平成20年 9月
9月30日 はれ
なんと!今朝の気温が6.8度・・・・まるで冬の朝だね。さすがの僕の犬小屋の中で丸くなってる寝たよ。犬が丸くなるのはよほど寒い時である。猫さんはコタツの中でも丸くなって寝るけれど、思うに猫さんは御主人と同じで寒さには弱いのだろう。ところで、寒い朝のことだけれど、そんな気温を記録したにもかかわらず、日中は22度と平年並みだったらしいんだよね。僕も外にお腹を出して寝ころんでいたよ。稲刈りのモミを運ぶトラックが時々やってきて運転している御主人から「じゃまだ!!」と叱られるから、土のお山の上に昇ったんだ。ここは見晴らしが良くて気持ちがよいから、ついつい眠り込んでしまって、御主人が帰ってきたのも気付かないほど熟睡してしまった僕なのであった。
9月29日 はれ
とうとう、我が家でも稲刈りが始まった。と同時に僕の責任も重大になった。日中は家に誰もいないので、お留守番。夜は刈ってきたモミを乾燥機で乾かすので火の用心。お米が袋に詰められると出荷するまで夜昼無く守り、時には、そのお米の袋に僕の所有物の証としてオシッコを引っかけたり・・・等々。飼い犬といえども稲刈り時期のお仕事はいっぱいあるのだ。そして、夕方の散歩を兼ねて、田んぼに置いてあるトラックを御主人と共に取りに行くのも大事な仕事なのである。疲れるけれど、おいしいお米が食べられると思えば苦労もたいしたことじゃない様に思う僕なのであった。
9月28日 はれたりくもったり
飼い犬は散歩コースがたびたび替えられるのを嫌う。この日記では飼い犬はマニュアルに従って生きないとストレスがたまると常に言ってきた。なぜこんな事を言うのかというと、最近の散歩は何時も墓地の方に行くので僕はいやだった。いつもの様に大学の駐車場の方に行きたい。けれど、分かれ道に来ると「左に行け」という御主人の命令が飛んでくる。左は墓地の方である。右に曲がろうとしていた僕はあわて手足を左に向けざるを得ない。何しろ御主人の命令はぜったいなのだから・・・・このようにして、毎日おもしろくもないコースを歩いた僕はストレスをため込んでいくのであった。でも今日は正式な散歩をした。正式な散歩とは、自転車を使わないで二人で歩き、大学方面のコースのことだ。久しぶりにゆっくりと散歩を楽しむことが出来たよ。
9月27日 くもりときどきあめ
飼い犬は飼い主だけが命の綱で、飼い主がいなくなったら生きてはいけない。だから、ひたすら飼い主にこびへつらい、忠犬を装う。だが、その中でしっかりと自己主張できる犬は飼い犬の中の鏡である。たいがい飼い犬は飼い主のご機嫌を取ることだけに生涯をついやす。まぁ、どれだけ長く飼われているかで、飼い犬も飼い主の癖を飲み込んで、それに合わせられる様になってくるから賢い!!
・・・・・最も言っていることは「自画自賛」。自分のことを言っているのだけれどね・・・・・・たまには飼い犬としての僕自身を誉めてやりたいと思う今日この頃なのであった。
9月26日 くもりいちじあめ
ちょうど今頃と、春先は気温の変化が大きいので動物たちは苦労をする。当然、人間も動物なのである。特に人間は毛皮を着ていないので気温の変化に弱い所がある。今日もそうなのである。さらにさらに、昨日にも増して寒くなって、御主人はくしゃみと鼻水が絶え間ない。かわいそうだが飼い犬である僕にはどうしようもない。僕だって一日犬小屋住まいだったのだから・・・・この時期になると、天気の話ばかりが話題になってしまって、おもしろくもない日記が続くこととは思うけれど、我慢して欲しい。何しろ、僕がおりこうさんになってしまったことだし、歳も取ってきたので、おまぬけな行動もなくなってきた。そろそろ、この日記の題名も替え時かなって思う、最近の僕なのであった。
9月25日 くもりのちあめ
今日は、昨日にも増して寒くなった。僕なんか一日中犬小屋の中で寝ていたぐらいだ。犬もこんな具合だから人間も大変だろうなと思う。ところで、今朝は散歩に行ったんだけれど、夕方から雨が降り出して夕方散歩には行けなかった。「大丈夫だから行こう、行こう」と、御主人の廻りを飛び跳ねながら誘ったのだけれど、雨がけっこうな降りになっているらしく御主人は「ご飯を持ってくるから静かにしていろ」というばかりである。なんとか御主人は「散歩に行く!!」とだだをこねる僕を説得して、ご飯をすみやかに持ってきてくれた。これによって僕は一応満足して、今日一日が終わったのであった・・・・
9月24日 はれたりくもったり
今日から急に寒くなった。と言っても人間にとっては、だけれどね。昨日までティシャツ一枚でお仕事をしていた御主人が、今日は、その上にもう1枚重ね着をしたから気温が下がったんだろうなと思う。僕の場合は、お日様に照らされながら一日中寝ころんでいても、そんなに暑くはなかったよ。何しろ10月中旬から下旬の気温だというのだから極端すぎる。出来ることなら、じわじわと寒くなっていって欲しいものである。犬は別にどうということもないのだけれど、寒さに弱い御主人がかわいそうなのである。今日だって、くしゃみはするは、鼻水をすするはで、御主人にとっていかに気温の変化が著しいかわかる生理現象だったね。
9月23日 くもりのちあめ
朝から何となく雲が多いなと思っていたら、昼前に風が湿り気を帯びて風が台風並の強さで吹いてきた。そして雨・・・・・外に寝ていた僕はあわてて作業小屋へ避難した。御主人達も雨が降ってくるのを見越して「お彼岸のお墓参り」へ早めに行った様だ。歩いてすぐのところの墓地へ行くのに自動車で行った。どうせなら、僕を連れて歩いていけばよいのに・・・・でも、犬は墓地の敷地内には入れないのかなぁ・・・?カラスなどは、しょっちゅう出入りしているらしいんだけれどねぇ?
9月22日 はれ
地面に寝そべってのんびりと惰眠をむさぼっていた僕のところへ、作業小屋の整理をしていた御主人がやってきて、あまりにも僕を「猫かわいがり」するので、僕はたまらなくなって逃げ出した。ご承知の様に、僕はべたべたとかわいがられるのが嫌いだ!!何処へ逃げたのかというと、来年のお米の苗を作るための土が山になっているその上にである。ここまで来れば御主人がやってくることはない。僕は「ホッ」として、又眠りについたのであった。ここからは空が近い。秋になって何処までも高くなっていく空を追いかけていくのも気持ちが良いなと思った今日の僕なのであった。
9月21日 あめのちくもり
昨日は久々に犬小屋の中で夜を過ごした。最近は夜でも外に寝ていたのだが、さすがに冷えてきたので犬小屋の中に入ったのだ。犬小屋の中ではお腹を出して寝ても大丈夫な様だ。そして・・・朝になった。5時。突然の雷。ピカピカヒカッ!!と光が空のあちらこちらに見え、しばらく間を置いて低く不気味なゴロゴロゴロという音が響いてきた。雷が苦手な僕は犬小屋へと尻尾を下げながら逃げ込んだのだった。本当は寒いからじゃなくて、雷が恐いために犬小屋へ逃げ込んだだけだったのだ。でも、24日以降は気温がグンと冷えてくると言うから、今度からは犬小屋の中で寝ることにするよ。
9月20日 はれ
僕は散歩の時に道ばたからに追ってくる匂いをかぐのが好きである。好きであるという前に「犬の習性」と言ってしまっても良いかも知れない。その匂いを察知したら匂いの元を探り当てる。これも楽しい。ただ鼻でかぐだけではなく、土や草むらを足の爪でひっかくと、より強く匂ってくる。こうして、あちらこちらの匂いをたどりながらのんびりと散歩をするのが好きなのである。御主人は風景の写真を撮りながらの散歩が楽しみな様だ。こうして僕達はお互いに好きなことをしながら毎日散歩をしているのだった。
9月19日 はれ
朝晩は、めっきりと寒くなってきた今日この頃なのだが、夜はまだ外に寝ている。
だから、朝になると露が背中一面に降りていたりする。御主人は驚いているけれど、犬にとってはなんでもないことだ。「寒いから犬小屋へ入れ」と言われるけれど、よけいなお世話である。寒くなったら自分で入る!!人間の肌の感覚で犬を考えないで欲しいものだ。
9月18日 はれ
晴れの日が続く。南の地方では台風が来て風や雨で大変らしいけれど、僕達の地方は10日も雨が降っていない。田んぼの土は真っ白になっている。無事実りの秋を迎えることが出来るか心配である。
ところで、今日の夕方散歩は夕方に御主人が会議とやらで出かけてしまったので、会社から帰ってきたお母さんからご飯だけをもらった。しばらくして帰ってきた御主人に僕はまとわりついて「ねぇ、散歩に行こうよ」とおねだりしたんだけれど無視をされた。ところが、しばらくしたら御主人がやってきて散歩に連れて行ってやるという。僕はうれしさのあまり、駆け回りそうになったけれど、この前、足をくじいたので冷静さを装った。夜の散歩は涼しい風が吹いてきて気持ちがよい。御主人にとっては少し肌寒かったかも知れない。東の空からお月様が昇ってきてのんびりと散歩を楽しむことが出来たよ。
9月17日 はれ
足をくじいてしまった僕ではあったけれど、なんとか普通どおりに歩ける様になった。それでも御主人が気遣ってくれて、散歩は自転車ではなく、歩き散歩でいってきた。どうやら、いつもの散歩コースを歩いても大丈夫な様だ。ちょっと足を引きずる様なこともあったけれど、御主人の前では「痛い」というわけにはいかない。犬の習性として、他の動物に自分が痛い思いをしていたり身体が不調な様子を見せないことになっている。弱い犬は、すぐ他の動物や仲間の犬たちにいじめられてしまうのだ。これは野生の掟といっても良い。弱肉強食の世界なのだ。だから飼い犬になった今でも、野生時代のDNAが何処かにすり込まれていて、そんな行動をしてしまうのである。なんとかならないかねぇ〜、「痛いヨゥ〜」と、御主人に甘えたい気持ちもあるのだけれどね・・・・習性がそれを拒んでしまっている・・・
9月16日 はれ
僕は、今頃になると何時も秋を感じる。それは風でもなく、雲でもない。秋刀魚である。我が家には毎年三陸沿岸から秋刀魚が送られてくる。ご承知の様に三陸産秋刀魚とは岩手県の太平洋側で水揚げされる秋刀魚なのである。今年は特に脂がのっていて「天高く犬肥ゆる犬」にとっては身体が太りそうな秋刀魚である。その秋刀魚を丸ごととは行かなかったけれど、半分に切った物をご飯の上に載せて食べさせてくれた。脂がのってとてもおいしい。去年の秋刀魚はさっぱりした味だったが、今年はこんな具合だ。僕は大満足して、澄み切った秋の夜空を眺めるのであった。
9月15日 はれ
朝、散歩に行こうと御主人が言うものだから、僕は嬉しくなって、そこいら中を駆け回った。それに、御主人が、あおり立てるものだから、さらに駆け回った。散歩に行かなくても良いぐらいの運動になった。ところが・・・・駆け回っている最中に足をひねってしまったらしく、後足の左側が痛くなった。僕は足を引きずる様になってしまい駆け回るのを止めた。やれやれ。歳は取りたくないものだ。こんな事ぐらいで足をくじくなんて・・・・と、言うわけで足が痛いと言って散歩へ行くのを断ってしまった僕なのであった。
9月14日 はれ
今日は、お祭りである。川向こうのである。川向こうは本荘藩2万石の城下町である。そこの氏神様である「八幡様」のお祭りである。大名行列を始め獅子踊り、山車等、様々な御くねりが列をなす。こちら側にも笛や太鼓の音がかすかに聞こえてきて惰眠をむさぼる犬のじゃまをする。僕達の街はこのお祭りが終わると本格的な秋へと季節は移る。御主人は、このお祭りの警備だと言って、お昼前から自転車で出かけていった。だだ、今日は暑い。さわやかな風は吹いているものの暑い・・・・御主人は1時間半ぐらいで帰ってきたのだけれど、お祭りの行列はお昼ちょうどから夕方の18時まで延々と続くのであった・・・
9月13日 あさがたあめくもり
だいぶ日の暮れるのが早くなった。18時を過ぎるとあたりが薄暗くなる。僕の散歩もあたりが薄暗くなってからだ。今年は暑さが長引いているから、日が沈んでからの散歩は気持ちがよい。お月様を眺めながらの散歩は風流な物である。もっととも、僕は犬なので風流というのがどんなものかはわからない。すべては御主人の受け売りである。そして、のんびりと散歩に行ってきたあとのご飯はとてもおいしい。何しろ「天高く犬肥ゆる秋」なのだからね。あっ!!犬の世界のことわざではね。犬は冬を迎えて体脂肪を蓄えて寒さをしのぐために太るのだ。なんと言っても犬は風流(フウリュウ)より食料(ショクリョウ)なのである。
9月12日 はれたりくもったり
僕は、一通りの芸は仕込まれている。芸としつけは似た様なものだけれど、あえて芸と言おう。なぜならば、それをすることによって観客イコール御主人が喜ぶからだ。待て、良し、フセ、右お手、左お手、オスワリ、ちょうだい、等々・・・・まぁ、それはともかく。その中で、たった一つ、僕が出来ない芸がある。「おいで」、または「こっちへこい」である。これはどうしても御主人からの言葉を聞くと逆に逃げたくなる。育て方を間違えた。と御主人は言う。我が家の歴代秋田犬4頭は、すべて「来い」の命令を素直に聞いたらしい。僕だけが聞かないというのだ。なぜなのか?・・・それは、御主人の側に寄っていくと何をされるのかわからない恐怖があるからだ。別に、殴る蹴るの乱暴をされるわけではない。顔や頭をナデナデされたり、ほっぺをツネツネされたりするのである。僕は、そういったべたべたのかわいがり方が嫌いなので、自然に御主人の側に近寄らない様になったのかも知れない。そんなわけで、御主人は8歳になった僕に、「おいで」のしつけをしたいらしくて、愛犬のしつけ方という本を読み返している様なのであった。でも、いまさらね・・・・・
9月11日 はれ
今日の夕方散歩は、近頃には無いぐらい走った。なぜそんなに夢中になって走ったのかというと、メス犬の匂いが道路に残っていたからである。それも、ちょっと前ぐらいの時間である。僕はその匂いを追い求めて走った。さらに御主人が、「走れ、走れ!!」とあおり立てるものだから夢中になって走ったんだ。残念ながらメス犬の姿を発見することは出来なかったけれど、久しぶりに興奮した未だ独身の僕なのであった。
9月10日 はれ
今日の御主人は集落の共同作業で午前中は汗を流し、午後は慰労会で水分補給をしたらしい。夜になって帰ってくると、僕にお土産があるというので僕は尻尾を振って御主人に近づいていったんだ。お土産は「魚肉ソーセージ」だった。御主人がくれるソーセージを僕は噛みもしないで胃袋の中に送り込んでやった。何しろ久しぶりにおいしそうで豪華な食べ物だったのだから・・
9月9日 はれ
土のお山が出来た。来年のお米の苗を作るための土を大きなトラックが運んできておろしていった。僕は毎年、このお山が出来るのを楽しみにしている。上に昇ってあたりを見回したり、寝ころんだり、とても気持ちの良い場所なのだ。今日などは涼しい風が吹いてきて、この上に寝ころんでいると自然に意識がなくなって心地よい夢の世界に引き込まれてしまう。このお山は雪が降る前まで僕のものだ。御主人からは、あまり上にあがるな、とは言われているんだけれど御主人だって何時も僕を見張っている訳じゃないので、僕は自由に昇ったの降りたりして楽しんでいるんだ!!
9月8日 はれ
まだまだ、僕の毛替わりが続く。毎日、御主人からブラッシングをしてもらっているのだが、梳いてもすいても、まだまだ毛は抜けてくる。毛はふわふわしているので、綿菓子の様だと御主人は言う。これだけの量を売ったら儲かるだろうなとも言う。それほど、毎日抜けた毛がたまりに貯まっている。この毛を有効活用が出来ないかと考え中の御主人であるけれど、毎年、なんの答えも見つからないのであった。いわば犬の抜け毛は抜けてしまえば無用の長物なのである。時々、この毛をツバメなどの鳥たちが巣作りに使うのか、口にくわえて飛び去っていくのが見える。まぁ、こんなものだろうなぁ・・・
9月7日 あめふったりやんだり
今日は日曜日だというのに「番犬のお仕事」に汗を流した。それなのに御主人にひどく怒られてしまったんだ。僕が寝ころびながらお客さんに吠えたかららしい。
御主人の言い分は「お客さんが来たら、立ち上がり、背筋を伸ばし、足を大地に踏ん張り、わんわんわん、と吠えろ」だって・・・・それがお客さんに対する飼い犬の礼儀だというのである。僕はごろんと地面に腹を出して横たわり、「わおおお〜ん」と吠えてしまった。まぁ、そんなお客に対する礼儀は人間がすればいいことなので、僕は叱られながら、そのまま地面にごろんと寝転がっていたのだけれどね。
9月6日 はれ
今日も気温が30度を超えた・・・・そしてシャンプーをされた。3度目のシャンプーである。今年になって3度目という事なのだ。でも、汚れはほとんど見えなかった。いつものシャンプーだっら身体からどす黒い汁が流れ落ちるのだけれど、今回は古い毛をすき落としてもらったおかげで、そんなこともなかった。
ところが、シャンプーが終わって、犬小屋へ帰ろうとしたその時、僕を繋いでいた紐がほどけて、僕は自由の身になった。僕はうれしさのあまり駆けだし、ハウスの方へ言ったり、家の周りを回ったりと、久しぶりに自由の身を楽しんだ。だけど・・・・それは5分間だけの楽しい時間だった。やがて「待て!!」という御主人の言葉に、僕は身動きが取れなくなり、捕まってしまったという訳なんだ。飼い主の命令には無意識に反応してしまう飼い犬の習性・・・・・・はぁぁぁぁ・・・
9月5日 はれ
昨日は気温が30度を超えた。夕方散歩は、すっかり日が暮れてから行ったんだけれど、それでも暑い・・・・やっとの思いで言ってきてご飯をもらって涼んでいたら、又御主人がやってきて「夕涼みに行こう」と言った。お母さんもいっしょである。「嫌だなぁ・・・」と思ったのだけれど、飼い主には逆らえないので付き合うことにした。でも・・・・まだ暑い!!途中で嫌になって、大地に足を踏ん張って「イヤイヤ」をしたんだ。と、言うことで、そのまま家に帰ってきてしまった・・・
9月4日 はれ
久しぶりにきれいな夕日を拝むことが出来た。御主人は犬散歩にカメラを持って出かける。我が家から見える霊峰「鳥海山」の雄姿や、頭を垂れてきた稲穂、秋の夕暮れの美しい風景等々の一瞬を切り取ってカメラに納めるのが趣味なのである。かといって、いかにもカメラですという様な物は持ち歩かないし、持っていない。さりげなくポケットからカメラを取り出して写すのを最上の美学であると思いこんでいる。でも、迷惑なのは、何時も言っているけれど楽しく散歩している僕なのである。カメラを取り出すたびに僕は立ち止まり、しばし待たなければいけないのだから・・・御主人の趣味というか道楽にも付き合わなければいけない飼い犬は、大変なのであった・・・・
9月3日 くもりのちあめ
「秋に3日の晴れ間無し」とは季節を言い表すことわざの様だけれど、3日どころか、一日だって怪しい空模様の今日この頃なのである。朝晩は、めっきり涼しくなったとはいえ、日中は犬の舌が伸び放題の暑い一日である。雨が降って涼しくなるのは歓迎したいのだけれど、梅雨の頃の様にジメジメムシムシは困る。秋は、やっぱり、からっと晴れて「天高く犬肥ゆる秋」が似つかわしい様な気がするのだ。えっ?、馬肥ゆるだって?、良いの!!秋は犬も馬も、熊もうさぎも冬を迎えて太らなければいけないの!!
9月2日 はれ
今日は薬を飲まされた・・・らしい?。いつものフィラリァの薬である。蚊やノミ、ダニ駆除に効果がある。とくに蚊は、フィラリァと言って犬の心臓に寄生する虫を媒介するので要注意だ。さて、毎回薬の飲み方で一騒動起こす僕なのであるが、今回は一度の失敗の後、二度目にすんなりと飲み込んだらしい・・・・1度目は、ウインナーソーセージの切れ目に隠していたので、すぐわかってウインナーは無事に胃袋へ送り込んだけれど、薬は吐き出した。2度目は良く覚えていないけれど、甘いお菓子の中に薬が仕込んであって、僕はそれを噛みもせず飲み込んだので、薬は、無事に僕の胃袋に治まったという訳なんだ。それもこれも、御主人から聞いた話なので、僕としてはぜんぜん記憶にない・・・なにはともあれ、薬が無事に僕の身体の中に入って嬉しいと思うよ。
9月1日 はれ
僕は、今頃になって「夏犬」になってしまった。「夏犬」とは暑苦しい冬の毛を落として、さっぱりした夏の毛に生え替わることを言う。僕は純粋な秋田犬なので、姿や形の良い所は優性遺伝しているのだが、皮膚が弱い、等々、身体の面では劣性遺伝を背負っている。毛替わりの時期に人間に手伝ってもらわないと生え替わることが出来ないというのも、劣性遺伝の一つなのだろう。そこで、今日は思いっきりブラシで身体をナデナデしてもらった。すると、驚いたことに家庭用ゴミ袋一つ分の毛が抜けてきた。まだまだ抜けそうである。こうなると、御主人はおもしろがって僕の毛を抜こうとする。でも、僕だって、あまり身体をこすられたり引っ張られたりしたら痛いので、ほどほどで止めてもらうことにしている。毛が抜けた所は、さっぱりとした夏の装いになって気持ちがよい。でも・・・・もうすぐ冬がやってくるんだけれど・・・・