夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その 発行日 1999年6月28日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 会社は、元湿地帯や田圃があった場所にある。側溝には、汚い水が流れているが、草茫々である。ある日、いつものように何かいないかと側溝を見ていたら、なんとゆで上がったタコのようなアメリカザリガニがいた。そして近くでは、ウシガエルも唸っている。アメリカザリガニは、ウシガエルの餌として移入されたものである。
 市民教育講座での話だが、この辺りのツバメは狩野川西部浄化センター周辺のヨシ原に2〜3万羽の大群でねぐらをとっているとのことである。夕方には、壮観な1シーンが見られるかも。興味のある方は、どうぞ!
  言いたい放題
 専用という訳ではないが、やっとインターネットに繋がったパソコンが与えられたので、K氏から送られてきたアドレスを開いてみた。ネット上でのオフィス裁判「会社が忙しくても、有給はドライにとっていい?」である。結果はともかく、コメントが面白い。[控えるべき]という意見を読むと、「1.むやみやたらに取るな」「2.会社が忙しいときにとるのは、責任がない。社会人として常識がない。」「3.理由もなく取りたいというのはダメ。」「4.周囲の負担を考えよ。」などがあり、全体意見の半数を超えていた。この意見の殆どが、企業論理の壁を超えられない会社人間の意見である。会社人間は、ルールを知らなくて企業論理が全てだと考える人、ルールは知っているが会社が潰れたら自分も終わりだと思って会社に従う人の2つに分けられる。労働者はルールを知ること、そしてどう企業論理を克服するかが問題なのである。
 人生をより豊かに送るためには、賃金と年休の両方が必要なのである。年休は、どんなに取ろうとしても、年に20日余りである。年休を取って、めりはりのある人生を送ろうではないか。
  つくしんぼの詩
 山梨の山へ行って来た。昼食を摂り下ってくると、鳥が林道にうずくまっていた。近づいても瞼を閉じたまま、じっと動かない。手を差し出して、そっと掴まえてみるが、瞼を開いても啄むことはしない。美しい中形の鳥(アオゲラ)である。一緒に下山したのだが、麓に辿り着く前に、息を引き取った。
 最近は、未舗装の林道にも、一般の四輪駆動車が入り込む。本来、人間が自然に合わす必要がある場所でも、我が物顔で突き進む。キツネやタヌキは、年に各2〜3千匹が交通事故で死んでいるという。
  虫尽し
 ボリビアの首都ラ・パスは、標高3650mほどのところにある。最初、飛行機でひとっ飛びでやってきたので、ずっと軽い頭痛がしていた。2度目は、バスで徐々に上ってきたので、体が希薄な空気に慣れていた。日が射さないとジャンパーを着ないと寒いのだが、日が射すとTシャツ一枚でも問題はない。街周辺の丘に上り、昆虫採集をした。きつい坂を上るとすぐ息切れがする。”あ!モンキチョウだ!”・・・
  情報の小窓
 『無気力の心理学・・・人間を無気力にする条件は、第一のケースは、やってもやっても達成感がない場合です。第二のケースは、それとは逆に、何もやらなくてもある程度のものが与えられる場合です。・・・気がついてみると今の日本経済は、残念なことに、この二つの条件が見事なほどの満たしてしまっているのです。』
 NHK人間講座「21世紀型民富論」竹中平蔵著(慶応大教授)

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