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「生きることは食べること」―病気との闘いのなかで見えたこと 

                               皆川 時男
  わたしにとって、生きることは食べることです。
 人は、一度ならず、二度三度、死との戦いに向き合わされることがあります。わたしにとってやはりいちばんの苦難は、心筋梗塞との闘いでした。そして、それに続く胃ガンによる胃の全摘出手術でした。この二つの試練で体力がすべて落ち、食べることもままならない状態になりました。
 事の起こりは2000年6月でした。友人の新築祝いからの帰りに、自転車を転がして歩き出した直後に襲い掛かってきた胸の激痛に、道端でうずくまりました。家に着き、妻に「胸が痛いが寝れば治る」と言って床に入りましたが、痛みは消えませんでした。かかりつけの医師から紹介された病院で心筋梗塞と診断され緊急入院、集中治療室で3日間、その後一般病棟に移り27日間入院しました。
 この入院は今まで自由に自分の好みで食べてきた罪なのでしょう。主治医には太り過ぎなので痩せるようにと言われていたのですが、病院を離れると油を使った食物を多くとるのが常でした。
 入院から二年後、心臓冠動脈拡張処置を受けましたが、一度開いた右冠動脈が閉塞し、現在も左冠動脈だけに依存しています。この左冠動脈が閉塞したら死にます。それでも今日まで生かされているのです。
 「食べる」ことは喜びです。
 人は一週間も食事を取らなければ衰弱してしまいます。毎日10種類の薬と抗ガン剤を服用していることから味覚や嗅覚がなくなりました。しかし、甘い、辛い、酸っぱいはわかります。食事療法とストレスをためない生活を歩んでいきたいと思っています。また、わたしのように食べる喜びを失くさないでほしいと、常々家族に話しています。

朝ごとに恵みと健康を祈る

 この大きな二つの試練の後、職場を定年退職する頃に西川口教会の礼拝に出席するようになりました。
 わたしは二十代のころ、同教会の門を通っていました。当時横山義孝牧師のもと、教会の方々が明るく喜びをもって接してくださったことや、熱心に働いている姿を拝見して、教会は神様に喜びをもって仕え、それを人生の糧として生きている素晴らしいところと思っていました。また、横山先生からも受洗するようにと勧められました。
 しかし地方公務員として勤めの規律に従い、「公平・中立」の立場を考え遠のいてしまいました。長い年月を経て、2004年12月クリスマス礼拝において、西川口教会で金田佐久子牧師から洗礼を受けました。61歳でした。
 イエスさまはすべての罪と滅び、悩みと苦しみを背負って十字架につけられ、そして復活されました。この神さまの救いの御業とイエスさまの愛の恵みは、困難や苦難を独りで背負っていくのではなく、共にいてくださるイエスさまと歩んでいける憐れみであったとわかり、もっと早く知っていればこんなに苦しまなかったものと、受洗の遅れたことへの悔いを強く感じています。
 現在毎朝5時に起床し、独り静かに「主の祈り」をささげています。そして、教会の先生方と兄弟姉妹、親戚の方々の名前をあげ、とりなしの祈りをささげます。
 次に「神様、今日、この弱き僕を憐れんで一日一生の力をお与えくださり、本当にありがとうございます。今日も体は苦しいですが、五臓六腑及び内蔵のすべての機能そして、骨粗しょう症による腰痛もなく、緑内障も進むことなく、また歯の痛みもなく、元気をいただき、社会貢献ができますようお助けください。今日行く先々の道を整え、事故、怪我のないようお守りください」と祈ります。続いて教会の祈り、世界の平和への祈りをささげます。
 そのあとで聖書を開きます。西川口教会で紹介された聖書日課に従い、聖書の内容、教えや導き、祈りをすべてノートに書きます。そして『信徒の友』の「日毎の糧」、さらに2冊の黙想書から学び、聖書を1章ずつ読み、心に留まった箇所をノートに書くことにしています。最後に讃美歌を読み、歌えるものがあれば口にしています。朝ごとに新しく神様の恵みを発見しています。7時頃終わります。
 「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ 4・4)。わたしは幸いなことにパンの大切さを知ると同時に、パンのとりことならないで、神さまの愛による導きとイエスさまの一つ一つの恵みをいただいて生きています。感謝と信仰を携えて歩んでいきます。

(「信徒の友」(日本キリスト教団出版局) 2008年11月号 特集「日用の糧を与えたまえ」 に掲載)
 


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