ぐ グノーシスと秘密結社
キリスト教と前後して、地中海沿岸で起こった宗教思想運動であるグノーシス主義と言うのは、「人間を救済に導く知識」の獲得を目的としたものである。
グノーシスというのは、「知識」を意味するギリシャ語から来ている。諸派さまざまで幅広いものであるから、統一見解を見つけるのは難しいが、例えばキリスト教グノーシス派では、「旧訳」と「新約」の神は同一ではなく、人間を肉体というなの牢獄に閉じ込めた「旧訳」の神は悪神であり、キリストを遣わし、知識を与えた「新約」の神は善神であるとなっている。
このグノーシスの思想から、クリスチャン・ローゼンクロイツという不思議な名前の人物を巡って形成されたという。薔薇十字思想というものがある。ニュートンやライプニッツ、デカルトらが薔薇十字団員であるという噂まであった。当人たちは認めてはいなかったが。