紙芝居について



このお芝居は、僕らの団の演出家、Baku-団マスクをヒーローとして描いたものです。
僕自身がヒーローものが大好きなんで、「仮面ライダー」+「宇宙刑事」という感じで書きました。
さらに僕の愛する「プロレス」を盛り込み、マスクマンとしての要素を加え、
団のモットーである脱既成概念と、高い志をシンボルに闘うヒーローを作りました。
当然、現代社会の繁栄を考えて、目的は「引きこもりの人々」や「精神的にやんだ人々」を助け出す事で、 敵はそれをつくり出そうとする秘密結社(暗黒師団)という設定にしました。
Baku-団マスクの必殺技も人々の体に自分の体をデジタル化して送り込むと言う「Baku-団ライン」 という分け分からんものになりました。
実は一度、2001年の5月に初演しているんです。
その時は現在のようにスケッチブックではなく、一枚一枚段ボールを切って作っていました。
なぜなら、経費さくげ、、、、、否、大きい方が見易いかなあと思ったので。

ところがどっこい、いざ作ってみると、紙芝居でか過ぎて、めくれねー!

しかも一枚一枚が大きいので、場所に困る。
仕方がないので、めくった紙芝居を地面におきながら演技するという所に落ち着き、
その結果、「芝居が進む程、演技スペースが小さくなる」という不思議な芝居になりました。
ちなみに、その初演の話を僕らは「第0話」と呼んでおり、漫画で言う初回の読みきりみたいになりました。
今のものとは設定や絵のタッチが微妙に違います。
それ以降の話は反省を踏まえ、スケッチブックに書き込むようになりました。

そうそう、Baku-団の本公演では僕は出演しない癖に、この紙芝居シリーズでは主役を演じています。
というのも、団の役者がすくな、、、、否!
この話自体、僕と谷屋(特に僕)の趣味がでまくっているからです。
僕と谷屋氏には「ヒーローもの」についての暗黙の了解があり、 無言の内にニュアンスで演技プランが出来ていたりするのです。
だから絵を描くのも、大抵は僕と谷屋。
よく見ると、一枚ごとに2人の絵の特徴があらわれて、どっちが描いたかわかります。
進んでくると色んな人に手伝ってもらうんですが、 基本的な描写は絶対2人じゃないとできません。 だから、作成に物凄く時間がかかる。
しかも大抵が本公演の合間を縫って作るので作成中はかなり泊まり込みの作業になります。
お互いに仮眠を取り合いながらの作業はちょっとしたドラマです。

紙芝居と言うのは演劇メディア的に凄く面白いですね。
めくったらどうなるんだろう? どんな世界があるんだろう?  っていうドキドキ感があるし、オチがつけやすい。
それに、マイムも使わずに、一枚の絵と声だけでイマジネーションを刺激する事が出来ます。
いわば、漫画やアニメーションを舞台に上げてる感じですかね。
そこに演劇ならではのライブ性を持ち込んでみる事で新たな表現を模索しています。

現在も自作を作成中ですが、いったい何話までいくのやら。

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