニュースとなる交通事故は、酒気帯び運転などの危険運転や悲惨な事故だけである。本当に危険なのは、車そのものであるということから目を逸らすことになってはいないだろうか。便利さを失いたくないため、車は最悪の凶器になるということを忘れようとしてはいまいか。銃やナイフと同じ凶器なのである。動き出すとその運動エネルギーは、人間とは比べ物にならないため、衝突すると死に至る。
車は機械である。当然、誤動作もする。それを運転するのは、不完全な人間である。誤操作は、当然あるのである。その結果として事故が起き、人は死ぬ。運が良ければ、怪我で済むかも知れないが、多くはその後遺症に一生苦しむことになる。交通事故を危険運転という特殊性だけで済まそうとしていたら、これ以上、交通事故は減ることはないだろう。利己主義の象徴であるマイカーそのものを減らさないと、交通事故もその犠牲者も減ることはない。 |
||
つくしんぼの詩
「経済協力開発機構(OECD)は25日、33の国・地域の中学にあたる学校の教員らに勤務や指導の環境を聞いた国際調査結果を発表した。日本の中学教員の勤務時間平均(1週間当たり)は53.9時間と最長で、4分の1が部活動や事務作業などに費やされていた。…(省略)…土日を含む日本の中学教員の仕事時間は平均53.9時間で全体平均の38.3時間を15時間以上超えた。(読売新聞より)」
日本の学校の先生たちは多忙であることは知っていたが、実際このような数値で示されると確かに多忙であることが明白となった。先生たちも人としてまともな生活を送るのに、最低限週40時間以内の勤務時間となるようにしてもらいたい。これでは、まともな教育も望めないことになる。 |
|||
虫尽し
いつもの定山渓の林道を歩いていた。もうすぐ引き返し点だと思いながら陽の当たる開けたところを歩いていると、足元にうごめく大きなイモムシを見つけた。背中がオレンジ色した何処かで見たことのあるイモムシである。3年前にも育てたことのあるイボタガの幼虫だった。
3年前は蛹にはなったが、翌春、羽化して来なかった。北海道の冬を越すのは難しい。一軒家なら、庭に穴を掘って冬を越せばいいのだが、マンションではどう仕様もない。今は、鉢の土の中で既に蛹になっていることだろう。来春が待ち遠しい。 |
|||
情報の小窓
『気分良く楽しく生きることをめざすならば、怒りは猛毒だと戒めるべきです。
「自分が一番偉い」という勘違いした自尊心は、自分の人生だけではなく、他人の幸福も壊します。人はすべての生命に平等に尊厳があることを理解しなくてはいけないのです。そのことへの真の理解によってのみ、勘違いした自尊心は消え去るのです。』 集英社新書「小さな「悟り」を積み重ねる」アルボムッレ・スマナサーラ著 |
|||
Copyright (C) 2014 森みつぐ /// 更新:2014年7月20日 /// |