夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その187 発行日    2017年5月21日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 クロッカスの花が終わり、モクレンやコブシの花も終わった。サクラの花に次いで咲き始めたエゾノコリンゴの花も、もう終わりに近付いている。色鮮やかな黄色いレンギョウの花も、もうそろそろ終わりだろうか。今盛んに咲いているのは、チューリップの花である。いろんな色のチューリップが街路樹の根元で咲いているのを見かける。
 去年買ったクレマチスは、晩秋に鉢ごと土の中に埋めて冬を越した。4月の雪融け後、掘り出しておいたら、新しい葉っぱが出ていた。枯れていなかったのである。先日見たら、蕾が大きくなっていた。5月中に花が咲きそうである。
  言いたい放題
 やっと青空が広がり気温も上昇してきたので、今年初めての山歩きに定山渓に行ってきた。林道の入口にゲートがあるのだが、去年から入山者登録名簿が無くなり、記入しなくてもそのまま入山できるようになった。ただ登山道のある林道は、無くなってはいないので、記入が必要である。記入といっても、名簿ノートに記入する人は少なかったので、然程影響はないように思えた。以前は鍵付きのゲートだったが、鍵も無くなっている。今日も林道内には、山菜採りと思われる車4台が入り込んでいた。
 この冬は、やはり雪が少なかったようである。毎年2〜3カ所は、木が倒れていたり、土砂で林道を塞いでいるのだが、今年は、そんな場所もなく、林道に溢れ出ている水も少なく、車がずっと奥まで入り込んでいた。この人たちを見るのも、あとひと月くらいであろうか。
 日射しが降り注いでいるので暖かい。林道の入り口付近で、エゾハルゼミが一匹啼いているのを聞いた。毎年、早いのは、この時期に啼き始める。新緑もかなり萌え始めている。スジグロシロチョウやルリシジミが翔び回り、越冬したクジャクチョウも日向ぼっこを楽しんでいる。例年に比べて、賑やかさに欠けるように思えるが、今年はどうなるであろう。
  つくしんぼの詩
 テレビで「北海道の自殺者数は減って来ているのだが、未成年者の自殺者が増えている」と報道していた。自殺者数は、全国で3万人を超える年が続いていたが、2012年から3万人を下回り、昨年は2万2千人を下回った。これで十分だとは、全く思わないが減少していることは確かである。
 それにも拘らず北海道では、若者の自殺が増えているのである。これは、どうしても避けなくてはならない事態である。将来に希望を抱けない…??若者が自殺する社会とは、どんな社会なのだろうか。その原因を、一つ一つ取り除いていかなくてはならないだろう。
  虫尽し
 先日、やっと初蝶のモンシロチョウを見た。毎日出歩くわけではないので、あまり当てにならないデータだが、去年と同じ5月中旬に入ってからである。多分、定山渓の暖かい谷間では、既にスジグロシロチョウが翔んでいることだろう。
 初蝶を見たその日、ホームセンターの園芸コーナーを見ていたら、白いチョウが一匹翔んでいるのを見た。雌のようである。大きさや色合いからすると、どうもオオモンシロチョウのようである。そう言えば、昨年、初めて見たチョウは、死んでいたオオモンシロチョウである。
  情報の小窓
『ここが重要なのだが、一般に周囲の人を脅したり、恐怖を与えたりするのは、自分自身が他者を恐れているからである。少なくとも、通常のやり方では他人を自分の思い通りに動かすことはできないと感じているからこそ、恐怖に訴えようとするわけである。このような姿勢それ自体が、自信のなさや無力感の裏返しとも言える。自分に自信がなく、周囲と信頼関係を築くこともできず、不安にさいなまれているせいで、自分のほうが優位に立って相手を支配できるように、震え上がらせたり、振り回したりするのである。
 このことをきちんと認識して、攻撃欲の強い人は実は臆病な意気地なしなのだという視点から眺めることが必要である。他人を恐れていて真正面から立ち向かう勇気がないからこそ、陰湿なやり方で痛めつけるのだし、復讐を恐れているからこそ、背後から切りつけるような卑劣な真似をするのだということを忘れてはならない。』
 PHP新書「他人を攻撃せずにはいられない人」片田珠美著

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