むつ犬のおまぬけ日記
平成21年 6月
6月30日 あめのちくもり
久し振りに雨が降ったのだけれど、たいした降りでもなく一日中曇りの天気だったよ。それでも気温は「ぐっ!」と下がって26度ぐらいだと御主人が言っていた。おかげで、今日は気持ち良くお昼寝をする事が出来た。昨日の僕の表情と、今日の僕の表情を見比べたご主人が、「今日は別人ならぬ別犬のようだ」と言っていた。昨日はぐったりと横たわり、幾分苦しそうな表情をしていたのかも知れない。今日の表情は「さわやか」なのだそうだ。普通、犬は表情が乏しいとか、おしゃべりが出来ないとか言われているけれど、長年飼っている犬なら顔の動かし方から尻尾の振り方に到るまで、その一つ一つに意思疎通が含まれているので飼い主と飼い犬がお互いの会話に苦労する事はない。・・・・・・・・はずである。時々僕の言っている事がご主人に通じないのは、自分に都合が悪い事なので知らんぷりしているに違いないのだ。もっとも、僕もたまには知らんぷりする事もあるんだけれどね。

6月29日 はれ
やれやれ・・・昨日は、まだ真夏でもないのに気温が30度を超えたらしい。僕は一日中トラクターの下に潜りっぱなしだった。と、思ったら、今日の最高気温は31度!!。僕は一日中トラクターの下に潜り込んで、あまりの暑さに半分死んだような状態でぐったりしていたのであった。ご主人の呼びかける声にも反応せず、ただひたすら暑さが過ぎていくのを待っているだけの一日なのであった。午後からは曇ってきたけれど、暑さは相変わらずで、ちょっとムシムシしてきたような感じである。夕方になって、やっといくらか涼しくなってきたのでトラクターの下からはい出てきたって言う訳なんだ。いったい真夏になったら、僕の身体はどうなってしまうのだろう・・・・?

6月28日 くもりのちはれ
昨日は夕方散歩へ行ってからご飯を食べ終わり、のんびりと寝転がっていると。ご主人がやってきて「夜散歩に行こう」といった。僕は嬉しくなって「行く、行く」とご主人にまとわりついた。こうして僕たちは亀のようにゆっくりゆっくりとたんぼ道を歩き、蛍がいないかと見たけれどまだ早いようだった。そして、帰ってきた僕は「浴後主人に付き合った」という事でご褒美におやつをもらったのだった。しかし・・・おかげで今朝は、家を出たとたんに散歩へ行くのが嫌になって、4本の足を道路に踏ん張って動かなくなった。ご主人がさんざん僕を脅したりなだめたりしたのだけれど、僕は一歩も動かなかった。と、言うわけで朝散歩は無しという事で、おやつももらえなかったのであった。

6月27日 はれ
朝散歩が終わって、ゆっくりしていたら突然の雨!!僕は外に寝ころんでいたのでびっくりして飛び起きて作業小屋の中に逃げ込んだ。何の事はない。雨は地上をうっすらと濡らしただけで、通り過ぎていったのだった。その後にはムシムシするような暑さがやってきた。「ヤレヤレ・・・」と重いながら僕はトラクターの下に潜り込んだのであった。一方のご主人はと言えば、午前中は家の廻りをうろうろしたり、家の中でゴロゴロしていたりしていたのだったけれど、午後から自転車で町に出かけていった。3時間ほどして帰ってきたけれど、お土産は何もなかった。本人が言うには「買い物に行ったのではない。散歩に行ったんだ」などと言う・・・でも、こっそりバックの中に自分のものだけを買って隠しているに違いない。・・・・・

6月26日 はれ
今日は朝から、猛烈な暑さになった。僕はすぐさま避暑地(トラクターの下)に逃げ込み、ご主人は畑の野菜に水をかけている。やがて風が出てきて、暑さはそんなに感じなくなったけれど、気温は高いままである。このまま夕方散歩に出かけたらきついなって思っていたら、夕方からご主人が「飲み方兼会議」があるというので散歩は無しという事になった。飼い主と飼い犬で、どちらもメタボ傾向にあるので、ご主人は会場まで歩いていくという。距離はおよそ2q。駅のそば、出入りする電車を見ながら飲み食いが出来るところらしい。一方の僕は、散歩にも行けず、だらだらゴロゴロと時間を過ごし、お母さんが帰ってきてから御飯をもらうだけなのであった。一方のご主人は飲み方が終わってから、又歩いて帰ってきたのであった。いくら健康の為によいとはいえ、尻尾を振って出迎えた僕に向かって「足が痛い・・・」といったのであった・・・

6月25日 はれ
梅雨が明けたかのような「さわやかな晴天」の日が続く・・・・今日も湿気が少ないので過ごしやすかったよ。さらに作業小屋の中に置かれたトラクターの下は、ひんやりとして高原へ避暑に来たみたいなのである。最も僕は高原に避暑へなど行った事がないので実体験としてはわからないけれど、お昼休みにかえってきた御主人がトラクターの下で寝ている僕の身体を触り「ひんやりしている」と言った後で高原の避暑云々と言ったので、そのままお伝えしている次第なのである。と、言うわけで僕はいながら高原で避暑をしている気分になっているのであった。

6月24日 はれ
今日は、さわやかに晴れて、風もさわやかだったので僕は外に寝ころんだ。気温が25度を超えたにしては湿気が少ないので外でも眠る事が出来たよ。但し、お日様の高いときの散歩は「勘弁してくれ!!」とお願いしてあるので、散歩はお日様が沈む頃の時間になってしまう。その分、ご飯の時間も遅くなるので、ちょっと困るけれど、お腹が空けば空くほど、毎日同じメニューのご飯もおいしく食べられるって言うものだ。でも、たまには違ったメニューも出て欲しいと願っている僕なのであった。ちなみに、僕が毎日食べているメニューの名前は「ドッグフードとご飯のミルクおかゆ風、緑黄色野菜&牛肉の犬缶添え」という、恐ろしく長い名前であるにもかかわらず、味は今ひとつな食べ物なのであった・・・

6月23日 あめのちはれたりくもったり
と、言うわけで昨日の続きだよ。僕に盛んに「ボール遊び」をさせようと画策しているのはご主人なのであった。それは僕のダイエットなのである。メタボ犬の傾向にある僕を心配したご主人が、自分自身もメタボ傾向であるにもかかわらず、僕にダイエットさせたいという飼い主の温かい心が伝わってきて感動的である。でも、そんなボール遊びぐらいでメタボ解消になるわけがない。・・・・やっぱりご飯を少なくした方がよいのかなぁ〜・・・と、あんまり実現できそうもない事を真剣に考えてしまう僕とご主人なのであった。

6月22日 はれのちあめ
最近、ボール遊びをさせてもらっている。若い頃は毎日のようにしたボール遊びだったのだが、飼い主も飼い犬も寄る年波には勝てず、激しい運動は控えるようになってしまっていたので、この所は何ヶ月に一回という感じだった。しかも動くと、すぐに舌を出してしまうので、長い時間は遊んでいられない。それでも、ボールが「ポンポン」と弾む音が聞こえると、習性でぐったりと疲れて寝ころんでいても飛び起きてしまう。そして、弾むボールに飛びついてしまうのである。子犬の頃から遊んでいる事なので、「雀百まで踊り忘れず」か「三つ子の魂百までも」って感じかなぁ・・・・?。さて、なぜ今頃になって「ボール遊び」が復活したのかは、又後日!!請うご期待!!

6月21日 あめのちはれ
今日の天気はキリが良った。午前9時まで雨が降って、急速に雲がなくなり10時にはすっかり晴れてしまった。ただ、里山の東側には入道雲のような雲が一日中かかっていた。内陸の地方は雨か曇っているに違いない。今日は昨日ほどの暑さではなかったけれど雨が降った後だったので蒸し暑い。毛皮をまとっている動物にとっては最悪の天気である。という訳なので「暑い!!」・・・ただただ、それだけの一日なのであった。

6月20日 はれ
今日は非常に暑かったので、暑く焼けたアスファルトの上に寝ころんでみた。人間が海水浴に行って砂浜で身体を焼くというのを実体験してみたかったから・・・。御主人は僕が気が狂ったのかと思って、僕の身体を揺すり「おい!大丈夫か?」といった。もちろん大丈夫なのである。大丈夫どころか、ある種の気持ちよさも感じられる。人間がやる「我慢比べ大会」のような気分になってきたのだ。そのままの恰好でいる事、数十分・・・・僕の毛皮はご主人がさわっても暑いぐらいに焼けて、肌もきつね色にこんがりと焼き上がった・・・・・と言っても、僕は元々、赤犬なので元のままなのではあるけれど。ふわふわの毛の中には太陽の熱がこれ以上はいらないぐらいにこもった。この熱を真冬まで何とか貯めておく事が出来ないものかと真剣に思ってしまう。このようにして「砂浜のバカンス疑似体験」は終わり、やがて僕はひんやりと涼しい田植機の下に潜り込んでお昼寝をしたのであった。

6月19日 はれ
夕方散歩の時間が春先に比べてだいぶ遅くなった。日が陰り始める18時頃になってやっと散歩に出かけている。それでも、お日様が沈むまでは、まだ間があるような時間帯である。お日様が「ぎんぎんギラギラ」と輝いている時間の散歩は犬にとっては火炎地獄にも匹敵する。それでも今日は、そんなに暑くはなかったので自転車散歩でも何とか行ってくる事が出来たよ。

6月18日 はれたりくもったり
「梅雨らしく曇るんだよね・・・」、「梅雨寒って言う言葉がぴったりするぐらい朝は肌寒いんだよね・・・」、でも雨は降らない・・・・この所「・・・・」という文字というか記号が多い。この、「・・・・・・・」って言うのは文章に表せない感情表現なんだよね。つまりは「犬のため息」の代用である。期待しているのに期待通りに行かない。でも、どうしようもない時は、そんなため息が出るんだよねぇ〜「はぁ〜・・・・・」

6月17日 くもりいちじあめのちはれ
朝の9時頃、雨がパラパラ落ちて来たけれど、すぐに止んでしまった。まとまった雨をほしがっているご主人には残念だったけれど、天の配剤なので仕方がない・・・・でも、犬の僕には過ごしやすくて良いのだけれど、こんなに涼しくてもいいの?、と言うのが今時の天気である。何でも5月下旬頃の陽気なのだという。畑の野菜は育ちが遅れているし、田んぼもそんな状態なのである。犬にとっては困るけれど、もう少し暖かくなって欲しいと願うご主人思いである飼い犬の僕なのであった。

6月16日 はれ
シャンプーされたのは、この前の日曜日だったのである。僕の身体からは、人間の鼻で言うなら良い香りが漂ってくる。犬の鼻で言うならば、「なんか、変な匂い〜・・・」なのである。なぜか自分の身体であって、自分の身体ではないような気がする。出来る事ならば、犬の鼻がよい香りだ、と言う匂いを見つけてそれに身体をこすりつけたいと思っている僕なのであった。ちなみに犬の鼻がよい香りだという匂いとは、人間が「たまらなく臭い匂い」なのであった・・・・犬は自分の匂いを消して外敵から自分自身を守る為に強烈な匂いを身体にこすりつける習性がある。でも・・・・シャンプーの匂いも自分の身体の匂いじゃないんだよねぇ・・・?

6月15日 はれ
今日もさわやかな風が吹いて気持ちの良い一日だったよ。こんな空気の中を朝散歩したいなぁ〜・・・と思ったら、今日は「交通安全日」でご主人は街頭に立たなければいけないので散歩は無しだった。僕はふてくされて「プラスチックの植木鉢」に当たり散らした。それで幾分気分がすっきりしたので、日中は日向で寝ころんでみたり田植機の下に潜り込んだりと、気持ち良く昼寝をする事が出来たんだ。夕方散歩は舌を「ハァハァハァ」と出したけれど、比較的気持ちの良い散歩だったよ。このようにして、平穏無事に今日は暮れていったのであった。めでたし、めでたし・・・

6月14日 はれ
今日もさわやかな風が吹いて気持ちの良い一日だったよ。ところで、今日は長年の念願だった「シャンプー」をしてもらえたよ。今日は汚れがひどいというので、特に念入りに洗ってもらったよ。そして約30分後・・・・洗ってもらい、さっぱりした身体で我が家へ向かう途中、・・・あっ!我が家というのは犬小屋の事なんだ。そこへ向かう途中、僕を繋いでいた紐がどういう訳かほどけて、僕は自由の身になった。瞬間的にそれを悟った僕は、身体がさっぱりして気持ち良くなったのと同時に、身体が自由になった気持ちよさに、ご主人の「待て!」という声も聞かず。家の敷地内から走り去り鉄道の踏切を越えたのであった。ところが、踏切の手前では道路の花壇に花を植える作業をしていたボランティアの人達に目撃されてしまっていたのだった。自転車で追いかけてきたご主人は、「犬を見なかったか」と聞き込みをした結果、複数の人達の目撃情報を得たのであった。ある人などは「踏切で、一時停止をした犬が左右を確認してから渡っていった」というくわしい情報も聞く事が出来た。そして、ケーキ屋の角を右に曲がり、団地の中にある公園へ向かう道路上で僕は尻尾をつかまれて捕獲されてしまったのであった。あの道の途中で、草むらの気になる匂いを嗅いでいなければ、今頃は自由を満喫していた事だろう。でも、結局は我が家が一番なんだよね。ご飯がもらえるし、のんびりとお昼寝が出来るからね。以上、僕としては久々のおまぬけな一日なのであった。

6月13日 はれたりくもったり
今日は気温が「ぐっ!」と下がって20度ぐらいだった。シャンプー日和ではあったのだけれど、ご主人は朝から町内の共同作業に出かけて行ってしまった、一方、お母さんと上のお兄さんは、横浜からお母さんのお姉さんの長男がやって来るというので空港までお迎えに行った。空港まで約1時間。僕はお昼頃まで、お家で1人でお留守番である。気温が高くないので外に寝ころんでいても気持ちがよい。久し振りにゆっくりと寝る事が出来たよ。

6月12日 はれのちくもってあめがぽつぽつ
今日は晴れて、気温も26度になったのだと言うけれど、風があったせいか、そんなに暑くはなかったよ。さわやかな風だったので朝散歩は気持ち良く行ってくる事が出来た。ところが、夕方散歩は「恐怖の自転車散歩」なのであった。若い頃は自転車と共に走ると、自分が風になったように気持ち良くて、いくらでも走れたものだけれど、歳を取ってくるとそうもいかなくなってしまった。ご主人は自転車に乗っているので楽だろうけれど、自転車と共に歩かされる僕の身になってみればつらい事がわかる。さすがのご主人も、そこの所をわかっているらしく「年寄り犬」を自転車の速度で走らせるような事はしない。自転車はフラフラとバランスを保ちながら、ゆっくりと歩く僕の足に合わせてくれる。これだったら自転車なんかで行かなくても、歩いている方がマシだと僕は思うのだけれど、ご主人は、自転車に乗って、いくらかでも楽をしたいという「欲」を捨てきれないのであった。でも、人間は歳を取ったら欲を捨てるぐらいにならないといけないよね。他の欲はいざ知らず、食欲だけは捨てきれない僕が言うのもなんだけれど・・・・

6月11日 あめ
今日は一転して一日中雨降りだった。時には激しく、時には優しく、まるで交響曲を奏でているような雨の降り方だった。僕は何もする事が出来なくて作業小屋の軒下で、雨のシンフォニーを聴きながらうつらうつらとしていたのであった。一方のご主人はと言えば、平日の田んぼのお仕事と、この所土曜日曜になると行事が続く、この約一ヶ月の疲れか、一日中、読書とお昼寝で過ごしたらしい。ところが夕方から、何かの会議があったようで僕は夕方散歩にも行けなかったし、ご飯もだいぶ遅くなってからもらったのであった。そして、この土曜日も何とかと言う行事が待ちかまえているご主人なのだった・・・・

6月10日 はれのちくもり
ハァァァ〜暑い!!。今日の僕たちの地方は気温が夏日を越えた。お日様の熱と光を浴びて、焼けたようなアスファルトの上に横たわっていると、ご主人が心配して「あまりの暑さで死んでいるのではないか?」と近づいてくる。ご主人が近づいても僕は動かない。ますますご主人は心配になってくる。僕の身体を揺り動かすと僕は物憂そうに目を開けるのであった。そうなのである。僕は熟睡していたのである。歳を取ってくると、いったん寝てしまうと熟睡してしまうのである。これでは「番犬」としてのお仕事に差し障りがあるのだけれど、「まぁ、年だから良いかぁ〜、何しろ人間の歳で言えば退職年齢だからね。」と、やっとご主人に起こされたにもかかわらず、又、上のまぶたと下のまぶたが仲良くなってしまう僕なのであった・・・

6月9日 くもり
どうやら、九州から東海にかけては梅雨入りをしたらしい。だから僕達の地方も、そろそろ梅雨入りするだろう。でも実際的に梅雨入り状態になっているから、梅雨に入ったと言っても良いのかも知れない。回りくどい言い方をしているけれど、ご主人の習性として、持って回った言い方を得意とするので、犬の僕は、こんな言い方をされるとイライラするのである。犬は、短く適切に指示を出してくれた方が行動しやすい。つまりは、警察、消防の人達が意思伝達するときに短い言葉でより多くの情報を伝達するように飼い主と飼い犬の間でもそんな風にやって欲しいものである。それにしても梅雨である・・・・犬の話は彼方此方へ飛ぶので用心して欲しい事をあらかじめお断りをしておく。梅雨にはいると、毛皮がジメジメするので気持ち悪いのである。シャンプーもそろそろやって欲しいのだけれど、梅雨入りが遅れているせいかどうかを知らないけれど、シャンプー日も例年より遅れているのである。どうか、僕もシャンプーされる覚悟は出来たので、お願いだからシャンプーして欲しいと願う、今日この頃の僕なのであった。

6月8日 くもり
今日の夕方散歩の時に、とてもかぐわしい匂いを見つけた。足で「がりがり」と土を掘り、僕は、そのかぐわしい匂いに身体をこすりつけようとした。すると、それを見たご主人が「こら!駄目!」と怒鳴るんだ。「かぐわしい匂い」とは、犬にとってはそうだけれど、人間にとっては、たまらなく嫌な匂いなのである。犬は時々、自分の本来持っている匂いを消す為に強烈な匂いを見つけて自分の身体にこすりつけようとする。それは動物の腐った死骸であったり、堆肥であったりする。自分の匂いを消して外敵に察知されないようにする為である。もちろん飼い犬に外敵はほとんど存在しないけれど、野生時代からの習性がそうさせるのである。と、言うわけで今回はその匂いを身体にまとう事が出来なかった。僕が思うには、犬には犬としての長い間の習性がある。人間の感覚で言えば、伝統とか文化というものと同じなはずである。それを人間の感覚で「嫌なもの」と言うだけで飼い犬を叱らないで欲しいと願うオオカミの血を引いた飼い犬の僕なのであった・・・・

6月7日 くもりときどきあめ
昨日の午後から御主人は上のお兄さんとどこかへ出かけて一泊したようだ。後から聞くと、おじいちゃんとおばあちゃんも一緒だったらしい。お母さんはお留守番である。何でも、御主人の叔父さんの「ご苦労さん会」とやらを一泊でするらしいのである。飼い犬の僕には詳しい事情は知らないけれど、なんにしても僕の世話をする人がいてくれて助かったよ。でも・・・・おじさんちのワンコの世話は誰がするのだろうか?一家で御主人達と出かけたらしいから・・・・

6月6日 くもりときどきあめ
どうも梅雨に入ったような気がしてならない。毎日ジメジメしている。それでも「梅雨入り宣言」は出ていない。最も最近は気象関係者の主張が弱腰で「梅雨に入ったと思われる・・・かも知れない?」なんて言い方をする。犬の世界で、そんなあいまいな主張や行動をしたら、たちまち敵に襲われて身を滅ぼしてしまうだろう。でも、飼い犬の敵て誰?・・・・・・・・

6月5日 あめのちくもり
ビニールハウスの中に播かれた様々な種は、毎日水をかけている御主人のおかげとお日様の温かさで芽を出し始めたのであった。犬にはまったくと言って良いほど関係のない野菜なのだけれど、なんにしても植物でも動物でも命が芽生えるという事はわくわくするし、うれしいものなのである。ただ、わがままを言えば犬が食べられるものを栽培して欲しいと願うのである。犬が食べて毒になるものと言えば、ネギだのタマネギの種類に限られるけれど、その他の野菜も犬が積極的に食べるようなものではない。基本的に犬は肉食動物なのである。キャベツの油炒めなどの残り物はご飯に混ぜられれば食べるけれど、後はないと言って良い。願わくば、農業試験場の研究員の皆様には「犬が食べられる野菜」を開発してもらいたいと願っている僕なのであった。時代は、まさに「ペットブーム」なのだから・・・でも、一言言わせてもらうならば、僕はペットという言葉は嫌いである。ペットという言葉から感じられるものは、「愛玩動物」、「人間の慰みもの」という低次元の意識しか感じられない。しかも人間主導型の動物対人間なのである。家族、もしくは従業員・・・?という意識の方が僕は好きである。あくまでも、殿様と家来の主従関係。もしくは家族同然の関係。

6月4日 あめのちはれ
朝、御主人が畑で取れた初イチゴだと僕に持ってきてくれた。真っ赤なイチゴだったけれど、僕は匂いを嗅いだだけで興味を失ってしまった。「犬の食べるようなものではない!!」と・・・・・御主人はイチゴの花が咲いた頃から実が熟れるのを楽しみにしていたようだけれど、犬は食べ物を目で楽しんで舌で楽しんで、胃袋で楽しむという習性はない。あっ、胃袋で楽しむって言うのはあるかもしれないね。お腹いっぱいになれば誰でも楽しいものだからね。だから、イチゴは真っ赤できれいかも知れないけれど、犬にとっては単なる物体でしかないのである。それより犬の喜びそうな食べ物を持って来てもらいたい僕なのであった。

6月3日 あれのちあめがぽつぽつ
暑くなったり寒くなったりは相変わらずである。今日は暑かったのだ。外に寝ころんでいられないほどの暑さだったのだ。あの寒い冬の日にお日様の光や暖かさを待ちこがれていたものだけれど、今の季節になると、少し曇ってくれないかなぁ・・・とか、雨が降って涼しくなってくれないかなぁ・・・とか、お日様に出会いたくないような気分になってくる。犬とはわがままな動物なのである。結局、今日は田植機の下に潜り込んで、今日一日避暑地へ行った気分になった僕なのであった。

6月2日 はれたりくもったり
今日は薬を飲まされたよ。5月から10月まで毎月呑まされるフィラリァの薬である。フィラリァについては十分ご承知の事と思うので説明はしないけれど、僕へ呑ませる為に御主人が、毎月手を変え品を替え・・・・品は替えないけれど、毎月様々な手を使って僕に薬を飲ませようとするんだ。今月は、干し肉を二つ折りにして、その間に薬をはさんで僕に食べさせたんだ。僕はお肉に目がないので、ろくろく噛みもしないで飲み込んだんだ。しかし、用心深い御主人は、僕がお肉の間にはさまれた薬を吐き出さないかと心配して、僕のアゴを手で押さえている。おかげで、おいしいはずの干し肉も楽しんで食べる事が出来なかったよ。最も、御主人のねらいは僕に薬を飲ませる為なので、味なんかどうでも良いのだ。結果として、お肉と共に薬が僕の胃袋へ直行すればいいのである。そこには感情も義理も人情もなく。ただ『目的遂行』が在るのみなのであった。

6月1日 くもりときどきあめ
今日の御主人は、朝は交通安全日で道路へ立ったので、僕の散歩は無し。午前中はビニールハウスの中で野菜を植えたりしていたのだけれど、10時を過ぎる頃になったら黒い服を着てどこかへ出かけていった。そして、夕方遅くまでかえらないのであった。最近は忙しい御主人なのである。僕の方もお腹の調子が悪いので、あまり活発な行動はしていない。最も、普段から活発な事はしないし、繋がれているので出来ないようになっている。たまに自分の尻尾を追いかけて、唸り声を上げながらぐるぐる廻るぐらいなのである。あとはお昼寝をして一日を過ごすのである。今日は、飼い犬の日常的一日、と、飼い主の非日常的一日の対比を皆さんにお知らせしたよ。