山々は萌黄浅黄やほととぎす 子規
牧水天地の 静寂わが身に ひたせまる ふもと野に居て 山の火を見る
牧水紅滴る 桃の実かみて 山すその 林ゆきつつ 火の山を見る
牧水虫に似て 高原はしる 汽車のあり そらに雲見ゆ 八月の昼
牛乳を呼ぶ夜霧の駅は軽井沢 茅舎
郭公が芦原をわたる声きこゆ 秋櫻子
郭公や野に疲れたる夕間暮 秋櫻子
高雲に消ぬる浅間や夕ざくら 秋櫻子
蕨萌え山荘稀に開くあり 秋櫻子