むつ犬のおまぬけ日記
平成20年 6月
6月30日 はれ
犬がオシッコをする時、雄と雌では恰好が違う。オスは片足を高々と上げてするし、メスはしゃがみ込む様にする。ただ、雄犬は片足を上げてしかオシッコが出来ないけれど、メス犬はしゃがみ込んでするのが一般的なのだけれど時には片足を上げてする時もある。犬という動物は、皆それぞれに縄張りを主張し合うから、草むらだけにオシッコをすればいいとは限らない。時には電柱や、道ばたの杭にもしなければならない。だからメス犬でも片足を上げてオシッコをするのである。・・・・って、それがどうしたと言われると困るのだけれど・・・・
ところで、猫さんはどうやってオシッコをするのか見た事がないので興味があるのである。なぜって?・・・だって犬だから・・・・

6月29日 くもりのちあめ
昨日の夜は、2度目、イヤイヤ、朝散歩も入れれば3度目の散歩に行ったんだ。風が止んで穏やかな夕暮れだった。散歩にく前は、うっすらと辺りの景色が見えていたんだけれど、それでも8時を過ぎているので黄昏時とも言えるかも知れない。この時は、いつものきつい散歩ではなくて、ゆっくりゆっくりと歩くそぞろ歩きだった。そして、御主人は田んぼの中に目的のものを見つけた。ホタルである。御主人はホタルを見つけたくて僕を散歩に誘ったのだった。いつもの年より早いのか遅いのかは知らないけれど、一匹だけ見つけたそれを御主人は手のひらにすくい取って、僕の鼻先に持ってきた。とたんに嫌な匂い・・・・人間にとってはどうなのか知らないけれど、犬にとっては嫌な匂いがしたのでイヤイヤをした。だけど、蛍の光はうす緑色に光り、それはそれは美しいものであった。このようにして僕はホタルを見て、家に帰り、よく散歩に付き合ってくれたと、御主人からご褒美をもらったのだった。最も、散歩に付き合わないと何をされるかわからないので、この場合は「行く」というただ一つの選択しかできなかったんだけれどね。ちなみに、ご褒美は煮干しを一握りだった・・・・

6月28日 はれ
夕方散歩から帰ってくると、家の前、約20メートル地点に怪しい物体を発見した。徐々に御主人と近づいてみると、それはご近所の家で飼われている白猫さんだった。10メートル近くまで接近すると、白猫さんは「猫さんオスワリ」をして警戒態勢に入った。そして5メートルまで近づくと、「猫さんフセ」の恰好になり、その恰好から、ものすごい勢いで飛び跳ねる様に工場の敷地の中に走って行ってしまった。僕は別に追いかけようとする気もないので、そのまま見送っただけだった。たまには犬以外の動物と遭遇するのも楽しいものである。最も、ツバメやセキレイ、アリ等とは何時も遭遇しているのだけれどね。

6月27日 はれたりくもったり
朝方は雲が多かったけれど、午後から晴れた。昨日は、たっぷりまでは行かないけれど、そこそこの雨が降ったにもかかわらず、畑には、それほど雨はしみ込んでいないと御主人は言う。朝方は濡れていた畑の土はお日様の暖かさと吹く風で、たちまち白色になってしまった。これじぁ、畑の作物はたまったものではない。野菜の種の発芽には温度、それに水分を必要とする。それが、こんな状態では毎日毎日、水道の水をかけてやらなければいけない事になる。今日だって、昨日は雨が降ったというのに御主人は水道から畑に水をまいている。困ったものである。まだ発芽しない野菜達・・・・自分の子供が生まれるか生まれないかと心配している様に見える今日この頃の御主人であった・・・・

6月26日 はれたりくもったりのちあめ
午後からは驚いてしまった。雨が降ってきたのだ。畑にいた御主人は洗濯物を取り込み、外で寝ていた僕に小屋の中にはいるようにと命令したり、てんやわんやの突然の雨だった。雨など降るとは一言も聞いていないのに降った。人間の世界でも犬の世界でもルール違反である。通告も無しに何かをしでかすなどと言うのは常識では許されない事である。ところが自然という存在は、それが許されるらしい。最も自然とは神というものに近い存在であるので、「まぁ、しょうがないか・・・」で事が済んでしまう。突然、雨が降ってずぶ濡れになっても、その腹立ちを何処にも持って行きようがないのである。これが、誰かに突然水を頭から浴びせられた。と、なると話が違う。だから、洗濯物が雨に濡れても腹が立たない御主人だった。えっ?、僕は別に少々濡れても、垢だらけの毛皮が雨粒をはじいてくれるんだもんね!!

6月25日 はれたりくもったり
相変わらず雨は降らない・・・・昨日は降った事は降ったけれど、雀の涙、ならぬアリの涙ぐらいなものだ。土の表面は濡れている様だけれど、、すぐ下はカラカラの土である。畑の野菜には毎日、水をかけてやらなくてはならない。
空梅雨だけれど、「梅雨寒」はやってきた。今日などは肌寒いとは言わないけれど、少々気温が低い、22度と言った所だろうか?犬にとっては、そんなに寒いわけではないし、御主人も寒いわけではない。だだ、この前の気温30度というのが異常に高かっただけに、一見、寒そうだなって感じるのかも知れない。何しろ8度ぐらいの気温差だからね。8度の気温さといったら、たとえて言えばチワワと秋田犬ぐらいの大きな差だよね。

6月24日 あめのちはれたりくもったり
家の御主人は「犬は少しでも甘い顔を見せるとつけあがる」と頑固に思いこんでいるので始末が悪い・・・・・でも、実際その通りなのだから反論は出来ない。御先祖のオオカミさんの頃から犬は集団で生活し行動する。そして集団の上下関係は力の強さで成り立っている。群れの中で最も力が強くて賢いものがリーダーになり、以下が決まっていく。だから、群れの中の他の犬に甘い顔を見せたらつけ込まれるだけなのだ。実際、犬は怪我をしたり身体が弱ったりしても弱い所を見せない。つけ込まれて力関係が逆転してしまう事を恐れるからだ。だから飼い犬になってしまった現在でも家庭内の力関係を鋭く察知して、少しでも上位に上がろうとするから「飼い犬に甘い顔を見せてはいけない」という事になる。ただし、甘い顔を見せないから、かわいがられていないという意味に取られては困る。飼い犬を愛する事と飼い主が行うしつけは別物なのである。しつけがしっかりしているからこそ、群れ(家庭)のリーダーである飼い主には素直に従わなくてはならない事になる。ところが、家庭内の中で犬がリーダーになってしまう事が結構あるのだ。すると犬は家の内外でし放題である。人間を含めて誰もその犬に手出しが出来ないのである。この場合、力関係を逆転させる方法は一つしかない。誰が、この家のリーダーになるかを決める決闘である。つまり喧嘩をして勝った方がリーダーになれるのだ。そんな飼い犬がいたら一度やってみたらいいだろう。何も殴り合い咬み合いをしろというわけではない。犬には犬なりに、人間は人間なりに賢い方法があると思う。くわしくは「我が家のわがままな犬のしつけ方」という本を参考にして欲しい・・・・・・・そんな本が本当にあるのかどうかは知らないけれど・・・・

6月23日 はれのちくもり
今日は「雨が降る」という天気予報だったというが降らなかった・・・・どうも空梅雨らしい。北からの高気圧が強くて太平洋高気圧が力負けをしている様だ。だから梅雨前線も僕達の地方にやってこない・・・つまり梅雨前線は太平洋高気圧に「北へ北へ」と押し上げられる様にやってくる。
ところで、今日の散歩コースは、いつもとは逆のコースだった。逆だったおかげで、僕は色々な楽しみを発見する事が出来て嬉しかった。ところが・・・僕が楽しみを見つけるたびに立ち止まるものだから、早く僕の散歩を終わらせたい御主人が、じれったがって僕をせかすのだ。僕は僕で、力の限り抵抗するものだから、二人の散歩は遅々として進まないのであった。ようやく、お日様が西の山に沈もうという頃になって家にたどり着いたのであった。従って、僕の御飯はまだもらっていない・・・

6月22日 はれ
今日は、とうとう気温が30度を超えた。早々と夏の到来になったわけだけれど、この前「梅雨入り」ばかりなのに、いきなり「夏」とは、咄家のきついしゃれのようであまりいただけない・・・俳句の季語で言えば、「梅雨入り」したあとは「梅雨寒」と来なくては本筋ではない様に思う。
今日の僕は、トラックの下に潜り込んだり、御主人がご推薦の作業小屋の奥の方、等々、涼しい所を求めて一日中さまよってみた。御主人のご推薦、と言うのが少し眉唾物だけれど、「溺れる者は藁をもつかむ」じゃないけれど「暑がる犬はところ選ばず」のたとえの如く、作業小屋の奥の方に行って寝ころんでみると、思ったよりは涼しい。まぁ今日は東風がけっこう強かったので、その風が入ってくる作業小屋が涼しかったのかも知れない。そんなわけで、今日は、ほとんど作業小屋の中に寝ころんでいた僕なのであった。

6月21日 はれ
今日の夕方、今年初めての大きな大きな入道雲が出来た。この日記では、何度も何度も御主人が入道雲が大好きだと書いている。今日は、大好きな入道雲が形良くわき上がったので、僕達はカメラを持って散歩に出かけたのだった。今日は僕達の住んでいる所の気温が27度になった。しかも風も弱くて生き物にとってはしのぎがたい一日だったのだ。そして、夕方になって涼風もかすかに吹く頃になって入道雲がわいた。嬉しい限りである(御主人が・・・)僕はどうでも良いのだけれど、この雲が発達して雨でも降らせて、少し涼しくなってくれればと願う僕なのであった。

6月20日 くもりのちはれ
今日は、なんという穏やかな夕方散歩だったのだろう。風話、夏山が東側に広がっていて、田んぼの稲はすくすくと育ち、青々と広がり、まるで草原の様である。夕日は柔らかな光を弱めつつ西の山に隠れていく。平和そのものの風景である。出来れば、こんな風景が末永く続く事を望む。

6月19日 はれのちあめ
久しぶりに雨が降った。この所、雨が少ないものだから海から近い僕達の地域では塩水が川に逆流してきて田んぼに水が引けない状態になっている。海というものがどういうものなのか、まだ行った事がない僕には想像も出来ないけれど、向こう先が見えないぐらいの広さの中に水があって、その水は塩辛いらしい・・・・何時も「海」の話が出ると一度行ってみたくなる。でも、海までは約4q・・・犬の足でもいけそうだけれど帰りは疲れてしまいそうだし、何処にあるのかわからないから御主人と車で行かなければいけない。しかし、犬は車に弱いのだ。乗り物酔いになってしまう。近くの山へ来るまで出かけた時も酔ってしまいフラフラになってしまった。と言うわけで「海」は、僕のまだ見ぬあこがれの場所なのであった。

6月18日 はれ
毎日晴れの天気が続く。こう晴れの日が続くと、たまには雨が降って欲しいと思うのが動物のわがままである。今日は夏日になって、僕はトラックの下、トラクターの下、田植機の下と避暑地を一日中移動して歩いた。3つも避暑地があるとはうらやましいと言わないで欲しい。御主人が、この3つの機械を洗うというので、僕は移動しなくてはならなかったのだ。あまりにうるさく、「どけ!!」と言われるので腹が立って、灼熱のアスファルトの地面に寝ころんでやった。さすがの御主人も「ムツ、身体が焼けてしまうぞ」と声をかけてくれた。そんな事を言われても、僕の身体・・・と言うか毛皮はとっくにきつね色、すなわち赤色に焼けている。問題は毛皮を通して肉の方まで焼けてしまわないかである。幸い「ホットドッグ」にはならなかったのでひとまず安心した。と、言うわけで、今日の僕は「流浪の民」の気分を味わったのであった・・・

6月17日 はれ
毎日、激しい自転車散歩は続く・・・・通常の散歩後は、すぐ御飯が目の前に出てくるのだけれど、さすがに激しい散歩、イヤイヤ、今は激しい運動のあとに、すぐさま御飯が食べたいとは思わない。そんな僕の思いを察したのか、御主人は散歩が終わってもすぐには御飯を出さない様になった。飼い犬の思いを察してくれたのかと嬉しく思っている。でも、御飯が出てくるのが遅すぎるんだよね・・・・そこら辺の飼い犬との呼吸は阿吽って事で宜しくお願いするよ!!!

6月16日 くもりのちはれ
「梅雨寒」という俳句の季語があるらしいけれど、今日は、そんな天気だった。でも、まだ僕達の地方は「梅雨」に入ってないんだよね。こんな天気だと僕はぐっすりと気持ちよく寝られるけれど、湿気が多くなったら、いくらか気持ちが悪くなりそうだ。毎年恒例である犬の「毛替わり」も始まっているので、毛皮にしっとりと湿気がまとわりついたら皮膚病になってしまいそうだ。

注・・・「毛替わり」とは、哺乳動物の中で毛皮を着ている動物が冬用の毛が自然に抜けて夏の毛に生え替わる事を言う。野生のうさぎなどが有名で、夏は焦げ茶色に変わり、冬は白色になる。僕の場合は、夏は赤色に白色が多めになり、冬は腹は白、背中は赤色にと、はっきり2色に別れる。だが、自然に生え替わるというわけにはいかない。何時も御主人にブラシで抜いてもらっているのだ。ここいら辺が野生の動物と人間の業で作られた秋田犬との違いなのである。。

6月15日 くもりのちはれ
今日の夕方散歩は、御主人とことごとく意見が合わず、喧嘩しながらの散歩だった。向かった先は大学前公園である。ところが、公園の中は色々な犬の匂いがして、とても楽しい場所だった。僕はゆっくりとその匂いを楽しみたいのに、御主人は僕を歩かせ、走らせて運動させようとする。僕は「イヤイヤ」をして自転車をあらぬ方向に引っ張ったりして御主人の怒りをかう・・・・分かれ道で右へ行こうとする御主人に僕は左へ曲がる。こんな事が何度も何度もあって、まるっきり意思の疎通が出来なかった散歩だった。こんな散歩も珍しいのである。最も原因はわかっている。いつものコースではないので飼い主も飼い犬も戸惑ってしまった。いや、僕の場合は舞い上がってしまって、うれしさのあまり飼い主の言う事を聞けなかったというのが本当かな?

6月14日 あめのちはれたりくもったり
8時43分頃、強い地震がやってきた。僕は自分の身体がおかしくなったのかと思ったほどだ。生まれてこの方、こんなに地面が揺れた事はない。御主人達は、何度も何度も、もっと強い地震に遭遇したと言うけれど、僕は初めてである。震源地ではかなりの被害があった様だけれど、我が家の被害としては、僕が心臓が止まるほどびっくりした事と、御主人の部屋に飾ってある電車の模型と、イルカの形をした銀メッキの栓抜きが床に転げ落ちたぐらいだったのだ。まずは、一安心と言った所であった。

6月13日 はれたりくもったり
夕方散歩は自転車!!・・・の日が続く。ダイエットのためである。僕のためである。御主人のダイエットにはぜんぜん影響がない。そもそもダイエットしようなんて思っていない。肉体労働者なので、そのうち体重が減るだろうといえ安易な考え方である。現在73s、僕のほぼ二倍の体重である。そして、御飯は減らされ、きつい自転車散歩・・・・それで体重が減っているのかというと、はっきり言ってわからない?そもそも、子犬の時から体重など量った事がないのだ。いつか動物病院で計ってもらったら38sあったので、公称はその体重で通している。「冬は太れ」、「夏はやせろ」という飼い主。どちらも飼い犬に対する愛情かも知れないけれど、こちとらは動物であると言う事をいい加減、認識してもらいたいと思う僕なのであった・・・・

6月12日 はれ
今日の夕方散歩は、またも自転車散歩だった。そして、ふと思いついて「だだ」をこねて立ち止まったら、急には止まれない自転車の力に散歩紐が引っ張られて、ついでに首輪もすっぽりと抜けてしまった。ここからが我が家の歴代秋田犬の諸先輩と僕の違う所だ。諸先輩方は首輪が抜けると、すぐさま逃亡しようとした・・・らしい。しかし僕は悠然と構えて、「逃亡するのではないか」と心配して僕の尻尾をがっちりと握りしめる御主人に対して「どうしたの?」といった風情である。行動が鈍いのではなく、泰然自若とした態度と言って欲しい。別に逃亡したからと言って、現時点で僕にとって利益な事は何もない。逆に御飯の時間が遅くなってしまう不利益の方が大きい。まぁ、そこまでは考えなかったけれど、首輪が抜けたけれど、何も思わず「ボー」と、突っ立っていただけというのが正しいのかも知れない。犬はあれこれ考えるのが苦手なのである。

6月11日 はれたりくもったり
今日の県内ニュースで大潟村という所で迷い犬か、捨てられた犬かは不明だけれど、橋の下で天露をしのいでいるのだという。見かけた人が水や食べ物を与えているらしい。写真も載っていたのだが、御主人が見た所、年老いた秋田犬の様だという。しかも僕と同じ赤犬だ。何時も橋の上の方を眺めてばかりいるのだという。きっと飼い主がいつか戻ってきて自分を連れ帰ってくれるのを待っているかの様だと新聞は伝えている。こうなると、僕も御主人も悲しくなってくる。犬のけなげさと捨てた飼い主に対する怒りが沸々とわき上がる。僕と御主人は、この犬は捨てられたのだと確信している。涙なしには語る事が出来ない出来事だけれど、我が家にもう1頭秋田犬が増えたら・・・・どうなるのか?

6月10日 はれ
今日の夕方散歩は激しかった。自転車散歩なので全速力で走らされて、その他は早足という行程である。全長2キロメートルのコースである。東側の溜め池の所まで行ってきた。あたりは薄暗くなっていて、黄昏時とは言えないまでも、お日様は沈みきってしまっている。田んぼには誰もいない。聞こえるのは遠くに聞こえる救急車の音と、うるさいぐらいのカエルの鳴き声である。そして、息も絶え絶えの激しい僕の呼吸の音である。ダイエットしなければならないという御主人からの至上命令が重く、しかも虚しい・・・・果たして夏までに僕はスリムな体型になれるのだろうか!!こればかりは僕自身がいかに頑張ったところでどうにもならない。すべては御主人による飼い犬管理にかかっているのだ!!

6月9日 はれ
近頃は暑い日が続く。犬にとって、日中の暑さは少々つらいので避暑に出かける事にした。出来れば軽井沢か八ヶ岳の麓に出かけたかったのだけれど、犬にとっては遠いので、近場で我慢する事にした。その場所とは「田植機の下」である。田植機も、今は役目を終えて来年の春まで永い眠りについている。その下に潜り込んで惰眠をむさぼる。これほど気持ちの良い事はない。今日も一日、仕事もしないで日がな一日極楽を味わった僕なのであった。

6月8日 はれ
今日の夕方散歩は、いつものコースから外れて、大学前通りに向かい、途中から大学前公園の中に入っていった。しかも久しぶりの自転車散歩なのだ。途中で「だだ」をこねたら首輪がすっぽりと抜けて、僕は10秒ほど自由の身になった。しかし、僕は尻尾をつかまれて拘束され、首輪を附けられて通常の散歩に戻ったのだった。トカゲは捕まえられそうになったら自分の尻尾を切り捨てるという。しかもあとで尻尾が生えてくると言うから驚きである。犬の場合は尻尾を切っても生えてこないので大事にしなければいけない。それに尻尾が無くなってしまったら、飼い主に愛想を振りまく事も出来ないのである・・・・

6月7日 あめのちはれ
我が家の歴代秋田犬の中で、一番散歩に連れて行ってもらっているのは、どうやら僕らしい。まるさんなどは、毎日、夕方散歩だけだった様だし、その前の先輩犬たちは、それよりひどかったという。僕の場合は御主人の都合によりけりだけれど、ほぼ毎日朝夕の散歩に連れて行ってもらえる。その分しつけは、先輩犬たち以上に厳しいという。どっちが幸せなのかはわからないけれど、僕自身、飼い犬とはこんな物なのかなぁ、と思っているのでそんなにつらいと思う事はない。ただ・・・・べたべたと僕をかわいがるのだけは止めて欲しいと願っている。必要以上に僕をなで回したりするのである。僕はこれが最も嫌なのである。お願いです。御主人!!もっと事務的な対応を飼い犬にしてください!!

6月6日 くもりときどきあめ
今日は一転して、梅雨の走りの様な肌寒い天気になってしまった。そんな天気なので、今日の御主人はさんざんな目にあった様だ。まず、晴れてきた所を見計らって田んぼの草刈りに出かけると、雨が降り出してずぶ濡れになってしまった。僕のホームページの挿入曲をシンセサイザーで弾こうとしたけれど、何度も間違えて出来なかった。単純な音譜なのになぜか引く事が出来ない・・・等々と言った事態が発生した。僕が思うに、これは「たたり」ではないかと思っている。だって、「雨に祟られる」って言い方を人間はするじゃないか・・・?

6月5日 はれ
暑い・・・・今日は暑い!!。気温が27度にもなったらしい。完全に夏である。つい2から3日前まで「寒い、寒い」と言っていたのが嘘の様である。こんなに気温の上がり下がりに変化のある年もないものである。それに強い風の吹く日が多すぎる。僕も、まだ8年ほどしか生きていないけれど、いつもの年とは違うなって思う。でも、まぁ、こんな年もあるんだなって事で犬は納得してしまうのだから、世の中の平和は保たれているって言う訳なんだと思うよ。

6月4日 はれ
さらに「だだ」をこねる話は続く・・・・「もういいよ」とは言わずに聞いて欲しい。今日は「だだ」をこねて失敗した話なんだから・・・散歩の途中に、いつもだと大学の駐車場の角を右に曲がるのがコースになっているのだけれど、今日は、何を思ったのか、右に曲がらないで、まっすぐ歩いた所にある溜め池に行きたくなってしまった。で、「だだ」をこねた・・・・すると、御主人は、溜め池の方にも行かず、右にも曲がらず。そこから、今たどってきた道を引き返すのであった。僕がいかに大地に足を踏ん張っても、御主人が怒りにまかせて引く散歩紐は、象の力にも匹敵するのであった。かくして、僕は引きずられる様に家に帰らざるを得なくなってしまったのであった・・・・その時の雰囲気、御主人の機嫌。「空気を読む」って言う事がいかに大切かを思い知らされた僕なのであった。

6月3日 うすぐもり
毎日、「だだ」をこねる話が続く・・・・何でも「だだをこねる」とは、広辞苑という本によれば「子供が甘えてわがままを言う事」とある。まぁ、意味はともあれ、飼い主なり、親に抵抗する事を「だだをこねる」というらしい。もっとも、最近は他人に対しても「だだ」をこねて、ちゃっかり自分の都合の良い方向に持っていく大人もいると言うから驚きだ。この場合は「ごね得」とも言う。こうなると子供より始末が悪い。僕の場合は損得無く、純粋に「だだ」をこねるのだから、広辞苑とやら言う本の言う意味に近いものがあると思う。
と言うわけで、今日はだいぶ長く「だだ」をこねてみた。御主人が僕のほっぺをツネツネしようが、紐を引っ張ろうが、足を大地に踏ん張って、びくともしなかったのだ。最後は御主人とにらめっこである・・・・結局、僕の方が先に笑ってしまったので負けという事になり、仕方なく4本の足を動かしたのであった・・・・

6月2日 くもりのちはれ
今日の夕方散歩の時、なんの理由もないのに「だだ」をこねてみた。別に散歩の道筋が気に入らないとか、そんな理由はいっさい無い。ただ、ふと立ち止まった瞬間に「だだ」をこねてみたくなった・・・・僕は、そのまま足を大地に踏ん張り動かなくなった。御主人が「何でこんなところでだだをこねる」と叱ったけれど、僕は「だだ」をこね続けた。そして、ややしばらく経つと、「フッ」と、身体の呪縛が淡雪の様に溶けたかと思うと、4本の足は素直に動き、我が家を目指して歩き始めているのであった。我が身であって我が身でない様な不思議な体験だった・・・・

6月1日 はれたりくもったりいちじあめ
昨日までの、馬鹿な風はいったん治まったようだ。それでも、雨が時折降ってくる生憎の空模様である。そんな小雨の降る中を御主人と朝と夕方の散歩に行ってきた。いや、わざわざ「御主人と」と附けなくても散歩は御主人と一緒なのは誰でも知っている。「僕が1頭で」となると、これは「散歩」とは言わず「脱柵(だつさく)」、あるいは「逃亡」という言葉になってしまう。同じ二字熟語なのに、意味は「雲泥の差」、「月とすっぽん」、掃き溜めに鶴・・・・とは違うかも知れないけれど、そんな様なものだ。と、言う事で飼い犬とは、何処までも拘束されるという事がつきまとう、つらい立場なのであった・・・・