むつ犬のおまぬけ日記
平成20年 5月
5月31日 あめがふったりやんだり
ここのところ不安定な天気が続く・・春先は暖かい日が続いたので夏は暑くなるのかと思っていたが、そうでもないらしい。夜などは少々寒いのでストーブを付けていると御主人は言う。今頃までストーブなど置いたためしはないと言うから、それだけ気候が異常なのだろう。一方の僕は、犬小屋にかけられた防寒シートを取り払ってもらって素通しになった。そんな中で寝ているけれど、寒くも何ともない。かえって気持ちよいぐらいだ。今頃の暖かさなら夜は外に寝ても差し支えないのだけれど、さすがに今年は犬小屋の中に入って眠っている。いったい、今年の夏はどうなるのだろうかと御主人になり変わり気をもんでいる僕なのであった。

5月30日 はれのちくもり、かぜつよし
今日は久しぶりに「だだ」をこねてみた。今までは、御主人も農繁期で忙しい事だなぁと思って「だだ」をこねるのを飼い犬なりに控えていたのだけれど、やっと通常の生活に戻ったようなので「だだ」をこねてみた。理由は、いつものように散歩コースの事である。僕は、もっと歩きたいのに御主人は家に帰りたがる。そこで僕は足を大地に踏ん張って抵抗するのだ。最も、大概は僕の方が負けて、御主人に従うのだけれど、今日もその通りになってしまった。悔しいけれど、「泣く子と飼い主には勝てない」と、言うことわざが犬の世界にあるように、虚しい抵抗は我が身のためにならないと思う飼い犬なのであった・・・・

5月29日 あめのちはれ
今日は、怒りを覚えたと言うよりもあきれてしまった。御主人は何処かへお出かけだったので散歩と御飯の心配をしながら寝そべっていた。すると、お母さんが帰ってきたので、御飯の催促をしてみたけれど反応無し・・・・20時頃に御主人が帰ってきたので、御飯の催促をしたのだけれど、身体をナデナデしてもらっただけで、その後は反応無し・・・・そして、だいぶ経ってから、僕に御飯をやっていない事に夫婦共に気付いたらしくて、二人して僕のところへ飲み水と御飯を持ってきた。僕もお腹が空いて、気分が高ぶっていたので、噛みついてやろうかと思ったけれど、二人して謝りに来たので、こらえて、鷹揚に構えて御飯を食べたのであった。

5月28日 はれのちくもり
僕が生きていて最もつらい事は、御飯前に「待て」と言われる事である。もちろん言うのは御主人だ。「待て」と言われて待つような泥棒はおまぬけそのものであるけれど、「待て」と言われて御飯を目の前にして待つ飼い犬は悲惨そのものである。よだれを滝のように流しながら、飼い主のその日の気分によって、長かったり短かったり、そして、いつもの姿勢にならないと「良し」の許可が下りない・・・・いつもの姿勢とは、伏せの恰好である。その姿勢から「良し」のかけ声で勢いよく「わん!!」と僕もかけ声を上げるのが、御主人が最も気に入っている行動なのだ。しかし、僕が声もなく、けだるそうに立ち上がると、御主人は伏せの恰好からやり直しを命ずる。馬鹿馬鹿しいので、こんな事をやっていられないよと思う僕は、その行動がますますいい加減になってきて、又またのやり直しが延々と続く事もある。せめて食事ぐらいは楽しく食べたいと思う僕なのである。・・・・・・

5月27日 くもり
今日、やっと我が家の田植えが終了した。
僕もお手伝いしたんだ。と、言ってもいつもの如く、トラックを田んぼに取りに行く作業である。この作業は僕にとって嫌な作業である。だって、ほんの少々歩いただけで、あとはトラックの助手席にのって家に帰るだけなのである。目と鼻の先にある田んぼに置いてあるトラックまで歩くのだから、ダイエット中の僕としては、カロリー消費はゼロに近い・・・散歩、あるいは運動とは言えない・・・・最も「仕事」の一部なので文句は言えない。僕は、いわばこの家の雇われ人兼、家族・・・?なのだから。

5月26日 あめ
今日は、一日の内で一番楽しみにしている夕方散歩が中止になった。雨が降っているからだ。僕としては気候も暖かくなってきているし、毛皮が雨に濡れても大丈夫なのだけれど、御主人がね・・・・あっ!これ以上、飼い主の陰口は言えないんだけれど、今までの日記を読んでもらえば飼い主が飼い犬に対してどういう扱いをしているかが明らかになると思うよ。
そんなわけで、僕は散歩に行けない不平不満を誰にもぶつける事が出来ないで、プラスチックの植木鉢に八つ当たりをした。この植木鉢は、この日記にもたびたび登場する僕のおもちゃである。暇な時には、じゃれついたり噛みついたりして遊ぶ。今日は、これを足で蹴飛ばしたり、襲いかかったり、口にくわえて振り回したりして鬱憤を晴らした。本当は飼い主に襲いかかって噛みついてやりたい所だけれど、そんな事は恐ろしくて出来ない。だからこんな事をするしかない、飼い犬の僕なのであった・・・

5月25日 あめ
久しぶりに雨が降った。雨が降ると肌寒いと言うけれど、僕にはちょうど良い加減の陽気である。それと、入院してしまった田植機が、まだ帰ってこないので暇を持てあましている御主人なのであった。今日の僕には楽しい事があったのだ。お母さんの実家から堆肥が運ばれてきた(畑の肥料に使う)。それで、僕は大喜びで堆肥の匂いを嗅いだり、オシッコを引っかけたり、堆肥に身体をこすりつけて、その匂いを身体に写し取ったりと、大はしゃぎと言ってもよいぐらいな喜びようだった。犬は臭い匂いが大好きである。自分の匂いを消すために臭い匂いを自分の身体にこすりつけるのは犬の習性である。こうして自分の匂いを敵に感じ取られないようにするのである。飼い犬になった今、敵というものは現実的に存在しないけれど、御先祖だったオオカミさんたちが野山を走り回っていた頃の習性がDNAとして流れている事を実感した今日の僕なのであった。

5月24日 うすぐもり
今日は暑い日だった。何でも明日は雨になると言うから、こんな暑くなったのだと御主人は言う。今日の御主人は親戚の法事に出かけたので、僕はお留守番を任された。寝ころびながらの仕事なので楽と言えば言える。でも、今日は外へ寝ころぶにしては暑い・・・・結局、作業小屋の中へ入り、日の当たらない場所でお留守番をした僕なのであった。でも、ここからは家に誰が来たのかは見えないし、僕は熟睡してしまうタイプの犬なので、言いつけられた「お留守番」は、かなりいい加減な仕事になってしまったなと思う今日の僕なのである。

5月23日 はれ
犬は「昨日は何をしていたの?」と、問われても答えられない動物である。なぜなら覚えていないからである。昨日どころか、1時間前の事さえ覚えていないのである。特に人間にとって悪い事をした場合でも、しばらく経ってから叱られても「なぜ叱られているの?」と言った感じなのだ。
ところで、なぜ、こんな事を長々と書いたのかと言えば、昨日の事を覚えていないので、この日記に書けないのである。たぶん、一日中お昼寝していたとは思うのだけれど・・・・・

5月22日 はれ
体力の消耗が著しい・・・・原因は、この強風である。乾いた強い風が吹き付けてくるので身体の水分が抜けていってしまうからだ。おかげで水をずいぶん飲んだ。御主人も身体が疲れるといっている。一日中寝ころんでいる僕でさえ身体がだるいのに、お仕事をしている御主人はいかばかりだろうか・・・飼い犬でも察する事は出来ないよ。この強い風はいったい、いつまで続くんだろうか・・・?まるで「ナウシカ」が住んでいる谷のような、今日この頃の僕達の地方なのであった・・・・

5月21日 くもりのちはれ
「今年は風の当たり年だ」と御主人は言った。あたり年とは強い風の吹く日が多いという事なのだ。何でも、春先に山で咲くこぶしの花が横を向いて咲いていると、今年は風の日が多くなるぞと言われている。今年はほとんどの花が横を向いて咲いていた。そして、その言い伝えのように風の多い年になった・・・・今日などは台風並みの強い風になった。僕などが立っていると吹き飛ばされそうな風だったので、今日も一日犬小屋の中に収まっていたのだった。夕方になったら風も少し治まってきたので、喜び勇んで外へ出て、ごろりと地面に横たわってお昼寝をした。まぁ、夕方だからお昼寝とは言わないかもね・・・

5月20日 あめふり
明け方から日中いっぱいにかけて雨がたっぷりと降った。恵みの雨といった所だけれど、風が強いのがちょっとね・・・今日も犬小屋の中で一日を過ごしたんだ。御主人も何もする事がないので家に閉じこもっている。飼い主と飼い犬主従が、どちらも閉じこもり生活である。まぁ、御主人にとっては久しぶりにゆっくりと休めた今日一日だったので、飼い犬としても喜ばしい事である。僕としては、毎日のように犬小屋の中に閉じこもってばかりいるので気持ちが暗くなってしまっている。毎日が僕にとって「骨休み」な様なものだから、たまには、猛烈に働いてみたいと思っている僕なのであった。でも・・・?犬が猛烈に働く事って・・・何かあったかなぁ・・・?

5月19日 うすぐもり、かぜつよし
今日は、東よりの風が9メートルと異常な強さの風が一日中吹いていた。しかも乾燥注意報が出ているので、外に寝ころんでいると「犬の干物」が出来てしまう。それで、仕方なく犬小屋の中で今日一日を過ごしたのだった。今日の御主人は、田んぼの「補植」と言って田植機が作業できない田んぼの隅等に、手で苗を植える作業をしている。あと80aほどの田植えが残っているのだけれど、頼みの田植機が入院してしまっては、鬼が金棒をなくしたようなもので、御主人もどうしようもない・・・飼い犬の僕としても、一日も早い「田植機」の退院を願っている今日この頃なのであった。

5月18日 はれ
今日は、汗ばむぐらいの天気だった。最も犬は基本的には汗はかかないので「汗を掻く」という状態は実感としてわからないのである。でも、御主人などが額から水状のものをしたたらせている情景はよく見る。たぶん、あれが汗なのだろう。
ところで、田植えも順調に進んでいると思って安心している。田植えが終わると僕もゆっくりと遊んでもらえるからだ。ところが・・・・午後になって田植機のエンジントラブル発生!!お医者(農機具屋)を呼んでみてもらった所、しばらく入院(機械を修理工場に運んで手術)する事になってしまった・・・田植えが無事終了するのは、いったい何時なのだろう・・・飼い犬はとにかく飼い主の一挙手一投足に気を回さなければいけないのであった・・・

5月17日 はれ
今日は昨日にも増しての「五月日和」である。今日はお母さんも出ての「田植え」である。稲の苗を運ぶトラックが時折、我が家を出たり入ったりしているからゆっくりと寝てもいられない。腹を出して熟睡していようものなら警笛を鳴らされて「じゃまだ」と怒鳴られる。こんなに緊張しながら気を遣って寝ているのは身体に悪い。できることなら、「田植え」のお手伝いでもした方が気は楽なようだ。でも、犬は農作業のお手伝いは肉体的構造上出来ない事になっている。我が家が牧畜業だったら、羊なんかを追いかけて群れの管理なんか出来ると思うんだけれどね。広い草原を走り回る事が出来て気持ちが良いだろうね。そうするとお昼寝を楽しむって言う事は出来なくなるかなぁ・・・

5月16日 はれ
「五月晴れ」といった今日の空である。でも、面倒くさい事を言うと、今の季節の晴れは「五月晴れ」とは言わないそうなのだ。本当は旧暦の五月頃を言う。この頃は梅雨の真っ最中なので、その中の貴重な晴れ間を「五月晴れ」というのだそうだ。一方、僕達の地方では「五月日和」と言う言葉がある。この場合の「五月」とは田植えの事をさす言葉で、「五月日和」はそのまま「田植え日和」と同意味になる。このような七面倒な事を言うにはわけがある。とうとう、我が家で「田植え」が始まったのだ。今日は御主人が1人でやっていた。こんな日が3から4日ほど続くのであった。さぁ!忙しくなるぞ!僕はそんなでもないけれど・・・・

5月15日 あめのちはれ
雨は夜中の内にたっぷりと降ったようである。そういえば夢うつつの中で雨音を聞いたような聞かないような・・・・気がする。
ところで、今日も風が強かったけれど、そんなに犬小屋の中に閉じこもってばかりもいられない。外へ出て強い風の中に腹を出して寝ころんでみた。そんなに悪い感じではない。でも、風の吹く方に腹を出していると冷えそうなので南側へ腹を出して寝た。「風なんかに負けるものか!」という思いがあったのだ。実を言えば、僕は「風に立つライオン」にあこがれているのだ。ライオンは雄々しい身体で動物の王者とも言われている。秋田犬も犬の王者・・・と言われているかどうかは知らないけれど、一応雄々しい体型をしている。だから風に向かってたてがみをなびかせて断崖絶壁に足を踏ん張って立っている姿を想像すると身が震えるぐらい感動を覚える。まさに、さだまさしの歌う「風に立つライオン」の世界を頭の中で夢想する僕なのであった。えっ?、風の中に立っていたのじゃなくて、風の中に寝ころんでいたんだろうって・・・・犬は細かい事は気にしない習性なのだ。

5月14日 くもりいちじあめ
久しぶりに雨が降ったけれど、雀の涙ほども降らなかったようだ。僕は「雀の涙」がどのぐらいの量かは知らないけれど、ほんの少々という事なのだろう。風もいっこうに治まる事を知らない。田植えをしたい御主人は暇そうである。田植えをしたいけれど、こんな天候じゃ稲がかわいそうなのである。ヒマだったら、僕の身体にブラシをかけるとかマッサージでもしてくれればいいのに、眠っている僕の身体を突っついては安眠を妨害するような事ばかりする。何処かへ出かけていって欲しいと思い続けた今日の一日だった・・・・

5月13日 はれ
さすがの僕も、風速7メートルの風の中で腹を出して寝ている事が出来なかったよ。何しろ、今頃の季節に台風が接近しているというのだから驚きである。おかげで、今日は一日中犬小屋の中で過ごさざるを得なくなってしまった。御主人なんかは、今時僕が犬小屋の中で寝ているものだから「病気なんじゃないか?」と心配して時々のぞいてくれる。なんだかんだと言っても飼い主というものはありがた・・・・迷惑なものである。・・・・・

5月12日 はれ
昨日よりましな天気だったけれど風は相変わらず強い。これから暖かくなればいいのだけれど・・・等と、お話をしているとテレビやラジオに出てくるという「お天気お姉さん」・・・?はないだろうけれど「お天気おじさん」のようである。だって、天気の話でもしなければ話題がないのだ。この所寝てばかりいるからね。寝てばかりいるからと行っても病気で寝ているわけではない。することがないし、お日様も出ている。こんな条件の中では「寝る」という選択肢を選ばなければ飼い犬ではない。少なくても「外犬」の場合はである。だからぐっすり眠った。御主人に身体を「つんつん」とされても眠っている。本当によい気持ちなのである。晩春というか初夏というか、こんなあいまいな季節の中で「生きている」幸せを感じているのである。だだ惰眠をむさぼっているだけだけれど・・・・

5月11日 はれ
日を追って、だんだん寒くなっていくような気がする。このまま冬になってしまうんじゃないかと心配している。夕方散歩へ出かけた時間が18時。この時点で気温は10度である。朝の最低気温が5度である。「ひぇぇぇ〜!!冬の気温だぞ!!」と驚いたのは4日前である。今はもう、いちいち驚かなくなった。気の毒なのは御主人と、ハウスの中の稲の苗である。代かきが終わり田植えをしたいけれど、こんなに寒くては植えてもすくすく育たない。そして、御主人は寒くて行動が鈍くなっている。まるで冷血動物だ。そういえば、今日、田んぼで蛇を見つけたそうだけれど、とぐろを巻いたまま、あまり動かなかったそうである。蛇も寒いのだろう・・・ちなみに御主人は巳年生まれなのに蛇が大嫌いなのである。蛇に出会った所は、しばらくは通らないと言うぐらいな嫌いようである。
あっ!これは内緒なのだ。御主人がひた隠しにしている事なのだ。
本当の事を言えば、御主人は「まんじゅうが恐い」のだ。それと、「濃いお茶」もね。

注・・・落語「まんじゅう恐い」を聞いてみる事

5月10日 はれ
今日も寒い一日だったと御主人が言っている。「代かき」も大詰めを迎え、今日は土曜日とあって夕方散歩はお母さんといってきた。途中で御主人がトラクターで代かきをしているのを見た。御主人に話しかけられたけれど無視をした。僕は僕自身の世話をしている人に従うのだ。だから、今はお母さんである。トラクターでお仕事をしている御主人は、ただの通りすがりに出会った人なのだ。だから無視!!このようにして、お母さんとの散歩も終わり、お母さんが作ってくれた「いつもの御飯」を食べたのだった。「いつもの御飯」だったけれど、御主人が作ってくれる「いつもの御飯」よりおいしかったような気がする・・・・

5月9日 はれ
昨日は、肌寒いと書いたけれど、今日の御主人は「寒い」と言っている。防寒服に身を包んでも寒いというのだから人間、御主人だけなのかもしれないけれど、よほど寒いのだろう。お日様が照っていてもそうなのだから寒いに違いない。僕はと言えば、毛皮がお日様の暖かさをたっぷりと取り込んでくれるので、こんな日でもお腹を出して外で寝ていられる。だから、今のところは安心のである。だだ、暑い夏が来るかと思えば、ちょっとね・・・でも、暑い

5月8日 はれ
昨日は肌寒い日が続くと書いたけれど、今日は、ちょっとだけ暖かかったよ。ところが、今度は「この頃、夕方散歩へいけない日が続く」と書かなければならない・・・今が農繁期の真っ盛りである事は以前に言ったと思うけれど、ずっと続いた上天気のおかげで田んぼに水が廻らなくて作業が遅れている。最近になって、やっと田んぼに水を張る事が出来たので、「代かき」作業が出来るようになった。代かき作業とは、水を張った田んぼの土をトラクターでかき回して、どろどろにする作業だ。そして、きれいにならして、その上に稲の苗を田植機で植えていくんだ。御主人はその作業の遅れを取り戻そうと、暗くなるまでお仕事をしている。だから、僕が待ちかねているにもかかわらず、散歩には連れて行ってもらえないような状態なのだ。でも、しょうがない。農繁期は飼い犬も肉体的には協力できないけれど精神的には協力しなくちゃね。

5月7日 はれのちくもり
肌寒い日が続く・・・と、御主人が言っている。この前までは「夏がやってきた」といっていたのに・・・いったい何なんだろうと思っているのだけれど、暑かった日の最終日は、わずか2日前なのだ。それから雨が降ったら急に寒くなってきた。犬にとっても人間にとっても急激な気候の変化は身体に悪い。そのせいかどうかはわからないのだけれど、僕のお腹も調子が悪い。薬替わりの雑草を口で摘み取ってはお腹の中に送り込んで、それを今度は吐き出して胃袋の洗浄をしている始末だ。それとも、あまり良い物を食べすぎたのかなぁ?、それは何かというと、だいぶ古くなった、チョコレートパンなのである。普段滅多に食べる事が出来ない、いわゆる「良いもの」なのだけれど、この場合「古くて良いもの」という言い方になるのかなぁ?。でも骨董じゃあるまいし、食べ物に「古くて良いもの」なんて無いよね・・・・?

5月6日 くもりのちはれかぜつよし
大型連休とやらも今日が最終日との事、楽しかった人もいれば疲れた人もいるだろうけれど、我が家は「そんなのは関係ない」なぜなら農繁期真っ盛りだからだ。と言っても、お母さんとかお兄さんは関係があるらしい。連休と無縁なのは御主人ばかりである。そして僕も・・・・何処にも連れて行ってもらえないし、忙しいので僕の散歩も雑になる。「ちょっと、そこまで」程度になってしまうのだ。早く農繁期が終わって通常に戻って欲しいと思う今日この頃の僕なのであった。ちなみに、ここら辺の農繁期が終わるのが、だいたい5月の下旬に入る頃かなぁ?・・・・

5月5日 くもりのちあめ
今日は「こどもの日」なのだという。子供が大切にされる日だという。それなら僕だって、「この家の子供みたいなものじゃないか」と言うと、御主人は「孫みたいなものだ」と言い返す。残念ながら「孫の日」というのはないというので、おいしいものは食べる事が出来なかった。それでもあきらめきれずに、昨日のごちそうの残り物をと懇願すると、残ったものはお昼と夕食に御主人とお母さんとで食べるのだという・・・・果たして飼い犬まで残り物は廻ってくるのだろうか?
と言うわけで、僕の夕方散歩の後の御飯はいつもの代わり映えしない御飯なのであった・・・

5月4日 はれ
相変わらず暑いのである。日を追うに従って気温が1度、上昇していくような感じがする今日この頃なのである。
ところで、今日この頃といえば、今日、横浜からお母さんの甥っ子夫婦が遊びに来てくれた。僕は一度も会った事はないのだけれど、お母さんのお姉さん夫婦の長男である。お姉さん夫婦は何度も家に来ているので顔なじみなのだ。そのせいかどうかはわからないけれど、妙に親しみを感じたのだった。僕も甘えるようにすり寄っていて匂いをかいだり、オスワリやお手も言われるままして見せたんだよ。僕が初対面の人にこんな事をするなんて滅多にない事なのだ。僕自身も驚いているのである。そして、我が家に泊まったんだ。欲を言えば僕にもごちそうのお裾分けが欲しかったなぁ・・・

5月3日 はれ
ハァハァハァハァ・・・・暑いのである。舌が伸びて汗がしたたるのである・・・今日は昨日にも増して暑い。25度を超えて夏日になってしまった。そんなわけで御主人が一大決心をして、僕をシャンプー場に引きずっていった。散歩紐を持った御主人が近づいてきたので、僕は身の危険を感じて物陰に隠れた。しかし、引きずり出され、今度は庭の植え込みの中へ逃げ込んだ。無駄な抵抗と知りつつ僕は必死に逃げた。だが、時間が無駄なだけなのだ。そう思った僕はきれいさっぱりとあきらめて、「さぁ、シャンプーするならしてみろ!!」とばかりに御主人に首を差し出して散歩紐を付けてもらったのだった。そして、希望どおりシャンプー場に連れて行かれ、お湯をかけられて泡だらけになって、30分後にはきれいさっぱりと、赤い毛は赤に、白い毛は白にと二色がはっきり分かるように美しい秋田犬になった。
このようにして、気持ちよくシャンプーが終わったのだった。今日は特にお母さんが助手に付いてくれて、僕にシャワーをかける役目をしてくれた。それで、おとなしくシャンプーをしてもらう事が出来たのだ。御主人1人だと、色々注文がうるさいので、僕も反発して暴れたくなるんだよね。その点、今日のシャンプーは近年まれに見る気持ちの良い身体の洗濯だった。

5月2日 はれ
「夏も近づく八十八夜・・・」と歌い出したくなる今日この頃の僕なのである。八十八夜と言えば昨日だったらしい。しかし、昨日今日の陽気を体感している僕が思うに、もうすでに夏は来ているといいたい。「八十八夜の別れ霜」などと言うことわざがあるようだけれど、霜が降るなんてとんでもない。「シャンプー、シャンプー」と僕を恐怖に陥れる言葉をのたまう御主人の気持ちもわからないわけではない・・・・いずれにしろ、異常な気象なのである。北海道の気温が僕達の地方の気温より高いなんて・・・・

5月1日 はれ
今日は、いきなり「夏」になった。なんと!気温が24度まで上昇したのだ。御主人は、またまた僕に「シャンプーするぞ!」と脅しをかけてくる。でも、そんな「こけおどし」に、恐れをなす僕ではない。知らんぷりをしてお昼寝をした。でも、いちおうの対応処置として「田植機」の下に潜り込んで寝たんだけれどね。どういう事かというと、万が一、御主人が本当に僕をシャンプーしようとした時、田植機の下にいれば容易に僕を引っ張り出す事は出来ないだろうと思っての事だ。「シャンプーするぞ」という御主人の言葉は「こけおどし」だと頭ではわかっていても、小心者の飼い犬である僕は、一応の予防線を張ってしまうんだよね。いったいこの性格は誰に似たんだ?