大黒天立像
前回は「大黒天」の由来について簡単に説明したが、今回はもう少し詳しく大黒天について説明したいと思う。以下の解説はインターネット上で「大黒天」について調べ上げたものを犬の管理人なりに解釈して述べみたいと思う。

その前に、写真にある松四郎作「大黒天立像」は長らく我が家の旧宅にあった蔵の中に半ばゴミと化して眠っていたものである。近年私が見つけてホコリを払い他の松四郎作品とともに陳列した。
全体として重量感があり、形としてはごく一般的な「大黒天」、すなわち、肩に大きな袋を担いで、右手は頭上に打ち出の小槌を振り上げている。左手は肩にかけた袋の先端を握っているのだが、左手下の方に穴があり、当初は袋の先端部分が差し込まれていたと思われる。福々しい顔はどの角度から見ても損なわれることはない。ただ、像自体で立っているような作りにはなっていない、何か支えか台のようなものがあったのか、それとも神社仏閣の飾りの一部として制作したのかはさだかではない。それと、全身に色彩が施されており、白、藍色、暗緑色の三色が認められる。
向かって右側面からの写真で頭部に縦に裂傷が入っている様に見えると思うがこれは傷やヒビではなくて、制作者が意図したものである。目の部分に薄いガラスの板ををはめ込むためにこういった作り方のしたのだと思う。
打ち出の小槌、顔の前半分、左手下の欠落部分をのぞいて全体が一本の木片から作られていて、緻密な細工ではないが表情や仕草などはとても良くできた作品といえる。

さて、次に「大黒天」そのものについて解説したい、
大国主命とよく混同される仏教の神,大黒天、元々はインドの神で仏教に帰依する前の名はマハーカーラと言う。「偉大なる暗黒または闇」という意味で総じて黒を現している。
また別の説では全てのものを破壊し、また救うシバ神の化身ともいわれ「荒ぶる神」としてのイメージが強い。今のように福々しいお姿になったのは鎌倉から室町時代とされている。神仏習合(神道と仏教の神を併せ持って敬うこと)が盛んになるにつれ、神話の大国主神と結びついて、さらには七福神の仲間入りをしている。ちなみになぜ大黒天と大国主命が結びついたかという説に対しては、単に「大黒」、「大国」の音が似ていたからと言うのがある。・・・?
御利益としては、大黒天の誓願に「もし我を祭り信仰するならば、貧窮の者には福を与え云々」とあるように金運良好 資産増加 台所守護(食物の恵) 子孫繁栄等があげられる。以下は大黒天に向かって唱えるお経である。すべて音読みにすればよい。(下記のお経は横に読んでください。7.7.7.7.5字です)

除病延命息災我
福我円満重果報
衆人愛嬌従恭敬
入来衆人得七宝
南無大黒天