夢惑う世界 草紙<蜃気楼> |
蜃気楼 その164 | 発行日 2015年5月24日 編集・著作者 森 みつぐ |
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季節風
暖かかったゴールデン・ウィークが終わると同時に気温は下がり気味となり、今に至っている。それでもツツジの仲間も咲き出し、濃い紫色のライラックも咲き誇っている。イチョウの葉は、半開きと言うところだろうか。大きな葉のプラタナスは、まだまだである。
4月下旬に見た初蝶のモンシロチョウは、結局、ゴールデン・ウィーク明けはほとんど見かけなくなってしまった。先週は、自転車に乗っているとハンドルを握る手が冷たくて、デイパックに常駐の軍手を取り出してしまった。眩いほどの新緑の季節が待ち遠しい今日この頃である。 |
言いたい放題
「厚生労働省は15日、違法な長時間労働を強いる「プラック企業」について、18日から企業名を公表する方針を決めた。公表の対象となるのは、違法な長時間労働を1年以内に3か所以上の支社や営業所などで繰り返し、労働基準監督官から是正勧告を受けた大企業。(読売新聞より)」よく読んでいると、大企業のブラック企業のようである。「具体的には、労働基準法が定める労働時間「1日8時間・週40時間」を超えた労働が月100時間を上回り、労働組合と残業時間に関する協定を結ばないといった法令違反がある場合で、該当する労働者が1か所につき10人以上いることも条件となる。(読売新聞より)」
「労働が月100時間を上回り」そもそもサービス残業が横行している中小企業においては、残業時間の記録はあっても無いに等しいのではないだろうか。「労働組合」も存在しない中小企業が多いことだろう。ブラック企業の多くは中小企業である。
大企業のブラック企業なんてとんでもないことであるが、これが現実である。労働組合がある大企業でも、労働法令の虚をついて違反行為を繰り返している。抑圧された労働者からは、表面上何も表れて来ないので、残念ながら取り締まることができないだけである。ブラック大企業は、当然社会的制裁を受けるべきであろう。そして多く存在する中小のブラック企業も、どう取り締まってゆくか、早急に検討し実行に移していって欲しいものである。 |
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つくしんぼの詩
子どもの6人に1人が貧困であるという。これが、日本の現実である。総中流社会だった頃の日本において、こんなことになろうとは誰が想像しただろうか。その当時と比べて日本が、貧しい国に転落した訳ではないというのにである。
国家と企業連合によって、この日本が2極化した格差社会に突入してしまった結果なのである。アメリカを盲目的に追随する国家と企業が、子どもの6人に1人が貧困となった日本を創り出したのである。多分、このままでは貧困率は、ますます高くなってゆくことだろう。 |
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虫尽し
ゴールデン・ウィークも明けたので早速、定山渓へと足を運んだ。毎日20℃を超えたゴールデン・ウィークから一変して、今日は15℃そこそこの気温である。風は冷たいが、この春羽化したヤマトスジグロシロチョウ、ルリシジミ、そしてコツバメが元気に翔び回っている。
去年は見なかったルリタテハも、今年は越冬したのを見つけた。クジャクチョウは、擦り切れ鱗粉の剥げ落ちた翅を羽搏かせて翔んでいる。そして少しは暖かくなった昼過ぎには、静寂した山林にエゾハルゼミの啼き聲が響き始めた。こんなに早く聴いたのは、初めてである。 |
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情報の小窓
『自分はこの人生で何をしたいのかわからない人は、人に気に入られることが人生の目標になってしまう。また人に気に入られることが人生の目標になってしまった人は、自分の人生の目標を失う。人に気に入られることが人生の目標になってしまった人ほど、自分を憎んでいるものである。今までのこととの関連でいえば、人に気に入られることが人生の目標になった人は、人と親しくなれない。』
PHP研究所「「不機嫌」になる心理」加藤諦三著 |
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