万葉集東歌
鎌倉の見越の崎の岩崩えの君が悔ゆべき心は持たじ
万葉集東歌
ま愛しみさ寝に我は行く鎌倉の水無瀬川に塩満つなむか
万葉集東歌
薪伐る鎌倉山の木垂る木を松と汝が言はば恋ひつつやあらむ
源顕仲
鎌倉や みこしが岳に 雪消えて みなのせ川に 水まさるなり
子規
高どのの三つば四つばのあととへば麦の二葉に雲雀なくなり
子規
いつのよの庭のかたみぞ賤が家の垣根つづきに匂ふ梅が香
鎌倉は屋敷のあとの野梅哉 子規
鎌倉や秋の夕日の旅法師 子規
子規
鎌倉の右の大臣のおくつきに草花咲きて人も詣でず
子規
鎌倉の松葉が谷の道の辺に法を説きたる日蓮大菩薩
子規
鎌倉のありし都の跡古りて空しく照す畑の上の月
子規
鎌倉の昔の人は帰らねど野中の佛今にのこれり
子規
鎌倉にわが来て見れば宮も寺も賤の藁屋も梅咲きにけり
左千夫
元の使者既に斬られて鎌倉の山の草木も鳴り震ひけん
左千夫
杜鵑鳴くや五月の鎌倉に蒙古の使者を斬りし時はも
左千夫
鎌倉に蒙古の使者を斬り屠り東猛夫如何にきほひけむ
鉄幹
鎌倉はちさくはかなき夢の跡よまた頼朝の脊を拊つな君
晶子
鎌倉の師走十日のはだら雪悲しきいろと人も思はん
鎌倉に春の雪積む一夜かな たかし