夢惑う世界 草紙<蜃気楼> |
蜃気楼 その184 | 発行日 2017年2月19日 編集・著作者 森 みつぐ |
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季節風
12月に降ったどか雪、その後、平年並みの積雪量に近付いてきた。国道の路肩に山のように積まれた雪は、今は排雪されている。今までは、歩道を歩いていても、車道側は全く見えてなかったが、今は、見通し良くなっている。
アスファルトが見えるまで排雪していたのだが、街路樹の根元までむき出しになっている。これでいいのだろうかとふと思ってしまう。氷点下10数℃という厳寒から防ぐために、根元には、積もった雪が必要ではないのだろうか。街路樹も本来とは違う厳しい場所での生き残りに必死のようであるのだが。 |
言いたい放題
「札幌市が北海道の自治体で初実施した子どもの貧困状態に関するアンケート調査で、2歳から高2までの子を持つ世帯の約6割が、家計が厳しいと答えたことが3日、市がまとめた中間報告で明らかになった。経済的な理由などから、過去1年間に、子どもの受診をさせなかったとの回答も18.3%あった。(読売新聞より)」
日本の子どもの貧困について、報道されるようになってから久しい。私は、20年前、10年前までは、子どもの貧困と聞くと、海外の後進国のイメージだけだった。ユニセフの資料なども良く見たりしていたが、日本については、全く考えていなかった。日本では、総中流社会で経済格差も小さいので、日本の子どもの貧困については、これっぽっちも思っていなかったのである。
ところがあるとき、6人に1人の子どもが貧困であるという事実を知った。グローバル経済に向け自民党政権が企業に有利な規制緩和を推し進めることによって非正規労働者が増え、格差社会へと突入していったのである。一変してしまった社会には、またシングル・マザーの家庭も増えてきてしまった。その結果、子どもの貧困が増えてしまっているのである。地域社会・家庭の崩壊とかグローバル経済がもたらした悪影響とか、いろいろな理由があるだろうが、ますます生きづらい世の中になってゆくことだけは確かなようである。 |
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つくしんぼの詩
国道の歩道に積もった雪が、かなり排雪されてきている。車道側の方は、アスファルトまで見えているが、歩行者が歩いてきた奥の方は、踏み固められた雪がそのまま残っている。即ち、車道側に向かって斜めになっているのである。
非常に歩きにくいし、凍り付いて滑りやすくなっているときは非常に危険である。滑ると車道に向かって転ぶのである。除雪のときには、もっと歩行者のことを考えて欲しいものである。高齢者の転倒は、命取りになるかも知れないのである。 |
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虫尽し
去年の5月下旬、窓からベランダを覗き込むと、大きなハナムグリがひっくり返っているのを見つけた。札幌に多いミヤマオオハナムグリかなと思いながらベランダに出てみると、全く違うハナムグリだった。ひっくり返ったままだったので、部屋に戻りカメラを持ってきた。
アカマダラハナムグリである。札幌にこんなのいたっけと思いながら、思わぬ珍客を写していた。札幌でも、まだまだ出会っていない虫さんが、いっぱいいるのだろうなと思ったのである。 |
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情報の小窓
『しかし、アメリカの金融帝国化は、決して中間層を豊かにすることはなく、むしろ格差拡大を推し進めてきました。この金融市場の拡大を後押ししたのが、新自由主義だったからです。新自由主義とは、政府よりも市場のほうが正しい資本配分ができるという市場原理主義の考え方であり、アメリカでは一九八○年代のロナルド・レーガン大統領の経済政策「レーガノミクスに始まって、民主党政権のクリントン大統領、二一世紀のブッシュ大銃領に引き継がれてきました。資本配分を市場に任せれば、労働分配率を下げ、資本側のリターンを増やしますから、富む者がより富み、貧しい者がより貧しくなっていくのは当然です。これはつまり中間層のための成長を放棄することにほかなりません。』
集英社新書「資本主義の終焉と歴史の危機」水野和夫著 |
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