平成20年 11月
11月30日 はれたりくもったりのちゆき・・・
朝方は10度ぐらいの気温があったようだけれど、だんだん寒くなってきた。だから僕は犬小屋の中でお昼寝をしたんだ。日中はお日様も顔を出したけれど風が冷たい。夕方散歩へ行く頃になると雪が降り出した。何だか積もりそうな雪の形である。まだ外でのお仕事を残している御主人は積もって欲しくないようなことをいっていたけれど、犬には関係がない。積もっても良し、積もらなくても良し!!犬は「臨機応変」な対応が出来るのである。普段ならマニュアル人間ならぬ、マニュアル犬だけれど・・・・いざというときに、犬の底力が出るのだ!!
11月29日 はれたりくもったり
今日の夕方散歩は、田んぼを大きく廻って、久しぶりの長い散歩だった。東の山の下にある溜め池の方にも行ってきたんだけれど、池までは行かなかった。僕が池に向かう分かれ道でだだをこねたので御主人が「しょうがないなぁ」といって舗装された道路へ向かった。その道こそ僕が行きたかった道なのだ。何しろ、この道は「犬の銀座通り」と密かに僕が呼んでいる通りなのだ。様々な犬たちがここを通って散歩をする。僕は見たわけではないけれど、あちらこちらに残された匂いでわかるのだ。だから、こっちの道の方が楽しい。でも、「池の中に鴨さん達が来ているかなぁ」と少しは気になった今日の僕なのであった。
11月28日 あめ
今日は一日中雨が降り続いた。朝散歩へ行く時は小降りだったので、どうにか行ってきたんだ。でも、日中は何もすることがないので犬小屋の前に布団を敷いて、その上で丸まって寝ていたよ。時々、御主人が遊んでくれたけれど「雨が降っているから外へは出るな」と言う。何をして遊んだのかというと犬小屋の中で植木鉢(おなじみのプラスチックの)とか、サッカーボールを御主人が放り投げて、僕が落ちた物に向かって襲いかかるという遊びだ(犬は動く物に反応して興奮する性質がある。これは野生時代、餌を取るための狩りの本能ではないかと思われる。)。でも、犬小屋の中でやっているのだから、おもしろくない。なぜなら狭いからだ。僕はすぐに飽きて座り込んでしまった。せっかく御主人が遊んでくれているのに申し訳ないなぁ・・・とはぜんぜん思わない!。なぜなら、犬は自分に対して真っ正直だからなのであった。
11月27日 はれのちあめ
御主人がビニールハウスの中にほうれん草と春菊の種蒔きをするというので、僕もお手伝いしたんだよ。まず、種を播く床を作って水掛けをして、そうして種をまくんだ。播き終わったら支柱を立てて、ビニールをかぶせる。つまりビニールハウスの中に、また小さなビニールハウスを造るようなものだ。これをトンネルと呼ぶ。さらに、ビニールをかけた上に防寒用のカバーを掛ける。これで寒い冬でも、少しずつ植物は生長していくという仕組みになっているのだ。
で、僕がどういうお手伝いをしたのか言うと、種をまいた床にかける前の広げられたビニールが風に飛ばないように、その上に座って押さえていたというか、寝ころんでいたというか・・・・まぁ、犬のお手伝いなんて、そんなものなのである・・・・
11月26日 はれたりくもったり
昨日の午後から、御主人は「一泊旅行」とやらで出かけてしまった。当然、僕は夕方散歩へ行くことが出来なかった。一泊と言っても、我が家から1時間ちょっとのところの温泉へ出かけたのである。旅行とも言えないかも知れない。一方、僕の旅行と言えば山の林の中を自由に駆け回ったり、おじいちゃん達の家へ独りで歩いていったりと、様々行ったことがあるけれど、決まり切った行動ばかりである。でも、それはそれで多少は「わくわく」するけれど、もう少し新鮮な旅がしてみたいと思う今日この頃の僕なのであった。
11月25日 はれたりくもったり
外に積んであった「土のお山」が無くなってしまった。この土のお山は、来年のお米の苗を作るのに必要な物なのだ。無くなったと言っても、急に消えたわけではない。御主人がトラクターで小屋の中に運び入れたのだ。運び入れたと言うより・・・押し込んだと行った方がよいかも知れない。おかげで、作業小屋と犬小屋の前は泥だらけである。おまけにトラクターの音が嫌いな僕は犬小屋の中に潜り込んでしまった。昼間出かかって熱地を移動し終えた後、僕は「ホッ」として外へ出て、お日様のあたる地面に寝ころんだのであった。寝ころびながら小屋の中に運ばれた土のお山へ「初登頂」を夢見て午後を過ごしたのであった。
11月24日 はれたりくもったり
今日は、昨日よりは暖かくなかったけれど、お日様が顔を出したので僕はお腹をお日様に向けて寝ころんだ。足はだいぶ・・・と言うより普段の状態に戻ったらしい。「朝散歩に行くぞ」という声に反応してはしゃぐことも出来たし、早足で歩いても足をかばうような動作はいっさいなかった。「めでたしめでたし」、と言った所である。今日も一日のんびりと過ごすことが出来たよ。家の人間たちは今日もお休みのようで、お昼頃何処かへ出かけていった。きっとおいしい物を食べにいったに違いない。しばらく・・・いや?だいぶ経ってからかなぁ、帰ってきたけれど、おいしそうな匂いを身体にまとって、犬には関係ないような物を買ってきただけだった。ドックフードと犬のおやつ、それに犬の缶詰がそろそろ尽きてしまうと言うの・・・・・自分に関係ある食べ物の在庫状態は常に把握している僕なのであった・・・
11月23日 はれたりくもったり
今日は、昨日にも増して良いお天気だった。僕は一日外に寝ころんでいたんだ。足もまだ痛かったし、それに今日は「勤労感謝の日」だ。日頃、昼夜を分かつことなく番犬のお仕事をしている僕にとっては、何よりの日だ・・・・と思う。まぁ、飼い主から見れば普段と変わりなく過ごしているように見えただろうけれど、僕はのんびりと一日を過ごしたのだった。夕方散歩も「1.4キロ、何時もコース」に連れて行ってもらったしね。でも足は少し痛い様な感じだったよ。明日になったら治るかなぁ〜・・・
11月22日 はれたりくもったり
今日は風が冷たい一日だった。でも、お日様が顔を出すと僕はすぐさま外に出て地面に寝ころんでいた。そこへやって来たのが御主人である。「ボール遊びをしよう」と誘った。僕は久しぶりなので嬉しくなってはしゃぎ廻った。そして・・・・しばらく一緒に遊んだら・・・・何かの拍子で足が痛くなってしまった。左前足である。僕が足を引きずるような行動をしたので御主人も気が付いたらしい。すぐさま「ボール遊び」は中止となってしまった。どうしてこうなったのかは僕自身良くわからないのだけれど、足をくじいたか怪我をしたかどちらかだと思う。ヤレヤレ・・・・歳は取りたくないのである・・・せっかくの楽しいボール遊びが台無しになってしまったよ。
11月21日 あめのちくもり
今日は比較的、暖かかったよ。犬にとってはもちろんだけれど、御主人にとっても比較的暖かかった様だ。でも、朝方の雷には驚いたよ。「ピカッ!」と光ったと思ったらすぐに「ゴロゴロドシャ〜ン!!」と、ものすごい音が何度も繰り返された。何でも停電になったらしい。列車が止まるわ、信号機が止まるは、家庭の暖房や炊飯器、テレビにパソコン・・・・電気に関わる物はすべて止まったらしい。犬は電気には関わり合いがないので影響が及ぶことはないけれど、でも、御主人の家では大変だったらしい。もうすぐご飯が炊きあがる、と言う所で停電になってしまったので、しばらく御飯を食べることが出来なかった。さらに、この寒いのにストーブまで消えてしまい。「寒い」、「お腹が空いた」の二重苦にしばらく耐えなければならなかった御主人達なのであった。あえて言う。さらに言う。犬には関係ないけれどね・・・
11月20日 ゆきがふったりやんだり
朝、目覚めたら外はうっすらと雪の装いだった。僕達は雪の降る中を朝散歩に行ってきたのだ。御主人は、もちろん完全防寒である。まぁ、安物の防寒具なので「完全に防寒」というわけにはいかないだろうけれどね。まぁ、ストーブの付いた家の中の様には暖かくないと言うことなのだ。この前まで、にぎやかに田んぼのモミをついばんでいた白鳥さん達は雪が降り始める前に何処かへ飛んでいってしまった様だ。この強い風と雪が収まったら、又やってくるかなぁ・・・・我が家の田んぼには刈り残したモミがまだあるのだけれどね。と、言うわけで、今日は雪が降ったり止んだりした一日だったのだ。積もりはしなかったけれどね。夕方散歩にも行ってきたよ。雨が降っているより雪が降っている方が散歩に行きやすいんだよ!!
11月19日 あめからゆき・・・
朝、暗い内に雷の音を犬小屋の中で聞いた。そっと外をのぞいてみると雨降りである。昨日からの雨が止まずに降っていたらしい。それから僕は、また眠ってしまったらしい。それから、どれくらい時間が経ったのか・・・・・・御主人がやってきた音がするので犬小屋から出てみると、雨はいつの間にか雪に変わっていた。初雪である。初雪を見ると憂鬱さと、わくわくする様な相反する感情が心の中にわき上がってくる。「寒い雪、辛い雪」、そして「景色を一変させて真っ白な世界に変えてくれる」という現実逃避的な幻想・・・違った世界へ入り込んでいけそうなわくわく、ドキドキした気持ち。どちらも相反するけれど、すんなりと心の中では融合している不思議な感情というか感覚が生じるのである。北国の犬が持つ独特な感覚なのかも知れない。あっ!!北国の人間も、そんな気持ちを持っているのかも知れないね。と言うわけで、朝散歩は御主人が自動車を冬用のタイヤに交換するのに忙しかったので朝散歩に行けなかった僕なのであった。でも、夕方散歩は雪降りの中を行ってきたよ。田んぼの畦道の草の上なんかに、うっすらと雪が積もっていたよ。
11月18日 あめ
今日は、一日雨・・・・止むことなく降った。「シトシト」と降ったかと思うと、いきなり激しく降ってみたりと、音楽の様に強弱を附けて、また波を打って降り続いたのであった。そして、今も降っている・・・・。やがて雪に変わるだろうという天気予報が出ている。僕の夕方散歩も中止になってしまった。季節が晩秋から初冬に変わる時は何時も憂鬱になる。春まで犬小屋の中で一日を過ごすのかと・・・・あまり思い詰めると気が滅入ってしまうので、前向きに考える様にしているのだけれど、寄る年波にはねぇ〜・・・・
11月17日 くもりときどきあめ
気温はそんなに低くないけれど、やっぱり晩秋の雨である。何となく冷たく感じる。日本は四季があるから季節の変化に敏感になるのだろう。僕も日本の犬なので、そんな感覚が鋭くできているのかも知れない。
ところで、暦の上ではもうすぐ冬と言うことになる。森の熊さんなどは、冬ごもりの準備に忙しいことだと思う。僕も犬小屋の中で冬ごもりをしたいなって思っているのだけれど、森の熊さんと決定的に違う所は、森の熊さんは冬ごもりする前に森の中をくまなく歩き回って、徹底的にお腹の中へ食べ物を詰め込んでしまう。そして、暖かい洞穴などで冬を安楽に暮らすのである。一方、僕はと言えば冬ごもりする前に食べる物など、御主人からもらう以外に何もない。それに犬は熊さんの様に食い溜めが比較的出来にくい体質になっている。あまり食べ過ぎるとお腹の調子が悪くなってしまう。それに犬は、その性質上「冬ごもり」などは出来ないのであった・・・・・はぁぁ〜「森の熊さん」がうらやましい!!!!
11月16日 あめ
久しぶりの雨であるけれど、そんなに冷たくはない。でも、朝散歩も夕方散歩も中止になってしまった。僕は犬小屋の前に敷いた布団の笛で、降る雨を眺めて一日を過ごしたんだ。御主人は一度だけおやつを持って僕を慰めにやってきた。それ以外は独りぼっちでうつらうつらと舟をこいでいた僕なのであった。
ところで、我が家の田んぼの白鳥さん達がさらに増えた。40数羽ぐらいになった。家の方から田んぼを見てみると白い点々がいっぱい散らばっている様に見える。残念ながら、夕方散歩の時間頃には何処かへ飛び去ってしまった様だけれどね。どっちの方向へ飛び去ったのか見ていないのでわからないけれどね。それに夕方散歩なんか行ってないし・・・・
11月15日 はれ
またまた、白鳥さん達の話である。夕方散歩は白鳥さん達を見に行った。もちろん御主人はカメラを持ってきた。白鳥さん達は30数羽に増えている。どうも、一つの群れではないらしくて、2組か3組ぐらいの群れの様にも見える。みんな甲高い声を上げながら羽ばたいたり、歩き回ったりと見ているだけで楽しい。御主人は様々な角度から写真を撮っている。このようにして僕達は週末の夕暮れを過ごしたのであった。だが・・・・散歩はこれで終わらなかった。白鳥さん達を見た後、昨日トラックで運んだモミガラを見に行くという。「もう良いよ。」という僕を無理矢理引っ張り、刈取の終わった田んぼの中を突き進んでいく御主人なのであった。モミガラも無事な様で・・・(何が無事だったのか犬には理解できないけれど)。このようにして、今日はいつもの散歩の2倍ほどの距離を歩かされた僕なのであった。まぁ、秋田犬ぐらいの大きさでは、このぐらいの距離が普通なんだけれどね。でも、舌を出して「ハァハァ」してしまった僕なのであった。
11月14日 はれ
また、今年も白鳥さん達が僕の家の田んぼにやって来てくれた。20羽ぐらいの群れが、田んぼに刈り残した稲や落ち穂をついばんでいる様だ。意識して刈り残したわけではない。今年は稲が倒伏して刈り取りできない部分が多少あったのだ。それを白鳥さん達は目ざとく見つけて餌にしている様なんだ。これから南へ下っていくのだろうけれど、しばしの憩いの場所になって欲しいと思う僕なのであった。でも・・・・白鳥さん達は、もう新米を食べていると言うことになる。僕はいったい、何時になったら新米を食べることが出来るのだろうか。そして、御主人達は・・・・?。御主人達が新米を食べると言うことは、僕も新米を食べることが出来ると言うことなのだ。理論的に言うと、である。「早く食べさせろ!!」と言いたい。「ガウンガルルル〜!!」とうなり、御主人に脅しをかける様に威嚇をしてでも食べたいのだ。何しろ初物を食べると75日長生きすると言うからね。
11月13日 かいせい
今日も穏やかで気持ちの良い一日だったよ。地面に寝ころんだり、土のお山の上に昇って辺りを見回したりと楽しい一日を過ごすことが出来たんだ。主人は今日一日、モミガラをトラックで田んぼに運ぶお仕事だった。モミガラは言うまでもないことだけれど、稲を刈り取って、機械でもみを玄米とモミガラに分離する。玄米は、さらに真米(まごめ)とくず米に分離される。真米は出荷用の袋に詰められて出荷される。くず米(ご飯にならない物、主に飼料などに使われる。)も、それ用の袋に詰められて出荷する。10e当たりの収穫量を確定する場合は、真米の重量を基準とする。今年は平年作を100%とすると、それを5%を超えて105%になったらしいので、一応豊作なのである。でも・・・・・いまだに僕の口に新米は入らないのであった。もちろん御主人を始め、お母さんなどの口にも入らないのであった・・・・・出し惜しみをしないで、早く食べさせろ!!御主人・・・・
11月12日 かいせい
この頃は寒くなったので、御主人は犬小屋の中に布団を入れてくれた。家の人が使わなくなった古い布団を犬用に使うことになったのだ。「中に入ってみろ」と御主人が言ったので中に入ってみた。「寝てみろ」というので伏せの恰好で座ってみたけれど、何だか居心地が悪い。御主人がいなくなってから、僕はしいてもらった布団をくわえて外に引きずり出した。犬小屋の前に広げて座ってみたら大層気持ちがよい。ついでに外へくわえだして広げて、その上で日向ぼっこをしてみると、さらに具合がよい。と、言うわけで一日中布団の上で日向ぼっこをしていたのだった。それを見た御主人は「せっかく犬小屋の中にしいてやったのに・・・」と、あきれた顔をしていた。
今日は空気が冷えているけれど、お日様の光は答えられないぐらいの気持ちの良い日だったのだ!!
11月11日 かいせい
今朝は、辺り一面真っ白になっていた。雪が降ったわけではない。霜が降りたのだ。この季節では初めての霜、「初霜」である。今朝の最低気温が1.2度、風もなく晴れ渡り、お日様が東の山から顔を出したのが6時ぐらい。すると朝日に霜がきらきらと輝いて、それはそれは美しい光景だった。・・・・と、ご主人は言った。犬には良くわからないことなのだけれど・・・・だけど、霜が降りた草むらを踏むと「さくさく」とか「かさかさ」という音がしておもしろい。また、草むらからかぎ出す様々な匂いを探す出すのは飼い犬の楽しみでもあるのだけれど、空気が冷えてしまうと匂いが薄れてしまう。でも、頑張ってかすかな匂いを探り当てるのもこの季節ならではの楽しみ方である。「寒いのは嫌だ。雪は嫌だ!!」と叫ぶ御主人ではあるけれど、犬はその季節季節で楽しみを見つけるのが上手なんだよ!!
11月10日 はれ
今日の御主人は大豆の刈り取りに大忙しだった。そして夕方・・・大きな機械が我が家にやってきたので僕はあまりの怖さに尻尾を下げて物陰に隠れた。それは「大豆刈取コンバイン」だった。そして、運転席から降りてきたのは御主人であった。でも、僕は大きな機械が恐いながらも興味があって、複雑な気持ちで尻尾を下げたまま、なんども機械に近づいたり離れたりして見ていたのだった。機械から降りてきた御主人は、「大豆畑へトラックを取りに行くぞ」と言った。僕達は薄暗くなったたんぼ道をとぼとぼと歩いていったのだった。その途中、白鳥さんの鳴き声が聞こえたので空を見上げてみると、お月様の下を白鳥さん達が小さな群れを作って南西の空へ飛んでいくのがかすかに見えたのだった。このようにして、僕は多少なりとも大豆刈りのお手伝いをしたのだった。「仕事の後のご飯はおいしい!!」
11月9日 あめがふったりやんだり
今日は朝散歩から帰ってきておやつをもらった。おやつをもらうのはいつものことなのだが、僕は少々物足りなかったので、玄関から家の中に入り台所まで行ってしまった。台所にはおいしい物があると言うことを知っているのが我ながらすごいと思った。家の中にはいるのは厳禁なのだけれど「ええ〜い!入ってしまえ!」と気合いを入れて入ってみた。もちろん御主人の隙を見計らってのことである。当然見つかると叱られるが、入ってしまえばこっちのものだ。朝ご飯の支度をしているお母さんにまとわりついて「おねだり」をした。冷蔵庫を開けているお母さんの側から中をのぞき込んだり、朝ご飯のごちそう(人間にとっては普通の朝の献立だけれど、少なくとも僕にはそう見える。普段、飼い犬がいかに貧相な食事をしていることか・・・)それで色々なものをもらって食べたんだ。「もっと、もっと」とおねだりしているうちに「「こら、!!」と叱られて「帰るぞ」と御主人。最後に残ったおやつである「鰺の焼いたもの(夕べのおかずの残り物)」を僕の目の前にぶら下げて玄関に誘導された。僕がなかなか家から出て行かないので食べ物で追い出すつもりなのだ。このように飼い犬は、ねばり強く飼い主に自己主張すると、良い結果が得られるという事例を紹介してみたよ。
11月8日 くもり
今日は凩が一段と寒くて、身震いするほどだった。日々を追って寒くなっていくのは当たり前のことだけれど、そんな中にも小春日和の様な一日が少々あっても良いのではないかという気がする僕なのである。今日は外に寝ころんでみたけれど、腹を出して寝るどころではない。丸まって寝ていても寒いのである。天気予報では雪が降るかも知れないと言っていたけれど、幸い僕達の住んでいる所では降らない様だ。それで犬小屋の中で過ごす羽目になった今日一日なのである。朝夕の散歩も北西の風が寒くて御主人は完全防寒対策を施して行ってきたのだ。僕はいつもの毛皮だったけれどね。なんと言っても「着た切り雀」の僕なものだから、防寒対策なんて施しようもないんだよね・・・・
11月7日 あめのちくもり
昨日は、暖かかったので「シャンプーでもしようか」と御主人が言った。僕は「とんでもない!!」と首を横に振ったけれど、僕の身体が汚れていると言ってシャンプーをしたいようだった。一見すると、僕の身体の毛は、真っ白で、赤い毛のところもピカピカと光る様にきれいに見える。ところが、ナデナデしてみると垢、と言うかホコリが手に付いてしまうのだ。でも・・・・今日は、もう11月の上旬である。暖かいと言っても真夏の暑さとは「月とすっぽん」、「ふぐとハリセンボン」である。犬の僕でも外に寝ころんではいられないほどだ。こんな日にシャンプーなどしたらとんでもないことになってしまいそうだ。最も、内犬だったら家の風呂場の中でお湯のシャワーに包まれながらシャンプーをしてもらい。暖房の効いた部屋の中で身体をドライヤーなんかで乾かしてもらえるのだろうけれど、僕は外犬。だから家の中に入れてもらえないし、まして風呂場へ等、とんでもないことである。だから、来年の5月頃かなぁ?・・・暖かくなるまでシャンプーは勘弁して欲しい今日この頃なのであった。
11月6日 はれたりくもつたり
朝、御主人が僕を散歩に連れ出しにやってきたら、僕を繋いでいる紐が千切れていて僕がいないので大騒ぎになった。「逃亡したのではないか」、「むつ犬の行きそうな所は?」と、御主人は色々と考えたらしい・・・・そして、ふと思って、防寒対策がされた犬小屋のシートをめくってみると、僕が熟睡していた・・・・と言う訳なのである。そんな話を、あとで御主人に聞かされて「失敗したなぁ、自由な天地へ駆け出すのだったなぁ」という思いと、「そんなことをするのは、めんどうくさいなぁ」と言う思いが相半ばするのであった。それだけ歳を取ったと言うことなのかもしれない。この頃では眠るのが楽しみなってきた。もちろん、散歩とご飯はもっと楽しみだけれどね。
11月5日 はれたりくもったりのちはげしいあめ
今日は、農協からお米を取りに来る日である。また、僕は犬小屋の中に閉じこめられた。今年のお米の出荷は今日が最後だというので、僕も安心して犬小屋の中へ自ら入っていった。待ち時間は、この前よりだいぶ短かった。でも、解放してもらったのは御主人からではない。畑にやってきたおじいちゃんに出してもらったのだ。外に出ると、世界が広くなった様な感じに思える。普段は紐でつながれていて行動範囲が狭いなぁと不便に思っていたものだが、犬小屋の中に閉じこめられているよりはよい。世間には散歩のとき以外は犬小屋の中に閉じこめられて暮らす犬たちがいるという。そんな生活を想像してみると恐い。僕、この家の犬で良かったと思うよ!!ひも付きでもある程度の自由さはあるからね。
11月4日 はれ
今日は晴れたものの、西からの風が冷たい一日だった。気圧が冬型とかになっているらしくて、とにかく寒い。犬の僕でもお日様の下で丸くなって寝ていると、すぐ寒くなってしまい、犬小屋の中に逃げ込まなければならない。御主人は作業小屋の中でお米の袋をいじっているので額にうっすらと汗をかいている様だ。ところが、夕方散歩の時は防寒具を着て毛糸の帽子をかぶり、防寒手袋をしての完全武装でお出かけである。
今年の冬は早くやってくるのかなぁ〜・・・・・・・
11月3日 くもりではれまあり、でもときどきあめ
今日は久しぶりに叱られた。なぜ叱られたのかはわからない。御主人が僕に向かって言う言葉の端々に「米の袋へオシッコ」という言葉がたびたび聞こえたから、たぶん、並べられているお米の袋へ所有者の印であるオシッコを僕がかけたのだろう。僕が忘れた頃に叱られたのだから本人の自覚がないのは当たり前だ。そんな犬を叱ってもどうにもならない。でも、御主人は僕を叱る。言葉の口調で「叱られているな」とわかる。僕はぶるぶる震えながら「お手」と御主人に右前足を差し出した。御主人に「お手」と言われない限り前足を出さないのが普通だけれど、僕自ら前足を差し出したのには訳がある。「許してください。勘弁してください」という飼い犬の意思表示なのである。御主人が、僕の差し出した前足を手で受け取れば、それで許されるのである。取ってもらえない時は、何度も前足を差し出す。飼い犬は、ただひたすら低姿勢で飼い主に許しを請うのみなのである・・・・
11月2日 くもりときどきあめ
今朝は僕達の住む町内で市の防災訓練が行われた。朝から消防車などのサイレンが鳴ってにぎやかだった。御主人も交通規制に出かけていったので、朝散歩は無しと言うことになってしまった。僕は、その不満をプラスチックの植木鉢にぶつけた。植木鉢を蹴ったり噛みついたりして鬱憤をはらしたんだ。でも、夕方散歩は行くことが出来たよ。なんと!お母さんが連れて行ってくれたんだ。御主人が連れ出す前に出かけたので、「さて、犬の散歩へでも行こうか」と犬小屋にやってきた御主人は僕がいないのでびっくり!!。散歩紐がないので、誰かが連れ出したんだなと思った様だ。久しぶりに楽しい散歩が出来たよ。それに、御主人が散歩に連れ出すまで待っていたら、完全に雨に打たれていたね。雨が降り出す前にお母さんと散歩に行けて良かったよ!!
11月1日 はれ
御主人がモミスリをして袋に詰めたお米は作業小屋の中に積み上げられ、整然と並んでいる。11月の5日には農協からお米を取りに来る予定になっているそうである。もちろん、その時は僕は犬小屋に閉じこめられる。それは、まぁ良いのだけれど・・・・・
ところで、作業小屋に侵入してくる輩がいるので御主人はその防止対策を施さなければならなくなった。その侵入してくる輩(やから)とは、スズメと、かくいう僕なのである。スズメは小屋の床に落ちこぼれたお米を食べにやってくるし、僕は並べられたお米の袋をチェックするためにオシッコを引っかける。だから、御主人はそれを防止するために、お米の袋へビニールシートをかけたり、ゴザをかけたりと様々な対策を施している。ご苦労なことである。スズメは田んぼに実っているお米も食べに来るけれど、小屋の中にも侵入してくるしぶとい鳥である。等と・・・・自分を差し置いてこんな事を言っているけれど、僕自身はお米の袋にオシッコをかけることに、なんの罪悪感も感じていないんだ。「なぜ、御主人は僕を叱るの?」って感じなんだよ。