週報短文
バックナンバー 2005年6月分
2005年6月19日
月に一度、東京説教塾の例会に参加しております。先週の例会で取り上げられた説教者は、マルティン・ニーメラー(1892〜1984)です。
「最も深く真剣なもの」
ニーメラーは、ナチに同調した「ドイツ・キリスト者」の運動に対する、教会内の反対グループの指導者の一人になりました。1933年「牧師緊急同盟」を組織し、これがきっかけでドイツ各地に「告白教会」が結成され、1934年5月には、「バルメン宣言」が発表されました。教会の宣教は、聖書と宗教改革以来の教会の信仰告白にのみ依拠すべきであることを明らかにしました。
戦時中刊行されたニーメラーの説教集に、作家トーマス・マンが「まえがき」を寄せています。
「福音そのものが、この男(ニーメラーのこと)の胸の内にあって新しくされたのである。福音を知っていると思い込んでいたこの人が、福音に深く捕らえられ、それを新しく発見し、しかもその自分の経験を、自分の教会員である市民たちに伝えたのである。福音は、もはや言葉、伝承、見事な釈義というようなものではなかった。それは体験であった。命であった。直接の出来事であったのである。・・・。要するに、すべてが新しくなった。まことに真剣、最も深く真剣なものとなったのである。」(以上、東京説教塾資料より引用。太字は金田が付けた)
ニーメラーの逮捕直前の説教と、戦後まもなくの説教を二編学びました。戦争をはさんでも御言葉に対する真剣さに変わりなく、戦後の自由に酔いしれることもなく、民の罪を共に担い、主の前に立つ姿勢に感銘を受けました。戦後60年を経てなお、強く迫ってくる説教です。
この「もっとも深く真剣なもの」がわたしたちに欠けていると、加藤常昭先生は言いました。「真剣さ」とは根本的姿勢であって、御言葉に真面目であることです(もちろんユーモアを知らない生き方ではありません)。その逆は、福音を値引きすることです。真剣さを自分のものとするためには、心を開いて、御言葉と真剣に生きている人に出会い、触れていくほかないと思っています。
2005年6月12日
そのあなたが御心に留めてくださるとは
神が顧みてくださる
人間は何ものなのでしょう。
人の子は何ものなのでしょう
あなたが顧みてくださるとは。(詩編8・5)
昨年創刊40周年を迎えた月刊誌「信徒の友」(日本キリスト教団出版局)には、《日毎の糧》という、聖書日課と黙想のページがあります。その脇には、「この教会のために」という欄があり、一日・一教会(または伝道所)を覚えて祈りがささげられます。数年に一度巡ってきますが、6月7日が西川口教会のための祈りの日となり、全国各地で、祈りをささげていただきました。
「信徒の友・6月号」への掲載にあたり、原稿依頼は2月にきました。2004年度はまだ終っていませんでしたが、「最新情報を」と思い、11ヶ月分のデータから作りました。「創立・1950年」、「現住陪餐会員数107人」。これはそのとおり報告できます。「礼拝出席者数91人」。これは、子供礼拝・賛美礼拝・一般礼拝・夕拝の成人出席者数の合計、かつ教職・神学生など重複している者は除いています。「祈祷会出席12人」も二つの祈祷会の合計です(重複は除く)。「CS出席・16人」は、キッズ・ヤングの平均出席者数の合計です。「祈りの課題」は、新年度の活動方針を短くまとめました。「@主日礼拝を豊かに、A個人礼拝(ディボーション)の確立、B礼拝に生きる(奉仕、分かち合いなど)、への取組み。昨年度より新体制の共同牧会です。役員会の一致を。」
多くの教会や信徒の方々から「祈りました」とのお便りが届きました。本当にうれしく、心強いことです。また、日々教会を覚え祈り続けている方々の尊い業に、頭が下がります。今週の祈祷会で、返信葉書を書きますので、できるだけ多くの方が署名くださいますように。
冒頭の詩編の御言葉を借りて、この祈りの輪を通して、西川口教会を顧みてくださる主の御名を賛美します。
2005年6月5日
第55回関東教区総会
5月31日〜6月1日、大宮ソニックシティ小ホールにおいて、第55回関東教区総会が開かれ、教会・教区・教団の様々な課題について審議されました。また、教区議長を始めとして多くの選挙が行われました。
新潟・群馬・栃木・茨城・埼玉の5つの地区からなる関東教区は、143の教会・伝道所を有しています。年に一度の教区総会は、「教区」を実感できる機会です。特に、開会礼拝で共に聖餐に与る時、主の体に連なるお互いであり、主にあって一つということを確かにされます。
昨年度新潟県を襲った、7月13日の水害、10月23日の地震、19年ぶりの豪雪。教会も被災しました。今総会では、中長期的な支援の推進についての議案に時間をかけました。具体的には、@「新潟県中越地震」被災教会・被災地支援委員会を設置し、この委員会のもとで、A「新潟県中越地震」被災教会・被災支援センターを設置し、B被災日(10月23日)に近い主日を「『新潟県中越地震』被災教会・被災地を覚える主日」として復興を祈り献金をささげ、C会堂再建と活動支援の募金に取り組むことになりました。
教区総会議長、教区総会副議長、宣教部委員長は再選されました。議長、副議長の推薦を受け、教区総会書記、主事も再選となりました。常置委員、宣教部委員、財務部・教師部委員、常任・常設・特設委員の選挙が行われました。選出された皆様と、送り出す教会に、主の恵みと祝福を祈ります。
二日目の午後に、昨年度の逝去教師の追悼式が行われました。個人的なことですが、鎌田康子先生、西海静雄先生の懐かしい写真を見ながら、先生方のお姿や、病と戦い続けた日々を思い、胸が熱くなりました。ご家族と教会に主の慰めを祈ります。