むつ犬のおまぬけ日記
平成21年 3月
3月31日 くもり
朝、起きたら地面にうっすらと雪が積もっている。お米の種を水の中に入れて、発芽させるまでそのままにしておくのだけれど、その水の表面が凍っている。まぁ、水が凍るのは、この時期珍しい事ではないけれど、こんなに毎日のように雪が降ってくるのは珍しい。やっぱり、冬に雪が降らなかったから、今の内に雪を降らせないと「冬」という形無き人格の威厳というか、品位が保たれないとでも思っているのかなぁ。冬の間中、雪を降らせないでさぼりっぱなしだったという事だよね。それを今頃になって・・・・あっ!あんまり悪口を言うと、「冬」が怒って、もっと雪を降らせるかも知れない。「もの言えば唇寒し、何とやら」だね。でも、それって秋の句だよ・・・・(何とやらイコール秋の風)「季違い」って事だよ。横溝正史の「獄門島」にもこの「季違い」って言葉が出てくるよ。
注(飼い主)・・・連日の寒さで支離滅裂になっている飼い犬のムツなのであった。

3月30日 はれのちあめ
いつまで続く、この寒さ、・・・・福寿草の花が咲いてきれいなのだけれど、風が冷たくてかわいそうである。ついでに犬もかわいそうなのである。地面に寝ころんだものの、すぐに身体が冷たくなって犬小屋の中に入らなければならない。犬よりかわいそうなのが御主人である。寒いのが大嫌いな御主人は、外でお仕事をしている時でも、僕の散歩に行く時でも「完全防寒」である。犬が毛皮を着ているのと同じ様な恰好をしている。もう、ため息をついて暖かくなるのをじっと待っているしかない今日この頃なのである。・・・・・・・・・・

3月29日 ゆきのちはれ
朝散歩の時は雪が降ってきて田んぼなんかは少し白く染まったのだけれど、日中は良く晴れた。僕なんか外に寝ころんでお腹を広げてお昼寝したぐらいである。とっても気持ちの良い一日だったよ。お母さんは家の窓ふきをして、御主人は・・・・・・庭を眺めてから、ビニールハウスのほうれん草と春菊に水をかけて・・・・僕をナデナデして・・・・いやいや、無理をして御主人がやったお仕事を上げる必要はない。無精な御主人のやる事など、犬の指を折って数えるほどでもない。(犬は肉体的構造上、指は約90度の角度にしか曲がらない事を申し添える。)とにかく、「春うらら」の今日一日だったと言う事だけ報告させてもらうよ。風は少し冷たかったけれどね。

3月28日 ゆきがふったりやんだり
「きょうも、きのうも〜、雪の空〜」と唱歌「早春賦」を歌いたくなるような毎日である。今朝も見渡す限りの雪景色である。福岡では満開、東京では咲き初めなどとニュースで言われている桜ではあるけれど、僕達の地方ではつぼみが少々ふくらんだ程度である。しかも、吹雪のせいという名目で夕方散歩へは行けないし、昨日の夜は「なんかの集まり」があって夜の帰りが遅かったし・・・・早く、御主人の「飼犬散歩時完全防寒重装備」が解除される日を願って止まない僕なのである。やはり、春は春らしい恰好で散歩したいのである。どんなに寒くても、軽やかに、さわやかに、と言うのが僕のこだわりの散歩なのであった。

3月27日 ゆきのちくもり
寒い日は、まだまだ続いている。どうやら季節という生き物は、どこかでつじつまを合わせる性質を持っているようだ。前半に暖かかったから後半は寒くしようと言う意志を持って、平年並みの気温の推移に合わせているようだ。だから、前述したように「生き物」のようだといったのはそれである。犬も「お腹がいっぱいだから余ったものを土の中に埋めておく」、「あとでお腹が空いた時に掘り出して食べる」何だか、そんな行為に似ているような気がする。最も自然界の流れは神様が司るものなので、こんな考えは恐れ多いと思うのだけれど、犬の単純な頭ではそうとしか考えられないのであった・・・・

3月26日 くもりのちゆき
夕方散歩は吹雪の中だった。向こう先が見えないぐらいの吹雪だった。でも「わぁ〜い、わぁ〜い!白犬になれるぞ!」と言うぐらいの散歩は出来なかった・・・・・あまりにも風と雪が強いので、家の隣にある100坪のビニールハウスの周りを二回だけ回って終わりになってしまったのだ。僕だったら、こんな風や雪はどうという事もないのだけれど、御主人がね・・・・・(ヒソヒソヒソヒソ・・・)と言うわけでご飯だけはしっかりと戴いた僕なのであった。

3月25日 くものちあめ
朝、目を覚まして犬小屋から出ると、辺り一面雪景色である。しかも氷が張っている。「わぁ〜い、わぁ〜い!!冬だ冬だ!!」・・・・・と、若犬の頃ならはしゃいで雪の中を駆け回る所だけれど、中高年プラス、メタボ犬の近頃は、「ヤレヤレ・・・」とため息ばかりついて、犬小屋の中に引っ込んでしまう。それでも御主人は義理堅く、僕を朝散歩に連れて行ってくれた。それはそれでうれしい。雪は昼前にはすべて消えてしまったのだけれど、でも・・・・夕方散歩は少しの雨降りだったけれど、「ご飯!ご飯!!」と言うだけで、散歩には連れて行ってもらえなかった僕なのであった。・・・・

3月24日 くもりのちゆき
曇りとはいえど、朝からチラチラと雪が降っていたんだけれど、夕方散歩に行く頃になると本格的に降ってきた。見渡す限り雪景色である。僕も久し振りに「白犬」になることが出来たよ。(白犬は神様の使いというのが犬の世界の伝説にある。)雪の降る中の散歩は御主人が嫌がったのだけれど、僕のたっての願いでいく事になった。風はそんなに強くはない。家から出て、ほんの数十メートルで僕は白犬になる事が出来た。ところが、湿った雪なので僕に積もった雪はだんだん重くなってくる。思わず「ぶるぶるぶるん!!」と身体を震わせて雪を振り払ったとたんに、僕は元の赤犬になってしまったのであった。・・・・・どうって事もないお話だけれど・・・・

注・・・「僕が白犬になる」とは冬に限った現象で、僕の身体に白い雪が降り積もり、あたかも白犬になったかのように見える事を言う。

3月23日 ゆきがちらちら
なんと!雪が降って来た!。梅の花も咲いたというのに・・・福寿草の花も、椿の花も咲いたというのに・・・雪が降ってきた。花が咲かないのは桜の花だけである。3月中に前述の花が咲いたなんて、記憶にないとご主人は言う。最も、御主人の頭は揮発性メモリー並みなので、覚えた当座は記憶しているけれど、すこし経つときれいさっぱり忘れてしまうのである。でも、つまらない事は記憶に残っているらしく、僕としては、「はぁぁ〜」と、あきれ顔でため息が出るほどである。で、雪なのであるけれど、チラチラと降っている。積もるような雪ではない。でも、油断がならない。時によっては今頃の季節でも、一面真っ白に積もってしまう事もしばしばある。桜の花が咲いてからも雪が少しだけ降り積もった事もあるからね。油断大敵なのである。

3月22日くもりのちあめ
朝、氷が張った。風が冷たい。午後から雨が降り出して本降りになった。おわり・・・・・・・と、言うわけで今日はこんな天気になってしまったよ。でも、午後からの方が雨が降った割には暖かい。それに雨の中に春の匂いが感じ取る事が出来る。犬の僕は嗅覚がすぐれているから、もちろん春の匂いを感じ取ったけれど、御主人も「何となく春の匂いがする」といっていた。人間にして置くのがもったいないぐらいの嗅覚である。昨日も言ったように、犬にしたいぐらいである。落語の「元犬」では白犬が神社にお参りをして人間になる話があるけれど、御主人も神社に願掛けをして犬になると良い。不精者の御主人にはうってつけの職業・・・?になる事だと思う。(犬は職業なのだろうか?、生物学上の分類は犬で、職業は番犬という事ならわかるけれど・・・)

3月21日 はれ
今日は、とても良いお天気で、僕は一日中外で寝ころんでいたんだ。御主人に身体をナデナデしてもらうと毛皮の奥までお日様の暖かさがしみ込んでいって、とても気持ちが良かったんだよ。洗濯物も、あっという間に乾いてくれたしね。でも、僕が洗濯物を干したわけではない。干し物は御主人の係なのである。外は乾燥していて、ちょっと鼻も乾くけれど、身体全体の気持ちよさに比べれば、どうという事はない。御主人は鼻がむずむずすると言っているけれど、そろそろ花粉症の季節なのかなと僕は思ってしまう。ちなみに御主人は犬に似て、鼻の感覚がとても良い。犬にしたいくらいである。そうなった時は、僕が御主人を飼犬にして僕が飼い主になりたいと希望する僕なのであった。

3月20日 はれたりくもったり
今日は「お彼岸の中日」という行事なのだそうだ。何をするのかというと御先祖様のお墓にお参りして甘いぼた餅やだんごを食べるらしい。犬は御先祖様のお墓はないのでお参りはできないし、甘いものは「禁断の食べ物」なので犬の口に入る事はない!!(きっぱり!!)。では、犬にとって今日はどういう日なのかというと、別段変わった事はなく、いつものようにお日様が顔を出せば外に寝ころんで、寒くなれば犬小屋の中に引っ込むという日なのである。つまり、いつもと変わらない一日だったと言う事なのである。散歩も何時も通りだったしね。でも、田んぼの土手にふきのとうが花?を開き始めてお日様の光をいっぱい受けようとしているのを見る事が出来たよ。やっぱり寒いとはいえど「春」なんだねぇ〜

3月19日 くもりのちあ
今日は朝からどんよりと曇っている。それでも気温は15から16度ぐらいあって暖かい。だから僕は外で寝ころんでいた。雨が降りそうな天気だったけれど、なんとか夕方散歩は、いつものコースを歩く事が出来たよ。でも、この所急に暖かくなってしまったので北国原産の犬は体長が付いていけない。僕が歳を取ったと言う事もあるけれど、政治でも物事でも急激な変化は仕組みの流れをこわすので良くない事なのだと思う。それで、午前中は外に寝ころんでいたのだけれど、午後は犬小屋の中で寝ていたんだよ。そして、とうとう夜には雨が降ってきてしまった。この雨が雪に変わるという噂もある・・・・・雪はもう良いのだけれど・・・・ねぇ〜

3月18日 うすぐもり
今日は、薄曇りとはいうものの気温がぐんぐんと上がって、16度ぐらいになった。心なしか梅のつぼみも少しふくらんだように見える。今日は、僕も外に寝ころんでお昼寝を楽しむ事が出来たんだ。御主人は汗をかきながら作業小屋の中でお仕事である。僕も時々は小屋の中に入っていって、御主人のお仕事の進み具合を確認したりした。すると「御主人は、お手伝いをしろ!!」という。僕は、その言葉を聞くと、すぐさま身を翻して逃げ出した。こんなに天気が良くて気持ちが良いのに日の当たらない小屋の中でお仕事なんか手伝ってはいられない。と、言うわけで僕は一日外で寝ころんでいたし、御主人は一日小屋の中で汗をかいていたのであった。

3月17日 あめのちはれ
今日は、昨日とは逆の天気になってしまったよ。午前が雨で、午後から晴れてきたんだ。おまけに午前中は雹まで降ってきたんだ。御主人のお話に寄れば、「雷が鳴るかも知れないと天気予報でいっていた」というものだから朝からビクビクしていたんだ。雷とか花火など、大きな音がするものは大嫌いな僕だからね。御主人の大好きな列車も、僕は大きな音を立てて走り去っていくので嫌いなのだ。と、言うわけで夕方から交通安全の会議兼飲み方に出かけて行ってしまった御主人は、僕にご飯を与える事も無く、帰宅は21時になってしまったのであった。幸い、お母さんからご飯をもらう事が出来たけれどね。

3月16日 ごぜんはれ、ごごあめ
今日は極端な天気に別れた。午前中は日射しも暖かくて、僕は地面に腹を出して寝ているような状態だったんだよ。ところが、午後になると雨が降り出して、本降りになった。おかげで夕方散歩には行けない事になってしまったよ。今朝は、交通安全日なので御主人は街頭指導に出かけ、夕方は、この雨だ・・・・一日紐でつながれっぱなしの僕なのであった。はぁ〜、春だからどこか遠くへ出かけてみたいと思う僕なのである・・・・

3月15日 くもりときどきこゆき
雪がチラチラと舞って、いかにも早春らしい天気だった。ところで、散歩に行った時、田んぼの土手に「ふきのとう」が顔を出しているのを見つけたよ。この所の寒さにもかかわらず、季節は春だと感じ取って芽を出してくれたんだと思う。そんな事を思うと心の中まで春のようになって暖かくなってしまう。御主人達は、ふきのとうを「バンケ」と呼ぶ。県内でも県北、県南、中央、それぞれ呼び名が違う。これを取ってきてみそ汁に入れたり、味噌和えを作ったり、天ぷらにしたりするとおいしい。御主人に「とって食べれば?」といったのだけれど、面倒くさいようだ。でも、犬はこんなのは食べないから、どうでも良いけれどね。

3月14日 あめのちこゆき
人間の、特に四季がはっきりしている日本では、今頃の季節「三寒四温」という言葉を良く聞く。3日寒い日があれば4日暖かい日があって、だんだん春になっていくと言う意味らしい。犬の世界にも同音の言葉がある。「三缶四恩」という言葉である。これも「サンカンシオン」と読む。意味としては、犬が人間から犬の缶詰を三缶分もらってしまったら、四つの恩義を缶詰をくれた人間に対して返さなければならない。と言う意味なのである。俗に「犬は三日飼えば、その恩を忘れず」ということわざがあるが、犬は義理人情に厚い動物なのである。几帳面で、少し融通が利かないのである。だから「忠犬」になりうるのである。でも、猫さんは「忠猫」にはなれない。自由気ままに生きているからである。犬本人としての僕としては、犬の性質を少し辛いなと思う時もあるけれど、こんな性質を持っていなければ飼い犬としてやっていけないのじゃないかとも思う。いずれにしても、今は飼い犬なのだから良いじゃないかという結論に達した僕なのである。蛇足ながら、犬はあまり深く物を考えるのが苦手という性質がある事も付け加えておく。

3月13日 うすぐもり
今日は「13日の金曜日」なので、何か良くない事が起こりそうな予感が朝からした。でも朝散歩には連れて行ってもらったし、おやつもちゃんともらった。小屋でお仕事をしている御主人からは時々遊んでもらったし・・・・・ところが、午後から御主人がどこかへお出かけだという。何処へ行くのだと聞いたら「稲作講習会」とやらに行くのだという。ここで僕の不安は確実なものになった。とにかく結論から先に言おう。御主人は帰りが遅くなり、僕はハラペコのまま夕方散歩へも行けず、じっと外で御主人の帰りを待つ続けていたのだった。「忠犬ハチ公、御主人を待ちわびる図」ならぬ「忠犬ムツ公」なのであった。何、御主人を恋しくて待ちわびているのではない。散歩はまだしも、ご飯をもらいたいために待ちわびているのである。暗くなって帰ってきた御主人を見て、僕はうれしさのあまり、プラスチックの植木鉢をくわえてはしゃいだ。(ぼろぼろになってしまった深緑色のプラスチックの植木鉢は、僕の気持ちが高ぶった時にくわえて放り投げたり、噛みついたり、なめ回したりする「癒しの道具」なのである。)と、言うわけで無事にご飯をもらう事が出来た僕なのであった。

3月12日 ゆきのちくもり
まだまだ寒い三月半ばなのである。午前中は雪が舞った。昨日よりは風がないだけ良いけれど、寒いのである。そんな中、不思議な光景を見た。不思議なというと大げさになるかも知れないけれど、白鳥さんが鳴き声を上げながら、ただ一羽だけで北西の空へ飛んでいった。群れが飛び立つ時に寝坊でもして遅れたのだろうか、まるで学校に遅刻しそうな生徒が泣きながら大急ぎで駆けていくような、そんな光景だった。第三者的に見ていると、ほほえましくて笑ってしまうような光景だけれど、当人?、当鳥?としては必死に仲間を追いかけているのだろうけれどね。でも、どの動物(飼われている動物、自然界の動物、人間を含む)を見ても、その行動には大差がないって事が、この白鳥さんの行動を見てもわかるような気がするよね。

3月11日 ふぶき・・・・
昨日とは打って変わり、吹雪の朝になってしまった。これが一日中続く・・・・時々お日様も顔を出したりするけれど、素っ気なく雲の中に隠れてしまう。あとは真っ白な雪とものすごい風が見渡す限りの風景をおおってしまう。最高気温は1度・・・東京では4月上旬並の気温で、今にも桜が咲きそうだとか騒いでいるけれど、僕達の地方は「春は名のみの風の寒さや〜」と、唱歌「早春賦」を歌う気力もなく。また「冬ごもり」かと「うんざり顔」の動物たちなのである。(飼い犬と人間も含む、もちろん森の動物たちもである。動物園の動物たちはこの限りにあらず)。やっぱり「冬来たりなば、春遠からじ」というのは嘘だったのだとつくづく思い知らされた今日一日であった。

3月10日 はれ
今日は晴れたものの、雪でもチラチラと降ってきそうな寒さだった。僕もお日様が出たので外に寝ころんでみた。午前中はそれでも暖かくて気持ちよくお昼寝が出来たのだけれど、午後から急に寒くなった。ところで、我が家の敷地に残っていた雪が、とうとう今日限りで消滅してしまった。昨日の夕方は、僕の足の大きさの3倍ぐらいの雪が残っていたのだけれど、とうとう消えてしまった。名残の雪がこのあと降らないとは限らないけれど、本格的な冬の時期に降った雪は消えてしまったのである。でも、野山の日陰には、まだまだ雪が残っているのだけれど、身近に見える冬の名残は、我が家に残った雪だけだった。寂しいような、ほっとしたような複雑な気分である。こんな気分は雪国に生きている動物なら必ず感じる気持ちである・・・・

3月9日 はれ
今日の気温は11度にもなったのだという。暖かい地方の人達が聞いたら「たかが11度」というかも知れないけれど、暖かいのである。今まで冬の寒さに耐えて、日中の最高気温が零度以下とか、1度、2度の世界に暮らしてきた動物にとっては(人間も含む)とてつもなく暖かいのである。しかもお日様が一日中地上を照らしてくれた今日一日なのであった。極端に寒さ嫌いな御主人でも、シャツ一枚でお仕事をしながら汗をかいている。寒さ嫌いとはいえ御主人も北国の動物なのであった。僕も夕方散歩の時、自転車を引っ張ったので舌を出してしまったよ。僕も御主人も北国の動物なのである。気温には敏感に反応してしまうし、寒さに対する抵抗力が付いているから、今日のように11度くらいの気温でも暖かいと感じる事が出来るんだよね。

3月8日 はれ
今日の夕方散歩は、春めいてきたので自転車散歩になった。つまり僕が御主人の乗った自転車を引っ張るという事になっている。これはきつい散歩である。散歩と言うよりは肉体労働と言っても良い。いくら雪が消えたからと言って、いきなり自転車散歩はきつい・・・・しかも、いつものコースよりはだいぶ長い距離を歩かされた。東の里山の下にあるため池まで行ってきたのだ。思いっきり走らずに済んだのは不幸中の幸いと言って良いかも知れない。御主人は春になったので、そろそろ僕のダイエットを考えているのか知れないけれど、物事には段階というものがあって、いきなりきつい段階を実施するのは物事のことわりを無視するやり方である。明日からは、きちんとダイエットプログラムを作成して実施してもらいたいと思った今日の僕なのであった。

3月7日 くもりときどきゆき
今日は風が強くて、小雪も舞った。寒い一日だったのである。あっ!「小雪」が降ったと言っても、最近話題になった、色白美人第一位に位置づけされた女優の「小雪さん」が舞ったわけではない。小雪(しょうせつ)は、二十四節気の1つで11月22日〜大雪までの期間を指すのだけれど、僕の言う小雪(こゆき)とは、ちょっとした雪が降ったという程度の表現に過ぎない。それでも、風景がかすむぐらいの雪の降りようだった。僕は寒いので一日犬小屋の中に閉じこもっていたよ。歳を取ると寒さが身に応えるのは僕も御主人も同じ事で、御主人は床屋に行って帰ってくると僕の身体をナデナデする事もなく、「寒い寒い」と言いながら家の中に入ってしまった。もちろん夕方散歩も完全防寒のいでたちである。最も、この寒いのに夕方散歩に行ってくれて感謝はしているけれどね・・・・

3月6日 あめ
今日だけで、白鳥さん達が数百羽、北東の空を目指して飛んでいった。きれいなV字型の編隊を組んで飛んでいく。それはそれは壮観な眺めだったよ。また戻ってこなければいいけれどね。この間は、せっかく北へ飛び立ったかと思ったら、しばらくして南へ戻ってきたからね。今度こそは本当の旅立ちになって欲しいものだ。

3月5日 はれ
御主人は「腰が痛い」と言っている。本来であれば飼い犬として飼い主の心配をしなければならない所なのだが、僕は冷ややかな目で見ている。冬の間中は事務仕事(農業経理、その他の集落農業の事務処理等々)ばかりしてきた御主人である。いきなり肉体労働を始めたら腰が痛くなるのは当たり前である。なぜ、そうなったのかと言えば、3月4日に天日干しをした「お米の苗を作る土」を機械にかけて細かく砕く作業をしたからだ。シャベルで土をすくって機械の口に投げ入れてやる。こんな作業を休み休みとはいえ、一日続ければ腰も痛くなるはずだ。もっと身体を慣らしながらやれば良かったのに・・・・もっとも、痛いのは御主人であって僕ではないから、痛い腰をさする御主人を見ながら、お日様の光と熱を身体いっぱいに浴びてお昼寝をする僕なのであった。

3月4日 はれ
今日の気温は、ぐんぐんとあがり犬の僕はあまりの気持ちよさに地面に寝転がって身体をこすりつけたんだ。ところが・・・・御主人も暖かくなると活動が活発になるらしくて、作業小屋の前一面に、お米の苗を作るための土を広げるのだと言った。冬の間小屋の中に入れていたその土は少し湿っているので、お日様の光と熱で乾かしてから機械にかけて細かく砕かなければならない。トラクターで土を運んで広げる。僕は地面に寝ころんでいられない状態になってしまった。でも、「我慢、我慢!!」秋においしいお米が食べられると思えばこそ出来る我慢なのだ。一日中続くわけではない。朝に広げて夕方小屋の中に入れる。合わせて2時間ぐらい辛抱である。だけど、2時間の辛抱とはいえお日様の光と暖かさを浴びることなくトラクターの音が恐いだけで犬小屋の中に閉じこもっていなければならない我が身が情けない・・・・

3月3日 うすぐもり
午前中に雪がチラチラと降っていたけれど、お昼前には薄日が射してきた。寒いのは相変わらずである。ところで、今日は「桃の節句」。五節句の一つなのである。1月7日は「七草」、3月3日は「桃の節句」、5月5日は「端午の節句」、7月7日は「七夕」、9月9日は「菊の節句」という事になっている。そして「桃の節句」は女の子のための節句であり、「端午の節句」は男の子の節句である。僕は犬だけれど男の子である。しかし「端午の節句」などは祝ってもらった事がない。上と下のお兄さんもである。「桃の節句」も我が家の女性はお母さんとおばあちゃんだけなので祝う事はない・・・最も、「端午の節句」の頃は農繁期の真っ盛りだから祝うような余裕はないのだろうけれどね。でもね・・・白鳥さん達が数十羽、北の空へ飛んでいく・・・・(あきらめにも似た気持ちが、まったく関係のない話に流れていく・・・・)

3月2日 ゆきがふったりやんだり
昨日は、あんな事を言わなければ良かったと公開している。昨日の日記の最後に「この上天気はいつまで続く・・・」と書いてしまった。その一文が空の神様である「お天気様」に届いて、それじゃぁ、少し寒くしようかと言う事になったらしい。それで、一日中寒くて、外は一面真っ白の雪景色になってしまった。僕は犬小屋の中で一日を過ごさなければならなくなったのだ。昨日は一日中、外に寝ころんでいたのとは大違いである。軽々しく変な言葉を発するべきではないなと思ったよ。「どうかお願いだから、春らしい日射しに戻して!!」と手を合わせて「お天気様」にお祈りしたい・・・・・・

注・・・犬は、その肉体的構造から両手を合わせる事は出来ないけれど、中には出来る犬もいるらしい。たとえは、どこかのお寺の飼い犬が、住職の読経に合わせて手を合わせてお祈りをするらしい・・・

3月1日 はれ
今日も一日、外でお昼寝が出来たよ。「極楽、極楽」といった陽気だ。なんにもする事はなかったけれど、暖かいお日様の下でお昼寝が出来るのは何よりの幸せだ。夕方散歩の時に見た、田んぼの中で餌をついばんでいる白鳥さん達も、どことなくノンび゛りしている用に見える。いくら寒さに強いと言われる白鳥さん達でも、身体が凍り付いてしまうような寒さは苦手に違いない。だから渡り鳥として北の方が寒くなると南へ飛んでくるんだよね。僕も御主人も、寒くなったら暖かい地方に住めたらいいだろうなぁ〜・・・・でも、もう少しの辛抱で本当に暖かい春がやってくるから、今は我慢のみである。でも、この上天気はいつまで続くのかしら・・・・?