乾風の 砂捲く道に日は洩れて、睦月八日の空片ぐもる
磯近き冬田に群れて 鳥鳴けり。見つつ 聞きつつ 道ゆく。われは
道なかに、御弊の斎串たちそそり、この村深く 太鼓とどろく
七ぐさの 今日は明くる日。里なかのわらべに問へば、道饗へに行く
もの忘れをして 我は居にけり。夫婦神も、目を見あひつつ 笑み居たまへり
村の子は、女夫のくなどの 肩擁きています心を よく知りにけり
供へ物 五厘が塩を買ひにけり。ここの道祖をはやさむ。われも