夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その69 発行日 2006年3月19日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 春は、一気の訪れる。今年の冬は、寒暖の差が非常に大きく振れたのだが、その暖かさの方をしっかり受け止めて、私の近くのソメイヨシノの花も、数輪咲き始めている。
 私のジョギングコースの途中にあるハクモクレンは、一旦開き始めた花が、先日の寒さで開花が止まってしまった。多分月曜ジョギングするときには、大きな白い花を群青色の夜空を背景に開いていることだろう。そして来週の週末は、桜満開の春・・・。
  言いたい放題
 外務省などの各省庁などで、パソコンからの情報流出が問題となった。ファイル交換ソフトWinnyを介して、情報が流出しているのである。その対策は、私物パソコンの業務使用禁止であった。
 あまりにもお粗末な内容であった。私物のパソコンを職場に持ち込んで仕事をする。仕事上での情報を職場から自宅に持ち出して仕事をする。日本人の公私混同は、凄まじいものがある。
 パソコンがないと仕事にならないと言うのに、業務用のパソコンを与えない。労働者は、パソコンがないと仕事にならないから、やむを得ず自腹を切ってパソコンを買い仕事で使う。そして公私混同が始まる。そもそもこの問題は、Winnyの問題ではない。意地汚い各省庁の問題である。そして民間の企業でも大した変わりはない。情報漏洩は、あって当たり前なのである。
 多分この問題は、パソコンから携帯電話へと移ってゆくことだろう。個人の携帯電話が、当たり前のように業務の中に取り込まれている。携帯電話の機能は、どんどんスピードを上げてパワーアップしてきている。情報流出問題は、今後も手を変え品を変え続くことだろう。
  つくしんぼの詩
 ライブドアの事件において、損を被ったという株主たちが被害者の会を立ち上げて、ライブドアを訴えるというニュースを聞いた。どうも私には、理解に苦しむ内容だった。全ての株主がそうだとは断定しないが、多くの株主は短期的利益を求めて、金が全てというライブドアに投機しただけのような気がしてならないからである。同じ穴のムジナであるように、私には思えた。金が儲かれば、その手段は問わないと。問題が表面化しなければ、いいんだと。
 金が全て、夢も何でも買える・・・???
  虫尽し
 ブラジル南部の町イグレジーナの近郊で採集していた。牧場の広がった山の麓の道を歩いてゆくと、民家近くの渓流に行き当たった。
 渓流の傍らの道で採集していたら、民家の男の子が遠くからじっと見ていた。時間が経つとともに、だんだん男の子が近付いてきた。仕舞いには、私の周りをチョウと一緒に駈け廻っていた。“危ないよ!”
  情報の小窓
『アメリカの大企業における近年のこうした雇用の内容は、株価至上主義の経営とも無関係ではない。「M&Aの10年」と言われた1980年代に台頭してきた株価至上主義経営においては、株式市場の評価が企業経営者たちにとっての最大の関心事になり、株主を重視し、株価を高くすることが従来にもまして企業経営の最優先事項となった。そういう経営が強まるにつれて、株式市場は、企業が大規模な人減らしを断行すれば、コスト削減効果から短期的には企業収益が増大し、株価が上がるので、当然のようにダウンサイジングを歓迎してきた。』
 岩波新書「働きすぎの時代」森岡孝二

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