夢惑う世界 草紙<蜃気楼> |
蜃気楼 その171 | 発行日 2015年12月20日 編集・著作者 森 みつぐ |
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季節風
最初に降ったどか雪は、その後は少し控えめである。気温も高め、雨も降ったりしているが、なかなか積雪は“0”にはならない。今回は、積雪“0”になった途端、翌朝には雪が降り積もってきた。
それでもこの冬は、雪がかなり少ない。歩道からも雪が消えてきたのだが、一部残っているところでは、融けて凍ってを繰り返しているので、気温の低い朝晩は、つるつるの氷の路面となっている。まだ冬が始まったばかりである。 |
言いたい放題
「2015年の世相を表す「今年の漢字」に「安(あん)」が選ばれ、・・・(省略)・・・「安」は12万9647票のうち、最多の5632票を獲得した。安全保障関連法を巡る議論の高まりやテロや自然災害で安心が脅かされたことが主な理由という。・・・(省略)・・・森貫主は「来年は本来の意味での安心、安全が訪れるよう、心を込めて書いた」と話した。(読売新聞より)」
安保法案が多くの国民の声を押し切って成立した。その後、内閣改造などがあったにも拘らず臨時国会も開かずに、安保法案に蓋をして、「安」の字を国民の目に届かないように封印してしまった。与党は、国民は時が経てば安保法案反対の熱も冷めるだろうと考えているのだろう。その甲斐あってか、各メディアの世論調査では、安倍政権の支持率は回復しつつあるようだ。しかしこのことは、来夏の参院選まで忘れてはならない。
森貫主が「本来の意味での安心、安全が訪れるよう・・・」と話したように、今年の漢字「安」は「不安」の「安」を象徴するものであろう。戦争という負の連鎖を繰り返すことへの不安である。問題解決に武力を用いることに対する不安である。それは、これまでに繰り返してきた戦争と何ら変わりがないのである。本来の意味での漢字「安」が、来年の漢字になって欲しいものである。 |
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つくしんぼの詩
消費税の軽減税率について、自民党・公明党両党ですったもんだを繰り返している。軽減税分の1兆円の財源を不問にしたまま、軽減対象を決めようとしているのである。明らかに来夏の参院選を意識しての決断である。
社会保障に充てる消費税は、税率10%で足りるはずもなく、さらに上げてゆく必要があるだろう。そのとき、やはり低所得者に対する税の軽減措置も必要である。それが万人に恩恵をもたらす軽減税なのか、低所得者だけに支給する給付金がいいのか、全く議論がなされていないのではないだろうか。 |
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虫尽し
札幌も12月になると雪景色となり、虫さんも全く姿を消してしまう。いつも外を歩くときは、裸となった樹木に、何か繭でも付いていないかと探してみるのだが、未だにこれはというものは見つかっていない。見つけたのは空になったウスタビガやイラガの繭だけである。
冬の室内では、秋に取り入れたハイビスカスからだと思うのだが、翅の生えた非常に小さなアブラムシが窓ガラスに何匹もへばりついている。“外は雪景色だから見るだけにしておいたら!”と思いながら、アブラムシの標本を作成したいのだが、如何ともしようがない。 |
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情報の小窓
『一方、福祉国家は人間が満たされると、退屈と倦怠感に襲われるということを忘れていた。人間くらい脳が発達してくると、退屈とか倦怠感というのには耐えられないのです。脳はそれ自体の刺激を求めるのです。人間は物質的な満足を目指してきました。それが達成されれば心も豊かになると思っていたのです。
しかし、現代に至ってそれがまちがった大きな幻想だったということが証明されました。ものが豊かになれば、私たちは刺激を求めずにはいられないのです。その刺激がいい方向に向かってくれればいいが、悪い方向に向かえば不倫になり、自殺になり、凶悪犯罪につながっていくわけです。』 PHP研究所「なぜ「いい人は」は心を病むのか」町沢静夫著 |
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