平成20年 8月
8月31日 くもり
御主人は、最近自転車に凝っている。街へ買い物に行くのも自転車である。駅まで2キロちょっと、デパートもホームセンターもそんなものらしい。自転車で行くと、自動車では見過ごしてしまいそうな店を見つけることが出来る。今日も、「雑貨屋」というところに入って、色々見てきたのだそうだけれど、キャラクターグッズがたくさん置いてあって若い人しかいない場所なのであったらしい。そんなことに関しては好奇心が旺盛な僕の飼い主なのであった。ちなみに、今日の僕の散歩も自転車散歩なのであった。しかし、御主人自体は、地球温暖化とか、エコエネルギーなんて真剣に考えているわけではない様だ。ただ、自転車で街の中を走るのが、とても楽しいだけなのだった・・・・
8月30日
近頃は、雨が降りやすくなっている。いくら僕が予知能力を持っていたとしても寝突然降る雨までは察知できない様だ。今日の夕方散歩も、行く気満々で出かけたのだけれど、途中で雨がポツポツ降り始めた。僕はもっと行きたかったのだけれど、御主人か、「もう帰ろう」というものだから、その気になって素直に帰ってきたんだ。家に着いたら止んだのだけれどね。天気の悪さが続いているのでうんざりしている僕なのである・・・・
8月29日 はれたりくもったり
犬と猫は、どっちがグルメなのかという質問があったのだという。御主人はお仕事をしながらラジオを聞く。今はNHKの「夏休みこども科学何でも相談」という番組がお気に入りの様である。ちなみに、僕もその番組を聞かせてもらったけれど、何だか、小さな箱(ポケットラジオ)から、知らない人の声が聞こえてきたので、僕はびっくりして恐くなって、御主人の前から逃げ去ってしまった。
で、「犬猫グルメ」の話である。結論としては、犬は雑食性であり、猫は肉食性であると言うことらしい。何を持ってグルメであるかという基準点は明確ではないけれど、少なくとも、猫の方が新鮮でうまい物を察知できる能力に優れているという点は動かし難い事実の様である。でも、犬の観点から言わせてもらうならば、猫は食糧危機がやってきた時は生き延びていけないんだもんね!何でも食べることが出来る僕達犬属が、この後の地球上に生き残ることが出来るんだもんね!!もしかしたら、人間に取って代わって地球上の支配者になれるかも・・・・?、しかし、少なくとも飼い犬は人間がいなければ生きていけない生き物なのであった・・・・
8月28日 はれたりくもったり
朝日が昇るのがだいぶ遅くなった。夏が盛りの頃は午前4時半になると日が昇ってきたものだった。そして日の入りが遅かった。夕方の7時半になっても明るかったものだが、今は6時半もなると、あたりが薄暗くなってくる。朝は1時間、夕方も1時間は日が短くなっている。つまりは、昼の時間が短くなっているわけだ。でも、御主人に言わせると、まだ昼の時間が長いそうなのである。犬にとっては、日が短くなると言うことは早く散歩に連れて行ってもらえて、早くご飯がいただけると言うことなので、嬉しい限りである。だけど・・・よく考えたら、僕は一日一食の生活である。夏の日中は朝散歩から夕食まで長いけれど、夜は朝散歩までの時間が短い。冬はその反対になる。どっちにしても、ご飯をもらう時間は季節ごとに違うけれど、ご飯からご飯までの待ち時間は同じって事になってしまうのだった。
8月27日 はれ
朝散歩の時に、庭石の上にお向かいの家の白猫さんが座っていた。僕は遊んでもらおうと、尻尾を振りながら近づいていった。ちなみに犬が尻尾を振る時は、必ずしも相手に対して親愛の情を示しているわけではない。わくわくした気持ち、半分親しみを覚えながらも警戒している時、獲物を見つけて襲いかかろうとしている時等々、様々な事例が考えられるので、尻尾を振っているからと言ってむやみに犬へ近寄ったりしないことをおすすめする。
さて、白猫さんのことである。僕が尻尾を振って2メートルまで近づくと、猫さんは突然身を翻して素早く庭の草むらの中へ逃げ込んでしまった。あわててその後を追った僕なのだが、猫さんが、あまりに素早い動きをするので僕は、それに対応することが出来ず、猫さんが座っていた庭石に、「ガツン!!」と音がするほどアゴをぶつけてしまったのであった。痛かったけれど、御主人の手前、痛くないふりはしたんだけれどね。猫さんは逃げてしまうし、御主人からは、久しぶりに「おまぬけ犬」の称号が復活したなと、ののしられ、さんざんな今日一日の始まりだったよ。
8月26日 はれたりくもったり
お米が実ってくると、スズメどもの活動が活発になってくる。今、穂が出てモミの中にはミルクの様な汁が入り始めている。この白い汁が固まってお米になるのだ。もちろんスズメどもは堅くなったお米も食べるけれど、この白い汁も大好物なのだ。稲穂に群がってモミに食いついてつぶして中の汁を吸い取る。あいつらは、僕がまだ食べる事も出来ない新米を真っ先に戴いている。出来れば田んぼに出て、スズメどもが来たら「わんわんわん」と吠えて、追い払いたい僕なのである。御主人のお仕事のお手伝いは出来ないけれど、これぐらいなら僕にも出来るのでは?、と思う僕なのであった。
8月25日 あめのちくもり
この所、毎日の様に雨が降っている。でも、お米の生育は平年並みらしい。でも、2から3日前にだいぶ寒い日があった時はストーブを付けたなどという話が聞こえてくるから油断は出来ない。人間でも寒い物を稲が我慢できるわけはない。稲は元々は東南アジアが原産らしいから暖かいのが好きなのだ。北国生まれの犬が暑いのより寒いのが好きというのとよく似ている・・・・・・まぁ、動物と植物の違いはあるけれど、同じ生き物なのだからそんなには違わないだろう。と、言うわけで犬にとっては気持ちの良い寒さであると言うことを言いたい訳なのだ。最も、暖かい所が原産の犬もいるので一概には言えないけれどね。
8月24日 あめふったりやんだり
さて、僕達の地方の小中学校は、今日が夏休み最後の一日となった。夏休みとは縁がなくなった我が家の住人達であるけれど、「夏休み」という言葉を聞くとわくわくしてくるから不思議である。もちろん犬にとっては、夏休みなどは縁遠くなったどころか、まるっきり縁のない言葉なのである。それに飼い犬にとっては、毎日が日曜日の様なものだ。子供たちの夏休みは、毎日忙しい日々を送ってきたことだろうけれど、犬は毎日毎日、「退屈で退屈で、ふぁぁぁ〜・・・あくびが出てしまう・・・・」という落語の「あくび指南」みたいな毎日なのであった。
8月23日 くもりのちあめ
今日の最高気温が、なんと19度である。10月も半ば頃の気温である。いよいよ秋も深まったという感じの気候である。犬にとっては涼しいぐらいなので、ありがたいことなのだけれど急激な温度変化に身体がついて行けない・・・御主人も、「スイカも熟していないのに、いきなり秋だ」と言われても困ると言っている。我が家では田植えが機械の故障で遅れた。お米の苗をおいてあるビニールハウスの跡作として色々な野菜を植えているのだけれど、それが田植えが遅れたおかげで野菜の作付も遅れてしまっている。スイカは、いつもの年であればお盆が終わると、もう収穫終わりって言う時期なんだけれど、今年はまだ収穫していない。御主人はスイカを食べるのと栽培するのが好きなので心配しているのだろう。犬も冬支度のために毛替わりをしなければいけないのだけれど、今年は異常気象なのか、毛がなかなか抜けず去年の冬毛のまま夏に突入してしまっている。いったい僕の身体はどうなるのだろうか・・・・心配は山ほどある犬の僕なのであった。
8月22日 はれ
僕は、どうやらお昼休みに夢を見ていたらしいんだ。夢という物は起きてしまうと、どんな夢を見ていたのか忘れてしまうらしい。ましてや記憶力の弱い犬が自分の見た夢を記憶しているわけがない。なぜ僕が夢を見ていたのを知っているのかと言えば、僕が熟睡しているのを側で御主人がしばらく見ていたのだという。それによれば、僕は眠りながら、口をもぐもぐ動かして、前足の先を時々ぴくぴく動かしていたのだという。なんだろうねぇ?。食べ物でも、もらって足の先で押さえながら食べていたのかなぁ?・・・・寝ていても食い意地の張っている僕なのであるけれど、まぁ、それはともかく、自分の寝ている姿を他人に見られるというのは恥ずかしい物なのである。
8月21日 雨のちくもっておひさましょうしょう
今日も一日、家に誰もいなかったのでお留守番である。午前中は雨・・・、午後からはお日様の光がまぶしい。雨が降ったは降ったで身体が湿気て困るし、お日様が出れば、それも暑いので困る。どうなっても「夏の犬」は困るのである。やはり、犬は冬に限るのであった。でも・・・鍋焼きうどん、かき氷、等の季節限定とは違って犬は年がら年中、そこここに存在しているし、しなければならない生き物なのであった・・・・
8月20日 あめがふったりはれたりくもったり
今日は、とてつもなく退屈で平和で、ムシムシしてからだがむずかゆくなる様な一日だった。雨が降ったり止んだりしている。気温は27から28度と言った具合で湿気がすごい。庭のあたりはカタツムリやらナメクジなどがはい回っている。季節が2ヶ月ほど戻った様だ。今日は、みんな会社へ行ったり、御主人は駅伝の警備などで朝から出かけていってしまった。そこで僕は、何もすることもなく、かまってくれる人もなく、ただひたすら眠ってばかりいたのだった。・・・・
8月19日 あめのちくもり
午前中だけで45ミリもの雨が降った。水路は洪水状態である。お盆の頃にもこんな雨が降った。どうも梅雨末期の気候に似ていると御主人が言う。田んぼも水はもういらないという。僕もいらない!!身体も心も、じめじめして気持ちが悪いのだ。秋が来れば涼しくなって風も「サラッ」と気持ちよくなると思ったのに、こんな状態でいつまでがまんすればいいのやら・・・・朝散歩にも行けなかったし・・・犬や人間ではどうしようもない自然界の出来事だというのに、自然に対して不平不満が心の中で渦巻いている僕なのであった・・・
8月18日 はれ
昨日の続きである。朝散歩から帰った僕は、御主人から「犬用ビスケット」を5枚もらった。お母さんからは「油揚げ」をもらった。なんと「三角形の厚揚げ」丸ごとである。これはお腹にたまるなと思って喜んでかぶりついたら、凍り付いていた。普通「油揚げ」は冷凍保存などしない物である。ところが、お母さんはそれをやっている。しかも、人間が要らなくなったと言って僕に与える。僕の胃袋は生ゴミ処理施設と勘違いされている様だ。僕は、それをもらったものの「こんな物は食べられないぞ!!」と足で踏みにじるわけにもゆかない・・・・何しろ僕には、御主人及び、その家族から戴いた物は神様からの贈り物と思えという飼い犬の習性が染みついてしまっている。そこで一計を案じて、庭に穴を掘り、その中に冷凍の油揚げを埋めたのだった。御主人に埋める所をしっかりと見られてしまったけれど、かまうことはない。しばらく経てば僕だって、何処に埋めたのかも、定かではなくなるのだからね。それに、御主人だって、こんな物をもらってしまった僕に同情しているのかも知れないよ。
8月17日 はれ
一日中、涼しい風が吹いた。いよいよ秋の到来らしい。
ところで、「犬も食わない」という言葉が人間の世界にあるそうだ。「夏のぼた餅、犬も食わず」とか「夫婦げんかは犬も食わない」などと使う。犬は何でも食べると言うけれど、これだけは勘弁してくれという意味らしい。たしかに「夏のぼた餅」は暑さで腐敗しやすい、夫婦げんかは他人や犬には理解できないことで喧嘩をしたりするので、相手にしても何も出来ないから仲裁なんかしないでおこうと言うことなんだろう。実は、こんな事をお話するつもりじゃなかったんだ。本当は朝散歩でもらったおやつのことについて、こんな事があったんだよ・・・・と言うことで長くなったので、この続きは、又明日!!
8月16日 くもりのちはれ
今日は昨日に比べて風が涼やかなので僕は一日中外へ寝ころんでいたんだ。外でと言っても日陰の湿った所だ。とても気持ちがよいのでぐっすりと眠ることが出来た。僕達の地方ではお盆を迎えると、何となく風がひんやりとしてきて秋の初めを思わせる陽気になってくる。今日がそれである。田んぼの稲も、すっかり穂が出て勢揃いしている。そろそろ穂が重くなって垂れ下がってくることだろう。おいしい新米が食べられるのも、あと1ヵ月か1ヵ月半といった所だろう。楽しみである。!
8月15日 あめがふったりやんだり
今日は、気温は28度ぐらいだったけれど、雨が降ったのでムシムシした一日だった。黙っていても汗が「だらだら」と流れる様な一日だと御主人は言う。昨日から今日にかけて雨がだいぶ降ったので、空気中には大量の水蒸気が混ざっているに違いない。僕も大弱りなのだ。犬は気温が21度ぐらいでも熱中症になると言うから気を付けないといけない。犬用クーラーは贅沢だとしても「犬用ひんやりマット」ぐらいは欲しいと思っている僕なのであった。
8月14日 あめ
明け方になって、ものすごい雷雨が降った。バケツをひっくり返した様な勢いである。そして止まない・・・・「これは、朝散歩には行けないな」と思っていたら、ちょうど、その時間になったら止んだ。御主人がやってきて僕を散歩に連れ出したんだ。そして、しばらくたんぼ道を歩いていったら、何か嫌な予感がしたので立ち止まり、「イヤイヤ」をして足を大地に踏ん張った。ところが、そんな僕を御主人は引きずる様に前へ前へと歩き出したんだ。そして・・・・雨が又降り始め、ざぁざぁぶりになって僕達は、ずぶ濡れになってしまったという訳なんだ。僕が「イヤイヤ」をした時点で引き返せば濡れることもなかったのに・・・・御主人は濡れたら服を着替えるだけですむけれど、犬は濡れても着替えがない。毛が蒸れて皮膚がおかしくなってしまうのだ。まったく犬の身体を考えない御主人である。「犬の予感や忠告は素直に聞くものだよ」。まったく、今日ぐらい飼い主に噛みついてやりたいと思ったことはないね!!
8月13日 はれ
今日も気温が30度以上だ。今日は「お盆」と言うことでみんな忙しそうである。僕だけは暇なのと暑いのとで寝てばかりいる。夕方になると、座敷にごちそうが運ばれて、一家そろっての夕食だ。ちょうど、僕が寝そべっている当たりに座敷があるのでのぞき込んでみた。楽しそうなのである。おいしそうなのである。御主人から枝豆をもらったけれど、犬の食べる物じゃないと思って捨てた。そうしたら、「犬の食べる物はない」と薄情に言われながらも、よだれを流しながら見つめ続けていると、お母さんが哀れに思ったのか、台所へ行って肉の様な物を持ってきて僕に食べさせてくれた。ご飯前なのでお腹が空いてたまらなかったけれど、まだ散歩にも行っていないから少し遠慮したんだ。と、言う訳で今年は僕も「お盆の「晩餐」に出席したんだよ!!
8月12日 はれ
今日は久々に最高気温が30度を超えた。と、言うことで僕は一日中トラクターの下にいた・・・・・以上報告終わり!
と、言う訳なので僕自身は行動らしい行動を何一つ起こすことが出来なかった。暑いからである。御主人はヘリコプターによる病害虫防除に朝の暗い内から出かけて行ってしまった。僕が子犬の頃は人が乗った大きなヘリコプターがやってきたものだけれど、今はラジコンのヘリコプターがやってきて薬剤を散布する。でも、我が家の廻りも田んぼが少なくなって来て寂しい限りである。せめて僕がのんびり歩ける道路や、匂いをかぐ草むらは残しておいて欲しいと願うばかりである。でも・・・道路だけは砂利道じゃない方が良いなぁ。
8月11日 はれ
昨日は「ソウメン」なる物を食べさせられた・・・・あっ!!「食べさせられた」と言ってはいけないのだ。飼い犬の心得として、御主人が飼い犬に与えた物は「戴く」という言葉で言い表さなければならないのだ。そのソウメンをありがたくごちそうになったのだが、今日はラーメンなるものを戴いた・・・・普通のラーメンという物は熱い汁の中に麺が浮かんでいるものらしいが、今日のラーメンなるものは、いつものご飯の上にのっているだけなのである。ラーメンが僕の食事に出て来たのには二つの理由がある。「ごはんがなかったから(ご飯の代用品)」、「ラーメンがゆでたまま残ってしまっていたから(ゴミになるよりは、もったいないので飼い犬にやる)」である。しかも、冷やし中華に使った残りである。食べた感じとしては、ソウメンの方がおいしかった様な気がする。ラーメンの方はぱさぱさになってのどごしが悪い。でも、なぜ家には毎日の様にご飯がないのか?・・・お米は売るほどあるはずの農家であるのにご飯がない。これは日本の七不思議に一つをくわえて「日本八不思議」にした方が良いのではないかと思っている僕なのである。
8月10日 はれ
今日の御飯は、いつものご飯にソウメンが付いた。ソウメンと言っても犬用の変わった食べ物ではない。夏になると人間なら誰でも食べる「あれ」である。僕は初めて食べたけれど、けっこうおいしいものだった。めんつゆを附けて食べた訳ではない。ドッグフードと犬の缶詰、それに牛乳をかけ回した上にそうめんがのっている。ご飯がないから、それなのだと御主人は言った。もちろん、犬はその肉体的構造上、すすって食べると言うことは出来ない。「むしゃむしゃ」と食べた。さっぱりしておいしいのだ。これからも時々はソウメンにしてもらいたいと思っている初体験食物記なのであった。
8月9日 はれ
家の畑には、トマトにキュウリ、スイカにメロンなど、様々な野菜が植えられている。御主人は収穫を楽しみにしている様なのだけれど、収穫を不安に陥れる者が出現し始めた。者と言うより物と言った方が良いかも知れない。それは「カラス」という動物である。すでに、トマトはほんのり赤くなった大玉のトマトとミニトマトがくちばしで実を落とされて無惨な姿で土の上に転がっているのが発見された。緊急対策として鳥よけ網を植物全体にかぶせたのだけれど、その隙間をかいくぐってやってくるからやっかいだ。出来れば、僕が一日中、野菜達の側についていてやりたいのだけれど、このカンカン照りのお日様の下で見張りなんかしていたら、犬の干物が出来上がってしまう。どうしたらよいだろうかと、日々御主人と共に悩んでいる僕なのである。
8月8日 はれ
今日は、午前中から御主人が県の内陸地方にある角館方面へ農業研修で出かけてしまった。そこで僕は1人で留守番と言うことになってしまったけれど、これはいつものことである。留守番と言ってもこの暑さでは番犬のお仕事などまともに出来る訳がない。御主人の乗った軽トラックが家を出て行ったとたんにトラクターの下に潜り込んで寝てしまった。それから夕方の5時、市役所のオルゴールがなるまで熟睡をしていたのであった。「お留守番」も何もあったものではない。5時を過ぎて帰ってきた御主人は「内陸地方は暑かった」と言っていた。僕達の住んでいる海岸沿いは涼しいらしい。どうしてかなぁ?。僕は毎日息も絶え絶えになってぐったりしているのに、内陸に住んでいる犬たちは、僕よりひどい暑さを感じている様だ。僕も泣き言なんか言っていられないのかもしれないね。でも、内陸地方に住んでいる犬たちへは「頑張ってね!!」としか言えない僕なのであった・・・・
8月7日 はれ
最近は、日中が暑い割に夜が涼しいので、ゆっくりと眠ることが出来てありがたい。スイカやメロンもこんな温度差があるとおいしくできるというので、僕はスイカが畑で実るのを楽しみにしているのだ。日中は寝ていると言っても、暑さを耐え忍んでいるだけなので精神的には厳しいものがある。でも、さっきも言った様に夜が涼しいので肉体的にも精神的にも気持ちがよい。御主人は、「夜は寒いぐらいだ」と言っている。ここら辺が、毛皮をまとっている動物と、ツルツル肌の動物の違いなのだ。どっちが良いかって事は言わないけれどね。
8月6日 はれ
日本一深い湖で知られ観光客でにぎわっている秋田県の田沢湖に、またまた人気者が増えた。当地のお土産物店で2頭の秋田犬が観光客の人気をさらっているという。虎色と、僕と同じ赤毛の二頭の秋田犬である。カメラを向けられたり「可愛い!!」などと言われて、ご満悦なのか迷惑なのかは知らないけれど、とにかく人気犬になっているそうなのだ。一応、僕も秋田犬なのだけれど、僕のところへは見物客など誰も来ない。我が家は普通の民家なので当たり前と言えば当たり前なのだけれど、たくさんの観光客が着てはおちおちお昼寝もしていられないけれど、時々は僕を見学に来て欲しいと思う今日この頃なのである。
8月5日 はれ
「夏の犬は扱いにくい!!」とは犬の飼い主なら誰でも言う言葉である。内犬は別だけれどね。とにかく、外犬である僕は内犬に嫉妬をまじえての対抗意識を燃やしている。日本に対して、隣の国や、さらにその奥の国が嫉妬している様なものかも知れない。
それは、さておき、夏は、犬にとってとにかくやっかいであることは、この日記を読んでくれているみんなはご承知のことと思う。特に僕の家系は毛が生え替わりにくい体質、皮膚が弱い体質と、劣等遺伝ばかりが目立つ。みんな夏には不向きな体質ばかりである。僕の姉弟達もそんな体質なのだろうと思う。姉弟達には子犬の頃に別れて以来一度も会ったことはないけれど、今頃夏の暑さで息も絶え絶えになっているのだろうなと思う。とにかく姉弟7匹が、同じ暑さを共有しながら耐え忍んでいるだろう事は、僕自身が生きていく上での活力にな
8月4日 あめのちはれ
昨日のは夜になっても暑かったので、夕方散歩に行ってきて御飯を食べ終わったとたんに、又散歩に連れ出された。喜び勇んで御主人と家を飛び出してみたものの、啄木の短歌ではないけれど「あまりの暑さに3歩、あゆめず」状態になってしまった。そこで足を大地に踏ん張って「イヤイヤイヤ」をして散歩拒否をしたのだけれど、強引な御主人は僕を引きずる様に夕涼みに行ったのだった。イヤイヤながらも行って帰ってきたけれど、とにかく僕は横になってゆっくり休みたかったので、「付き合ってくれたご褒美におやつをあけようか?」と言うのを断って、犬小屋の前に置いてある飲み水の入った器にまっしぐらに駆け寄ったまであった。
8月3日 はれ、もうしょ
今日は、朝から気温が30度になってしまった。僕は息も絶え絶えになりながらトラクターの下に潜り込んでいた。御主人が作業小屋の窓を全開にしてくれたおかげで風が入って、幾分しのぎやすかった。今日は気温の割には風が強かったので助かった。御主人達は、お母さんの実家のおばあちゃんを連れで何かおいしい物を食べに言ったらしいけれど、僕には、それをうらやましがる余裕はない。この暑さをしのぐだけで精一杯なのだ。とにかく、今日は一日その事ばかりで終わった様なものである・・・・
8月2日 はれたりくもったり
今日は僕達の市で開催する「子吉川川祭り」である。つまりは「花火大会」である。お母さんの実家のおばあちゃんがやってきたのでご挨拶をした(花火会場は少し遠いけれど、我が家の二階から見えるらしい)。でも、あまりの暑さで丁寧な挨拶も出来ずに、すぐさまトラクターの下に避暑とばかりに潜り込んだので失礼をしてしまったよ。御主人は交通整理にかり出されて早々と出かけてしまったので、僕は花火のごちそうを食べることもなく散歩に出かけることもなく、いつもの御飯をもらって外で涼んでいたんだ。すると、遠くで花火の音、雷様の音よりは幾分ましだけれど、僕にとっては恐い音である。花火の音は約2時間ぐらいで終わったので、僕は「ホッ」として眠りについたのであった。そして、花火の音がしなくなってから、約1時間も経って、御主人は警備から解放されて帰ってきたのであった。少々疲れぎみだったので、僕は「アニマルセラピスト」として、御主人にまとわりついて癒してやったのだった。
8月1日 はれたりくもったり
今日は薬を飲まされた・・・と、聞いたのは、すでに飲み終わったあとだった・・・「どういう風に飲ませたのだ?」と聞くと、イチゴクリームが入ったスポンジケーキの中に薬を仕組んでおまえの口に入れたのだという。そういえば、御飯を食べる前に、そんな物を食べた・・・と言うか飲み込んだ様な気がする。「イチゴクリームスポンジケーキ」といえば大層なお菓子の様に聞こえるが、スーパーマーケットの安売りお菓子コーナーで売っているパッケージ商品である。10個入りでいくら等というあれである。まぁ、薬とそのお菓子が僕のお腹の中に入っていったのは確からしいのだけれど、あんまり記憶がない。話によると、一度も口をもぐもぐさせることもなく、お菓子が口の中にはいると同時に飲み込んだのだという・・・犬にとっては味より胃袋の中に入る量の方が大切なのかもね。