第三章  竜宮城へ来てみれば・・・

 太郎が亀に問いただそうとすると、急に明るい光につつまれました。
「竜宮の門を入ったのです。」亀は言いました。
しばらく光の中を進むと、美しいサンゴの林の向うに大きな屋敷が見えてきました。
「あれが竜宮城か!何と美しい所だろう」
そこにはすべての色がありました。美しい色という色があふれかえり、あらゆる色の光りを発していました。青い魚や赤い魚や、ありとあらゆる魚が舞っています。太郎の知っている魚もいれば、見たことも聞いたこともない魚もいました。
「何という数の魚だろう。こんなに魚がいるものなのか!」
驚いている太郎のまわりを、銀色に光る大きな長い魚がぐるぐる回っています。魚は竜宮城へ招くようにひらひらと屋敷に近づくと、扉が音もなく開き、そこには女が立っていました。
「あなたが太郎ですね。ようこそいらっしゃいました。」女は言いました。「ここに人間が来るのは久方ぶりです。ああうれしい!」
女は弾けるような笑顔で太郎に微笑みました。太郎はその美しさにあっけにとられてしまいました。
「お招き下さって光栄です。おれは浦島の太郎と申します。ああ!何と美しい人なのでしょう。こんなに美しい人は見たことがありません!」
女が恥じらうようにくるりと回ると、衣が美しく水中を舞いました。その動きに太郎は頭がくらくらしてしまいました。
「さあ、どうぞ中へお入りください。料理も出来上がっております。」
乙姫は歩き出し、太郎も吸い寄せられるようについていきました。
 長い廊下のつきあたりで扉を開けると、大きな部屋にたくさんの料理が用意され、素晴しい匂いとともに沢山の魚が舞い踊っていました。
太郎がひとくち料理を食べると、何という美味しさでしょう!太郎は夢中で料理を食べました。周りでは鯛や鮃がおもしろおかしく踊っています。太郎はふだん食べているのを申し訳なく思ってしまいました。
 皿が空になったのを見た乙姫は、手のひらをひと振りすると、今まで踊っていた鯛がバラバラになり刺身になりました。それを見た太郎は驚き嫌悪を憶えましたが、乙姫が微笑みかけると今思ったことも忘れてしまい、また食べ続けるのでした。

 
 さてお腹もいっぱいになり太郎は思い出しました。
「そうだ!もう帰らねば母が心配していることだろう。」
すると乙姫が言いました。「もう帰ってしまうのですか?やっと楽しくなってきたところだというのに。太郎が帰るとまたひとりになってしまいます。何年も、何十年も、何百年もひとりなのです。」
乙姫の悲しそうな顔を見ると、太郎の決心も揺らいでしまいました。
「わかりました。帰るのは明日にしましょう。干魚はまだありますから何とかなるでしょう。」
乙姫はパッと明るい顔になり言いました。「良かった!夜のおもてなしも、きっと喜んで頂けることでしょう。」
頬を赤らめた乙姫に案内され、太郎は寝室へ入っていきました。部屋はやさしい桃色で中央には大きなシャコ貝のベッドがありました。シャコ貝のベッドとはなんと気持ちの良いものでしょう。外套膜に包まれて眠ると、それまでの疲れが一気に癒されてしまいました。
 どれくらい眠ったでしょう。何やら動く気配にぼんやり目を醒ますと、そこには乙姫が立っていました。太郎が金縛りのように動けないでいると乙姫は衣をするりと脱ぎ、するりと外套膜の中にはいってきました。
動けない太郎は乙姫のねっとりとした感触に心を奪われ、あちこち吸付くような感触に全身の毛が総立ちになるほどの快感を感じました。乙姫はねっとりとした細くゴムのような指先で太郎の乳首を締め付け、太郎は大きな喘ぎ声をあげ、いきり立つ一物から射精しました。しかし実際には射精はできませんでした。締め付けるゴムのような指がしっかり巻きつき、太郎の精液を睾丸へ押し戻してしまったのです。
その後も何度も何度も太郎の精液は睾丸へと押し戻され、最後に身体の感覚が無くなってしまったころ、ついに乙姫のねっとりとした唇に吸い込まれていきました。太郎はそのまま気を失って眠ってしまいました。



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