まず最初。朝食のために部屋を出ようとしたらTVのリモコンがなぜかどこにもない。3人がかりであちこち探し回り、果てはスーツケースの中まで調べても出てこない。まさか今日一日これで終わるんじゃなかろうな!と思い始めた頃ようやくベッドとベッドの隙間から見つかった。次に料理を取りに行っている隙に、ナイフとフォークをセットしていたにも関わらずテーブルをとられてしまった。おかげで半地下の部屋で食べるハメに。極めつけに部屋へ戻ろうとエレベーターに乗ったところ、yuka・Bさんがドアに挟まれてしまった。今時のエレベーターならセンサーあたりが感知しすぐにドアは開くはずだが、年季の入ったエレベーターは違う。1度閉めるとなったらあくまでも閉めるのである。慌てて開扉のボタンを押したが、哀れyuka・Bさんは外へ押し出されてしまった。おまけに今度はエレベーターのドアが開かない。中に取り残されたyuka・Jさんと私は必死でベルのマークのボタンを押すが誰も助けにくる気配がない(内線電話などもちろんない)。とりあえずベルは作動しているらしく、エレベーター内ではうるさいくらいに響き渡っているが肝心の外の人間が気づいてくれないのだ。中で5分ほど待ったころ、ようやくコンコンとドアをノックする音が聞こえた。そして「あなたたちは外へ出たいの?」という声が(この状態で他に何かしたいことがあるでしょうか)。
Yes!Yes!というと1階のボタンを押してくれという。しかしあいかわらずドアは開かない。ドアの向こうでも困惑気味なのが伝わってきてだんだん不安になってきたその時、ガリガリという音とともにドアがこじあけられた。見ると1階の床から30センチほどのところに箱が止まっていて、目の前にはやっとこを持った井上順似のおじさんが。「いやあ悪かったね!大丈夫だった?1分?それとも2分くらいかな閉じ込められてたのは?」とやけに明るく聞いてくるおじさんにすっかり脱力しながらも「5分だよ!」と5本の指をつきつけておいた。階段で部屋へ戻る途中、yuka・Bさんに会う。我々がエレベーターに閉じ込められていたとは夢にも思っていなかったらしく、「間違えて3階の部屋の前で待ってるんかと思って見に行ってん」と言われた。そこまでアホではなくってよ。
電車でカールスベアビール工場へ(Enghaveイングハブ駅下車。見学無料)。駅を降りてすぐに工場の看板が見えるがビジターセンターまでは徒歩で15分。静かで人の少ない道をのんびり行く。工場へ着くなりトイレへ(yuka・Bさんは男子トイレに堂々と入っていった)。受付のおじさんにハロー!と言うと「どこから来たの?」と聞かれる。どうも世界のどこからの客が多いのか統計をとっているようで、「Japan」と答えるとAsiaと書いた欄に3人と記入していた(パっと見た感じ、アジアからの客が一番多いようだった。観光ツアーに入っているのかも)。簡単な地図の書かれたパンフを貰い、「ここから順番に見て行って最後にこのチケットを渡すとミルクが2杯飲めるよ!」と言われる(笑)。またしても無駄に若く見られているようである。
中はこんな感じ(←)でビール作りの様子が再現されていて部屋が進むにつれ現代に近くなっていく。日本語の案内はないがなくてもなんとかなくわかる。社員食堂にはビールが常時置いてあるようで、ビール好きにはたまらない環境だと思う。途中には馬小屋もあって、えらいでかい馬が何頭もいた。みんな大人しいが写真を撮るならフラッシュはたかない方がいいかと。
最後にチケットと交換にビールをいただく。全部で7種類くらいある中から好きなものを選ぶ。ビールは生で冷えてて美味しい!(飲めないひとようにソフトドリンクもあり)。ただしビールのおつまみは置いてないので各自で用意するように。我々はちゃっかり柿ピーを持ち込みました。無料で工場見学はできるしビールも2杯も飲めてここは本当にお得。時間があれば何度でも来たいくらいであった。
出口横にはここにもギフトショップが。ロゴ入りのTシャツやらライター、ピンバッジ等いろんなものがあってお土産探しに丁度いい。
次にガンメルストランドで開かれている蚤の市へ(金・土曜日の9:00〜17:00)これまで通ったことのない道を行ってみる。買い物といえばストロイエが一番有名で便利だが、1本違う筋に入るとそこにもたくさんの店があるのを発見!蚤の市では香港のキャットストリートで売られているようなガラクタからアンティークのアクセサリーや食器までさまざまな物が売られていた。しかしやはり安くはない様子(年季の入ったビニール製のパンダの貯金箱で¥800くらい)。
yuka・Jさんとyuka・Bさんの目当てはロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートだったが、1年下のyuka・Bさんのプレートがすぐに見つかりおまけに安かったのに比べ、私と生まれ年が同じのyuka・Jさんのプレートがない。しかも唯一見つけたものは250Krもするではないか。どうも年によって値段が違うようで(必ずしも古いものが高いわけではないみたい)、「私らは貴重な年の生まれなんや!」といばっておいた。しょうがないのでyuka・Jさんは生まれ年のクリスマス・プレートを購入。ところが帰ってからよくよく見るとそれはロイヤルコペンハーゲンの品ではなかったらしい(笑)。
デンマーク最後の思い出にラウンド・タワーへ行く。円形の建物の中をひたすら昇りつづけること約3分(いやもっとかも)。頂上に到着。視界が360度開けて気持ちがいい。ベンチに腰掛けてあっという間のデンマーク旅行について思いを馳せる。1週間なんてホントに短い。まだまだ見たいところもあるし、カナルクルーズもしたかったし郊外の方にも出かけたかった。きっとその前に破産するだろうが。
再び3分かけて下に降り、お土産を買いにストロイエをうろつく。何度も通っている間にカラフルな色のニット製品がディスプレイされている店を見かけたのだが、果たしてそれがどの辺りであったか思い出せず、長いストロイエを二人を伴い右往左往させてしまった。申し訳ない(私は距離感とか方向感覚がまったくないのだ)。ようやく見つけた店は思っていたより随分市庁舎広場に近く、おまけにどれもこれもお土産にするには高かった。しかもほとんどが中国製である。私はデンマーク土産が欲しいのだが、今やどこも産地は中国なのか。
仕方なくデンマーク土産専門店へ行く。思えば最初からここへ来ればよかったのだな。ここも手軽な値段ではないが、とりあえずデンマークへ行ってきたことだけは伝わるラインナップである(横でyuka・Bさんが「そんなにデンマークらしいものが欲しければ人魚姫の像を買え!」とうるさかった。さすがにそれはいらない)。そういやデンマークは物の値段があってないようなところでもあった。まったく同じ商品でも店によって値段が全然違うし、ひとつが他店より安ければ全てが安いというわけでもない。せめて同じ値段で勝負してもらいたいものだ)なんとか家族親戚友人への義理を果たし、晩御飯を買いにDet
Ny Illum(デ・ニュー・イルム)というデパートへ。いつもなら最後の晩餐は少しリッチに行くのだが、正直もう食べたいものもなくお金もなかった。ここでワインとお菓子、ケーキを仕入れ、帰りにオーデンセで食べて美味しかったチャイナボックス(オーデンセに比べ5Krも高かった!)を買う。占めて195.5Kr。
これまで欧州では2回、パリとウィーンでケーキを食べたがいずれも殺人的に甘かった。特にパリのフォションのケーキは甘いものを得意とするW・yukaでさえ半分も食べきれずに捨てたくらいのゲロ甘。私にいたっては一口食べただけで寒気がしたほどである。しかしここコペンハーゲンのケーキは甘さもちょうどよくクリームも練乳のような味がしてとても美味しかった。ぜひお試しあれ。
本当は夕食を早めに済ませ、ホテル裏のニューハウンのカフェでお茶でもしながらデンマーク最後の夜を楽しもうと思っていたのだが、お腹もいっぱいだし荷造りもしなくてはならないしで億劫になってしまった。しかし喉が渇いたのでyuka・Bさんとセブンイレブンへ行くことにした。途中でニューハウンの夜景を撮りに寄ってみたが、金曜の夜というのもあってたくさんの観光客で大賑わいであった(セブンイレブンは我々の頭の中の地図とは違いかなり遠くにあって、たかがジュース1本買って帰るのに往復で1時間もかかっていた)。
←公演が終わったあと、テラスでのんびりワインを飲んでいる観客多数。実に優雅な雰囲気。この日はたしかバレエをやっていたような。
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