夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その189 発行日    2017年7月23日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 7月になって、札幌も一気に真夏になってしまった。5月に種を蒔いた百日草は、6月にはなかなか大きくならなかったが、7月に入って一気に草丈が伸び、最初の花を咲かせた。ひと月遅れで6月に蒔いた百日草も、全く同じ時期に花を咲かせたのである。20℃を超えないとなかなか成長しないみたいなので、来年は、このことを参考に種を蒔くことにするつもりだ。
 昨年、母の庭に植えたガザニアは、日当たりが良くなくてあまり花は咲かなかったが、今年は鉢植えにして、日当たりのいい場所に置いたので、次から次へと橙色の大きな花を咲かせている。これからはブーゲンビリアに続いて、ハイビスカスも咲きそうである。
  言いたい放題
 「働いた時間ではなく成果で賃金を決める「脱時間給」(高度プロフェッショナル)制度の創設を盛り込んだ労働基準法改正案をめぐり、政府と連合、経団連は「政労使」トップ会談の延期を決めた。(読売新聞より)」
 労働者側からしたら、当然のことと思われる。賃金を成果で決めるということは、弱肉強食の壮絶な戦場に労働社会もなってしまうということである。ある一定の高所得以上だという制約を設けたとしても、いつしかその制約は、経営者側に有名無実として扱われてしまうことだろう。例えば、多くの企業では、管理職と非管理職との間の管理職予備軍は、グレーゾーンとしてその企業内では明文化しないルールのもとで残業手当が付かないなどの労働者側に不利な運用がされていることとおなじくなるだろう。
 「脱時間給」も同じになると思っている。労働者を正規と非正規とに分けるのと同じような労働者の差別的な分離ができてしまうことだろう。時間とは、健常者にも障害者にも同じように流れる。正規労働者にも非正規労働者にも同じである。時間は、各個人の能力の差には無関係に流れ、しかも大切なものである。それ故、賃金は、全労働者に平等な時間で決められるのが、最も良いことだと思っている。
  つくしんぼの詩
 7月に入って北海道でも、猛暑が続いた。畑仕事の最中か、熱中症と思われる女性が一人死亡した。北海道でも、この猛暑が当たり前になってしまうのだろうか。地球温暖化対策に、手をこまねいている間にも、ありとあらゆるところで、異常気象が起きているようである。
 北海道も、もうそろそろ本州並みの暑さ対策をしなくてはならないのだろうか。まずは、一家に一台のエアコンか。地球温暖化も、一人ひとりの欲望から生じたことである。便利だから、楽だからは、そろそろ卒業した方がいいと思うのだが。そして、回り回って苦を味わうことになる。
  虫尽し
 ベランダの鉢に植えているタチツボスミレの葉に異変を感じたのは、ひと月前のことである。葉っぱが、ところどころ薄くなっているのである。ハムシかな?ハバチかな?と思いながらも放っておいた。葉っぱをひっくり返しても何も見つからない。
 7月になって、あるとき葉っぱにイモムシを見つけた。ヨトウガの幼虫である。それからヨトウムシを20匹ほど見つけたが、こんもりしていたタチツボスミレは、すっかり歯抜け状態になってしまった。それでも、まだ潜んでいるみたいである。
  情報の小窓
『劣等感のある人にとって、やさしい人に接することは喜びではない。時問の無駄と感じてしまう。だから、不幸は複利で増えていく。ところが、劣等感のある人が幸せになるためには、やさしい人と接することが必要なのである。心理的に健康な人は、功なり名とげる成功よりも、陰徳の人になることを望む。徳を積むことを考える。だから、幸せは複利で増えていく。』
 PHP研究所「やさしい人」加藤諦三著

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