夢惑う世界 草紙<蜃気楼> |
蜃気楼 その54 | 発行日 2004年7月16日 編集・著作者 森 みつぐ |
||
季節風
毎年、楽しみにしていた蜜柑の木、アゲハの幼虫を見つけては、家に持ち帰り育てていたのだが、その木がある日なくなっていた。とある会社の敷地に植えられていた木なのだが、松の木は残されて蜜柑の木だけが切られてしまった。もうアゲハの幼虫が見られないと思うと悲しい。
夏型のアゲハが、既に翔び廻っている。今年もツマグロヒョウモンが元気に翔んでいる。路地では、スミレが葉っぱを一杯に広げていた。ツバメが、忙しそうに飛び交っている夏の日があった。 |
言いたい放題
何回も話題に挙げても事足りることのない交通事故問題は、悲惨な交通事故に対する認識の甘さや交通マナーに限らずマナー全体の悪化に起因するように思われる。
携帯電話をしながらの運転に対する罰則が強化されるのにも関わらず、相変わらずながら運転が目に付く。以前も調べたことがあるが、先週、先々週の2週間で3回、会社の帰り道、擦れ違った携帯電話をしている車の台数を数えてみた。1回目58台中6台、2回目69台中2台、3回目46台中2台、合計173台中10台であった。5.8%の割合(100台中6台弱)で携帯電話をしていた。
携帯電話のながら運転が大きな社会問題になっているのにも関わらず、いつでもどこでもという利便性の最も優れた携帯電話を手放したりしない。“人身事故を起こすことは、私にはない”と言う都合のいい心の隙間に逃れて、携帯電話の電源を切ることはない。
信号待ちしていると、車が途切れたとき、自転車が走り、人も走って渡ってゆく。そして歩道を近道してミニバイクが抜けてゆく。沼津は、静岡県の中でも事故多発地域となっている。 |
||
つくしんぼの詩
参院選が終了した。民主党は、議席を増やしたがまだまだ物足りなさを感じる。小泉首相は、国民の多くが無条件に支持してくれるという自己陶酔に陥り、独善的な行動が目立ってきていた。年金問題、イラクでの多国籍軍への参加など、独裁的な側面も顕著に見受けられた。
小泉首相は、続投する。この厳しいご時世では、変わりたいという人も出てこないだろう。訳の分からぬ国民の人気にどっぷり浸かっていた小泉首相、政権交代に向けて民主党は、更に気を引き締めなくてはならないだろう。 |
|||
虫尽し
毎朝、目覚めるとどんよりした雲が空を覆っていた。ニカラグア、ボアコはそろそろ雨季か。それでも何とか土砂降りの雨にならなかったので、採集に向かっていた。
3日目、その日もぐずついた天気だったが、そのうち晴れるだろうと思い、ホテルを出た。ところが雨足が次第に強くなってきた。足下は、ぐっしょりと濡れてしまった。昆虫採集どころではない。しかし、この強い雨の中、羽蟻がいっぱい飛び回っている。傘にへばり付いたいっぱいの羽蟻を見遣って、溜息を付くばかりであった。 |
|||
情報の小窓
『失業とリストラに目を奪われて、最近では労働時間が問題になることはあまりない。現実には猛烈に働かされている人々がいるのに、それが問題にならないのは、正規社員の考えの中に、「自分たちはパートではない、身分の保障された正社員である」という奇妙な誇りと、「失業しないだけでも幸せ」という奇妙な納得があるからではないだろうか。』
岩波新書「豊かさの条件」暉峻淑子 |
|||
Copyright (C) 2004 森みつぐ /// 更新:2004年7月16日 /// |