2004/09/08(水)晴れ レゴ!レゴ!レゴ!

朝8:30発の飛行機に乗るためタクシーで中央駅へ。中央駅から空港へは電車で10分で行けるが到着するのは国際線のターミナル(2、3)である。我々には珍しくすぐにそのことに気づき、では国内線のターミナルはどこだと空港職員に聞くといったん外へ出て38番のバスに乗れと言う。言われた通りに外へ出るとバス乗り場は遥か先だった(空港内を巡回するバス(無料)は5〜10分間隔で走っていて国内線はターミナル1で下車)。

さてチェックインしようと辺りを見回すがカウンターらしきものがなく、みんな自動チェックインで済ませている様子。さっそく3人続けてチェックインしようとぐいぐいと飛行機のチケットを押し込んでいると、係りの人が飛んできて「ひとりずつお願いします!」と言われてしまった(笑)。国内線のロビーは人も少なく静か(もともとコペンハーゲン空港は案内の放送がないそうなのでゲートの確認を忘れないように)。窓から見るとどの飛行機もプロペラ機であった。搭乗の時間になり各自ゲート横に置いてある機内食(ジュースとサンドイッチ)を手に取り、歩いて飛行機へ。座席は2列ずつで本当に小さいが、40分しか乗らないしこんなもんかなと思う。それでもコーヒーのサービスはあり。

あっという間にビルン空港に到着。空港からはタクシー(10分)でレゴランドへ。しかしまだ開園していなかったので先にホテルへ向かう。さて問題はここから。

この日宿泊予定のレゴランド・ホテル☆☆☆☆はH・I・Sでの取り扱いがなかったため、ホテルのHPから予約したのだが、基本的に部屋は大人2人子供2人までの設定しかないんである。そこで最初は大人2人と1人で2つの部屋を予約したのだ。するとメールで返信があり、「HPに載せている以外の部屋の設定もあって、大人3人でもひとつの部屋に泊まれるがどうか」と聞いてきてくれたのである。なんと気が利くことか!と感心し、「ぜひそれでお願いします」となった。

ところが当日、予約票を見せると相手は怪訝な顔で「大人2人と子供1人」で予約が入っているが子供はどこだと聞いてくる。一瞬、3人の内のひとりが子供に成りすまそうかと思ったがさすがに12歳以下には見えない。そこで正直に「大人3人で予約したんですが〜」と言うと、「ではもうひとつ部屋がいりますか?」と言われる。

わからないのはこっちである。なぜ大人3人で予約を入れたのに、そんなややこしい話になっているのかとふとyuka・Bさんの持ってきた予約票を見ると、確かに相手の言うように大人2人子供1人の料金設定になっている。どうやらメールで何度かやりとりしているうちに話が行き違ってしまったらしい。が、それを説明する英語力がこちらにはない。困ったなぁと思っていると、係りの女性がちょっと待っててと言い残し奥へ行ってしまった。しばらくして戻ってくると、「今相談してきたけど3人一部屋でOK。料金もこのままでいいです」と言ってくれた。やった!英語が話せなくて得することがあろうとは!なんだかわからんけど(向こうはもっとわからんかったろうが、先に3人でもいいよと言ってくれたのはホテル側なのだ。これだけは確か)とにかくありがとうと言い、荷物を預けて早速レゴランドへ向かった(ホテルに1泊するともれなく2日間のチケットが付いてきます)。

開園してすぐだったため、パーク内はひともまばらである。混んでくる前にまず写真を撮ろうとあちこちパチリとやるが、どこもかしこもレゴだらけ。それもいちいちよく出来ているのでフィルムやメモリがいくらあっても足りないくらい。

アトラクションはほとんどが子供向けなので絶叫マシーンタイプのものはほとんどないが、乗り物にもいくつか乗ってみた時のこと。お城の中をコースターで走りぬけるThe Dragonに1人でぼーーっと乗っている私に、突然「ヤーーーー!!!」と叫びながら斬りつけてきた人間がいるのである。それは山賊に扮した係りの女性だったのだが、真剣に驚きすぎたため意味不明の叫び声を上げ、コースターの中で腰を抜かす私がよほどおかしかったのか前の客が一斉に振り返り大笑いしていた。その後コースターはぐるぐる回り元の場所に戻ると先の女性が「ごめんなさいね〜」と笑いながら出迎えてくれた。まったくいい年して恥ずかしいじゃないか。

しかし驚いたのはそれだけではなかった。次に某テーマパークの某アトラクション、ジャングル○ルーズとカリブの☆賊をまんまパクったようなPirate Boatsに乗ろうとした私を今度は海賊が襲ってきたのである。山賊の次は海賊。ちなみにこの時も本気で驚いた。それにしても何故、他にもひとがたくさんいたのに私だけが狙い打ちされるのか。そんなに隙があったのか(悔)。他に絶対に係りのおじさんの気まぐれで回る回数が決まっているとしか思えない超短距離コースターに乗ったりもした。ホントに1周10秒あるかないかであるが変に味があって面白い。

昼ごはんを食べて(レゴランドはとにかく蜂が多くて外で食べているとあちこちからぶんぶん飛んでくるのには閉口した。刺すわけではないんだけど気になるのよ)、次に砂金探しに行く。

ここは別に20Kr必要なのだが、係りのひとにお金を払いざるを受け取り、あとは各自好きなように砂金を探す仕組み。最後に集めた砂金の代わりにメダルをくれるのだ。ようは子供の遊びで砂金探しの雰囲気だけを楽しむようにできているのだが、メダル欲しさに真剣になり過ぎていた我々はなぜか本気で砂金を見つけなければいけない!と思いこんでいた。そこで必死になって砂金を探すのだが、金と石がどう違うのかがわからない(つうか、その石がすでに砂金なのだがそこんとこがよくわかっていない)。しまいにはyuka・Bさんが「これ砂金とちゃう?光ってるもん!ちょっと聞いてくる!」と係りの女性にその石を掴んで見せに行ってしまった(あとから思えばこの時ろくに石を見もしないで満面の笑みで「イエーーース!」と言われたのでおかしいとは思ったらしい)。

意気揚々と「これが砂金やねんて!」と我々に報告するyuka・Bさんの持つ石とそこら中に転がっている石がどう違うのかまるでわからない。思わず見本を見に行くが(必死か)それもどうみても石っころである。と、この時ようやく我々は気付くのである。「ここにあるのは全部砂金ではないのか」と。そう思ってカウンターの方を見ると、みな無造作に石ころを持って並び次々とそれをメダルに代えてもらっている。思えばチケットの他にお金が必要なのはここだけである。つまりその20Krがイコールメダルの代金であとはほんの遊びなのだ。

そのことに気付いた途端、自分たちのあまりの欲の深さにおかしくて笑いが止まらなくなってしまった。急いで小石をかき集めカウンターへ行くと、我々より遥かに年下の男の子が極上の微笑みを浮かべながら、「よく頑張りました」とメダルを首にかけ両肩をぽんぽんと叩いてくれた。恥ずかしさ倍増である。転がるようにその場を離れたが、そのあともずっと笑いが止まらなかった(いまだに「砂金」と聞いただけで爆笑である)。

自分たちの強欲さを痛感したあとは、せめて少しは純粋な子供心を取り戻そうとレゴがてんこ盛りになっているプレイルームへ行く。ここではたくさんのレゴを自由に組み立てて作品を作れるようになっているのだが、我々3人以外誰もいなかった。しばし夢中になって組み立てること1時間。 自分たちでやってみてつくづく感じたが、レゴビルダーは本当にスゴイ。平面的なことでも難しいのに、レゴを立体的に組み立てるなんて相当頭が柔らかくないとできない芸当である。柔軟な想像力と完璧な計算力の成せる技。デンマークの優秀な学生達がレゴに就職するのも頷ける。

チェックインの時間になり再びホテルへ戻る。部屋はパークビューのファミリールームであった(笑)。部屋の中はファミリー向けというだけあって広くて快適。また部屋の内装もことごとくレゴ!レゴ!レゴ!である。レゴファンにはたまらない〜。

夕食の予約を19:30に入れ(レゴランドの周りにはなにもなく、レストランはホテル内にあるだけ)、再びのんびりとパーク内を散歩する。話によるとレゴランドはいつも人が多く賑わっているらしいのだが、この日はそうでもなかったよう。

夕食はコースメニュー、アラカルトの他にビュッフェもあり。我々はアラカルトで注文。グラスワインも頼んで合計680Kr。昨夜の悪夢のようなイタリアンと違いここのレストランは美味しい。

   2004/09/09(木)晴れ レゴ!レゴ!レゴ!ふたたび!

ホテルで朝食後チェックアウト。荷物を預かって欲しいと例のクッジュー〜を使う(この言い回しは一生忘れそうにないな)。コペンハーゲンのホテルでもそうだったけど、引替札なんかが一切ない。朝食の際に部屋番号を聞かれることもないし、デンマークという国はひとを疑うことを知らんのかその必要がないのか。いずれにしてもそれで成り立ってるなら平和でいいことだと思う。

今日はミニランドへ向かう。ミニランドとはレゴで作られた小さな町並みのことである。そしてこれがいちいちスゴイ。どうスゴイのかはもう実際に見てもらうしかないのだが、とにかく「よくぞここまで!」と唸るしかないくらい細かなところまですべてレゴでできているんである。しかもそれが動いたりもする。

嬉しいことに日本もあった!一見現役バリバリのボルケーノにしか見えないが、鳥居の後ろにそびえ立っているのは富士山である(と思われる)。デンマークのひとは日本の新幹線にいたく感心されているらしく、ここでもちゃんと再現されていた。

サッカー・スタジアムもある(写真ではよくわからないが、観客のひとりひとりもすべてレゴフィグ。ピッチ際にはカメラマンがいたり、スタジアムの端っこの方は人がまばらだったりといちいち芸が細かい)。レゴファンにはこのミニランドが一番楽しいかも知れない。

ひととおり感心した後、またぼちぼちと乗り物に乗る。まずは世界を一周するボート。明らかに子供向けなので自動的に回るのだろうと、のんびり周りのレゴでできた世界的建造物を眺めていると、どうも私の後ろだけがやけにつかえていることに気づく。「こりゃこのボート壊れてるんだな」と思ってたら、係りのお姉さんが引っ掛け棒を持って飛んできた。そして一言。「自分で運転しなきゃダメよ(笑)!」。オモチャのハンドルだと思ってたよ。あとで2人に聞くと、「最初はオモチャだと思ってたけど試しに動かしてみたら、右へ左へとハンドルが切れた」と言う。早く教えろっての。次に園内を軽く回る汽車に乗る。キリンやシマウマ、ゾウなんかもすべてレゴ。レゴったらレゴ。ラウンドタワーに乗るとレゴランドとその周りが一望できた。空港とレゴの本社以外には何もないように見えたけど(帰りにタクシーを呼んでくれと言うと、「町へ出るの?」と聞かれたのでそういう場所もあるみたい)。

少し早いが他にやることもなかったので昼食を取りにパスタ&ピッツァという店に入る。レゴランドでの楽しみのひとつに「レゴ型のポテトフライを食べる」というのがあったのだが、事前にネットで調べたところ「いやもうあれはなくなった」と言う人がいたり、「食べた。可愛かった」と言う人がいたりでどうにもよくわからない。メニューを見てもそれらしいものはないし、テイクアウト式の店はどこも普通のフレンチフライであった。

「やっぱりなくなったのかな〜」とあきらめかけていた矢先、近くのテーブルで子供が食べていたポテトがどうも怪しいことに気づく。その家族が席を立つのを待ち、さりげなさを装い(その実ガン見)覗いてみるとやはりレゴっぽい形をしている!そこでテーブルを片付けにきた店員さんを掴まえ、「そのポテトが食べたいんです〜」と言うと山盛りにして持ってきてくれた(笑)。どうもこのレゴポテトはキッズメニューのみ(レゴなんちゃらと書いてあった)であるもよう。本来はホットドッグつきのセットメニューだけどポテトのみでも注文可。ビールに合うよ!

食事の後は4Dを見る。これは正直レゴには関係ないがストーリーが楽しいのでオススメ。

最後にお土産を買いにLego Shopへ。日本でも手に入る品物が多いし安くもない(免税になると日本よりもちょっと安いかも)が、まぁ記念ということで。熱心なレゴファンには量り売りのレゴが嬉しいかも。いろんなパーツがあって見てるだけでも楽しい。色もとてもカラフル。

ホテルに戻り空港までタクシーを呼んでもらったが、結局送迎バスで送ってくれるという。客は我々3人のみである。なのにわざわざ送ってくれるなんて〜。レゴランド・ホテルは部屋は快適だしレストランも美味しい。なによりサービスが素晴しくいいので、ぜひレゴランドに遊びにきたついでに泊まって欲しいと思う。ただしシーズン中は満室になることが多いので予約はお早目に!

空港のチェックイン・カウンターの近くにもレゴ発見!ダースベイダーとR2D2である。かなり大きいのでもしかして実物大かも。搭乗まで時間があったので空港内のレゴショップへ入ると、ショックなことに同じ商品がレゴランドよりも安く売られていた。品数は多くないがレゴランドでは売り切れの商品もあるので時間があれば覗くといいかと。

帰りもSASのプロペラ機。我々の周りの席はこれからどこかへ飛ぶのか、機長はじめクルーがワンセット乗っていた。その飛行機ももうあと少しでコペンハーゲンに着くという頃。機内アナウンスではシートとテーブルを元の位置に戻すようにとの指示があり、乗務員がせっせとカップ類の回収に回っていたまさにその時であった。yuka・Bさんの後ろの席の客に向かい男性乗務員が「Sorry?!」と素っ頓狂な声を上げたのは。続いて「Coffee??!!」と言う声も聞こえる。どうやらあと数分で着陸しようというこの期に及び、その客がコーヒーを持ってきてくれと言ったらしいのだ。男性乗務員が驚いたのもムリなかろうというものである。しかし次の瞬間には立ち直り、きちんとお望みどおりにコーヒーを持ってきたのには感心した。さすがはホスピタリティに定評のあるSASである。

ホテルに戻り再チェックインすると部屋は4階に変更になっていた。内装も青から赤へ。前の部屋の真上なので作りはまったく同じであったが、水の出はますます悪くなっていた。おまけにベッドの用意もできていない。やれやれ。

晩御飯を食べにコペンハーゲン・カフェへ行く。デンマークの名物料理スモーブローの老舗である。メニューを見ながら考えていると、とても愛想のいい店のおばさんに「7種類のスモーブローを少しずつ楽しめるセット」がオススメだと言われたのでそれにする。飲み物はこれまた北欧名物のジャガイモで作ったお酒スナップスを飲んでみることにした。ちなみにアルコール度数45度である。初めはグラス1杯だけを注文して3人で少しずつ飲むつもりだったのが、店のおばさんがぜひ3人でチャレンジしてみてと言うのでみんなグラスについでもらう。乾杯の音頭とともにくい!と飲み干した瞬間、喉から胸、お腹にかけてサラマンダー(火とかげ)が走り抜けた。空きっ腹には堪えるが真冬にこれを飲むとさぞ身体が芯から温まることだろうと思う(別名アクアビット(命の水)とも言うらしい。確かに冬山で遭難してもこれ1本あれば生き長らえそうな気がする)。

スモーブローは食べ方にいちおうルールがあるらしく、「サーモンにはマスタードソース、魚のフライにはタルタルソース」てな具合におばさんがいろいろと説明してくれる。さっそく薄くスライスしたパンにバターを塗り、その上に具を乗っけて食べてみた。味自体は非常にシンプルで食べやすい。ただ量が多いんである。男性なら人数分注文しても大丈夫だろうが、女性は人数よりひとり少ないくらいでちょうどいいかと思う。しまいにはパンは放置して具だけ食べた。それでも食べきれないのでデザートのチーズはこっそり持ち帰った。(スモーブローのコース3人分、スナップス1人1.5杯。ビール3杯で615Kr)。スナップスはビンで持ってこられますがお勘定は飲んだ分だけの量り売りなのでご心配なく。