2004/09/04(土)晴れ 日本脱出!

10:30発のKLMオランダ航空にてアムステルダム経由コペンハーゲン。機内は満席で我々3人の席は一番後ろである。座席のすぐ後ろがトイレになっているのでシートをほんの気持ち程度にしか倒せないのが辛かったが、食事が一番最初に配られるのでよしとする。ちなみにメニューは昨年と全く同じであった。機内上映:「ホテル・ハイビスカス」他。

 

映画がつまらなかったので3人でガイドブック片手に日程を組むことにする。実質6日間のうち2日間はレゴランドへ行くことになっており、その他4日間をどうやり繰りするか。とにかく欧州はどこもかしこも営業時間が短く、きちんと考えて行動しないと行きたいところへ行けずに終わってしまう可能性があるのだ。真剣にもなろうというものである。いろいろと検討した結果、以下のスケジュールに決定。

9/05(日):アマリエンボー宮殿、国立美術館、人魚姫の像
9/06(月):ロイヤルコペンハーゲン工場見学、カールスベアビール工場見学、ビリーブ・イット・オア・ノット博物館、ギネス博物館
9/07(火):オーデンセ、チボリ公園
9/08(水):レゴランド
9/09(木):レゴランド
9/10(金):蚤の市、買い物

アムステルダム・スキポール空港でのトランジットに余裕があったため買い物をする。ところがレジで「これからコペンに行くのなら、これは免税にはならないよ!」とおばちゃんにたばこを取り上げられてしまった。行き先が同じユーロ国内である場合、たばこと酒は免税にはならないらしい。ひとつ賢くなってしまったな(まぬけなことにデンマークはユーロ圏外だと思っていたのである。それも3人とも←だって通貨がクローネなんやもん)。仕方なく会社への土産にバーゲン品のチョコだけを買う。

搭乗時間にはまだ少し早かったがゲートまで行っておこうと、出国審査に向かう。すると、さっきまでガラ空きだったカウンターに長蛇の列ができているではないか。じりじりしながら待つ間、後ろに並んでいた外国人のおじさんが「英語が話せますか?」と声を掛けてきた。「いやーほんのちょびっとなら」と答えると「私は昔、日本に住んでいました」と言われる。このおじさんはドイツの方で以前仕事の都合で日本にいたらしく、もうほとんど忘れてしまいましたと謙遜しながらも、なかなかキレイな日本語を話しておられた。列はなかなか前に進まなかったが、おじさんと日本語と英語のちゃんぽんで話すのはお互いなかなか単語が見つからず、それがまた当てっこゲームのようで面白かった(英語がろくにしゃべれないわりに、3人で旅行するのだという我々を「日本人は団体ツアーが多いのに偉いねぇ」と誉めてくださった。完全に子供だと思われてたな・笑)しかしあいかわらず列が進まない。そのうち、私の隣に並んでいた男性が「時間がない。やばい」と焦りだしてきた。おじさんとの会話を小耳に挟んだところ、我々よりさらに搭乗時間が早いようである。そこで、「うちらまだ時間ありますから」と先に行ってもらうことにした。男性は「OH−−!Thank you!Thank you!」を連発しながらぶっ飛んでいき、ドイツのおじさんまでが「ありがとう」と日本語で言う(笑)。思わぬ善行をしてしまったな。旅先では普段より少し余裕のある人間になれるようだ。

アムステルダムからコペンハーゲンまでは約1時間。軽食のサービスがあったのが嬉しかったが、食べ終わるか終わらないかのうちに回収にこられた。乗務員は大忙しである(KLMのスタッフはみな愛想がいいが、ドアのでっぱりに腰掛けている人間にだけは真剣に怒っていた・笑)

20:30頃、コペンハーゲン国際空港に到着。さっそくハート柄も可愛いクローネに両替し、電車にて中央駅まで移動(25.5Kr)。駅からはタクシーでホテルへ向かう(73Kr)。このタクシーのおっちゃんがご陽気で、「コペンハーゲンは初めてかい?だったら観光案内してあげるよ」とホテルまでの間に立つ建物をひとつひとつ解説してくれた。そして日本の大阪からきたという我々に「姪が日本の大学に留学してるんだ。東京はビッグシティだね!コペンハーゲンはこの広場のあたりだけが賑やかな小さな街だよ。キミたちのホテルの向こうはもうスウェーデンだから!」と言う(笑)。まさかそれはないけど確かにホテルは海に近かった。

クラリオン・ネプチューン・ホテル☆☆☆☆: ニューハウンの1本裏の筋にあり、地下鉄の駅まで徒歩5分。中央駅まではタクシーで10分。歩いて40分。静かなホテルで外観も内装もいかにもヨーロッパといった感じ。部屋は3人だったので少々広めの角部屋でしたが、基本的にそんなに広くはない様子。バスルームは白のタイル張りで清潔。シャワーは可動式でバスタブもあったけど(ない部屋もあり)、お湯の量が少ないのが難点。でもケチつけるとしたらそれくらいかな。スタッフも親切だしオススメです。

スーツケースを3つ広げるスペースがなかったので勝手にイスとテーブルを移動。しかもイスの上にテーブルを載せるという荒業に出てみた(掃除にきた人がポルターガイストでも起こったのかと驚いてはいけないので、翌朝には元に戻しましたが)。各自、風呂に入り就寝。


   2004/09/05(日)晴れ 歩きすぎた日。
ホテルで朝食をとった後、オーデンセまでの切符を買いに歩いて中央駅へ。デンマークは物価が高いので少しでもお金を浮かそうとするならタクシー代をケチって歩くに限る。途中で聖霊教会(撮影可)に寄り見学。他の欧州の教会に比べデンマークの教会は壁も天井も白くてすっきり。私はこちらの方が好みである。帰りに通りかかると庭にカフェができていた。教会カフェは他の店より安く食べられるそうなので利用するといいかも。

中央駅の窓口で「オーデンセ行きの往復切符(414Kr)を3枚下さい」と英語で書いた紙を見せる。相手はすぐに理解してくれたが、切符を指差しなにやら説明してくれるのがこちらにはわからない。どうも1枚で往復になってるから刻印を忘れないようにね!と言ってるような気がするのでそういうことにしておいた。ところが後になってyuka・Jさんが「"11時に6番乗り場に行ってね"と言ってた気がするねんけど、これって指定とちゃうやんな」と言い出し不安になる。切符を見てもどこにも指定とは書いてないので多分いつ使ってもいいんだろうと思いつつ、明日JCBプラザに聞きに行こうということになる。言葉がわからないと不便だな(と毎回思うわりに一向に努力のあとが見られない我々)。

12:00から始まる衛兵交代を見るために徒歩でアマリエンボー宮殿へ。のんびり歩いていると1時間近くかかる道のりではあるが、風が涼しく気持ちがいいのでそう苦にはならない。宮殿の広場には観光客の姿がちらほらあり、みんな衛兵さん達と写真を撮っている。ほとんどの人は自分の後ろにさりげなく衛兵さん達が入るように撮っているのであるが、中には真横に並んで撮ろうとする強者もいた。もちろんあんまり近づきすぎると彼らから注意を受けるのだが、中国のおっさんたちは一向にひるまない。わぁわぁと大騒ぎで順番に横に並び、おまけに妙なポーズ(敬礼してるらしい)までつけてバチバチとシャッターを切りまくる。 毎日のように各国の観光客のカメラに勝手に収められているであろう彼らは、まず滅多なことで大声を出すことはないが、それにも限度というものがあるはずで次第に剣呑な雰囲気になってきた。しかし当のおっさんたちはそんな空気も読まず、お構いなしに浮かれている。我々3人はそれをじっと見守りながら「もうそろそろ銃剣でぐさっとやられるで」と来るべき衝撃の瞬間に備えていた。が、もちろんそんなことはなく、ようやく気が済んだおっさんたちはどこぞへ行ってしまった。まったく仕事とはいえ大変なことだ。ま、そういう私も街灯にもたれながらガイドブックを読んでいて、後ろから「あなたはあともう一歩、前へ出なければいけません」と注意されたクチなんですが。でもそこはどう考えても歩道なんだけどな。立ち止まってはいかんということか。

さて衛兵交代。華やかなパレードがあるのは宮殿に王室のどなたかがいらっさる時のみらしく(国旗が翻っていれば女王がいらっさるという合図)、この日は普通に交代式が行われただけであった。それでも偉いさんの合図の基にタカタカ行進する姿は可愛らしいし(デンマークの衛兵さんは若者ばかりなのだ!)、一般人から見れば無駄だとしか思えない謎の動きの数々も様式美として楽しめる。一見の価値あり。

いつ終わるかわからない交代式に見切りをつけ、一部が公開されている宮殿内へ(撮影不可。40Kr)。中は最近結婚された皇太子さんの式の時の写真、ウェディングケーキの模型(10段あった!)、歴代のウェディングドレスなどが展示されていた。ドレスはいずれも非常にシンプルなデザインで、その分余計にスタイルがよくなければ着こなせない感じがした(ところで皇太子さんがギャリー・ケリーに似ていると思うのは私だけでしょうか)。他に宝石などが展示されている部屋もあったが、我々のハートに最も響いたのは若き衛兵さんたちのプライベートショットの数々(笑)。仕事中はクソ真面目な顔の彼らも控え室ではごく普通の若者である。しかもみんながみんな大変な男前で、条件の中に「容姿端麗」の一言があるに違いないと睨んだ。デンマーク王室がもし財政難に陥ることがあれば、彼らの写真集を出して売ればかなりの儲けになるはずである。つうか今すぐにでも出して欲しいくらいだ。

近くにあるフレデリクス教会(撮影可だと思われる)に入ってみる。床から天井まですべて丸いのが珍しい。中は明るくて当然ながら大変に静かであった。

そろそろお腹が空いてきたなと思いながら歩いていると、店の前のテーブルでホットドッグを食べているおっちゃんと目が合った。美味しそう〜と思っていると「これけっこうイケるよ!」と目顔で促されたので我々も食べてみることにする。

店は若くて愛想のいいお姉さんがひとりで切り盛りしていて結構流行っていた。早速、素晴らしい英会話力を駆使して注文。ドリンクとのセットメニューで35Kr。やはり北欧は物価が高い。でもホットドッグはソーセージの皮がパリパリで美味しかった。しばらくすると観光客らしい夫婦がやってきて、我々の食べているものを指差しながら注文している。旦那さんの方が「それ美味しい?」と聞いてきたので「美味しいよ!」と答える。こうやって口コミでこの店は流行っていくのだな(笑)。ちなみに旦那さんはよほどお気に召したのか2つも食べていた(デンマークでは街のあちこちでホットドッグのスタンドを見かけます。種類もいろいろあるし美味しい。ぜひチャレンジを)。

お腹もいっぱいになり、再び歩いて国立美術館へ(50Kr)。チケットを買い、さてどこから回ろうかと考えていると係りのおじさんが声をかけてくれた。日本語しかわからないという困った我々に「私は日本語が話せませ〜ん」と言いながら非常に簡単な英単語のみで建物内の配置を教えてくれたおじさん。 ちょっとサンタクロースのようだった。

館内は昔の絵画(2階)、現代アート、子供の描いた絵(1階)、の主に3つのセクションにわかれていたが、目当てはゴッホやピカソ、ムンクの絵だったので2階から回ることにする。が、ほとんどがデンマークの画家による絵画が展示されているようで、根っからの美術音痴の我々にはそれがどれほどの価値のあるものかわからなかった(ようするに誰もが知ってるような有名な作品はないということです)。しかもゴッホやピカソは1枚も見つけられず、かろうじてムンクの絵を数点発見したのみ。せめてボッス並にインパクトのある絵はないもんかとぐるぐる回ってみたが、基本的に真面目な絵や宗教画が多くこれといったものには出会えなかった。残念。ここは我々のようなミーハーよりも純粋に絵画鑑賞がお好きな方にオススメです。館内は広くてゆったりとした配置になっているので見やすいし、ホールでは演奏会なども催されていてリラックスした雰囲気。またお庭が素晴らしい。ぜひ花の咲いている季節に訪れてみて下さい。

この日の最終目的地は人魚姫の像。当然ここへも歩いて行った(後でガイドブックを見たら1日で恐ろしいほどの距離を歩いていた)。途中でニューハウンに寄り、海を眺め、またてくてく歩く。海沿いの道を歩いていると次第に観光客の姿が増えてきた。「世界三大がっかり」(人魚姫の像、小便小僧、あと一個なんだっけか。忘れた)と言いつつ、みんなコペンハーゲンに来たからには見てみたいのだな。

いずこの国の観光客も気持ちは同じということで、像の前にはひとだかりができていた。人魚姫は想像していたよりも大きい(いやあまりにもあちこちで小さい小さいと書かれていたもんで)。さっそくパチリと写真を撮る。が、ここでも中国のおっさんたちが暴れている。像は海岸から少しだけ離れたところにあるのだが、石を伝えば簡単に側まで行けるようになっていて、おっさんたちはまたも大騒ぎでひとりひとりがそこへ行こうとするのである。当然、他の人間はおっさんが邪魔で写真が撮れない。誰もいない時ならいざ知らず、観光シーズンでたくさんの人間がカメラを構えている中、この行為は非常に迷惑である。そんなに側までいかなくともいくらでも像をバックに写真を撮ることはできるのだから。もうちょっと空気読めよ、おっさん。

さすがに疲れたので一度ホテルに戻り、しばらく休憩した後、チボリ公園横の地ビールのお店Bryggeriet Appolo(ブリエリット・アポロ)まで晩御飯を食べに行く。(何度も言うようですがホテルから中央駅までは徒歩40分)。デンマークはテーブル担当というのが決まっていないようで、誰にでも注文していい様子(チップ制度がないからかな)。サーモンのなんかとソーセージ、チーズタコスとビール。全部で396Kr。この店はなかなかイケる。値段も(他の店に比べると)そんなに高くはない感じだし。ただ21:00を回るとかなり混雑するようです。