―ベストアルバム編―




はじめての氷室京介、其の一

どのアーティストでも初めて聴こうと思うならば、やはりベストアルバムから入るのが定石でしょう。主に聴き易い曲が収録されておりヒット曲もあって、とっつき易いです。初めて氷室さんを聴こうとする人に対しても、ファンから見れば異論もあるでしょうが、やはりベストアルバムから入るのがベターでしょう。さて氷室さんのベストアルバムはどのくらいあるのかと見てみると、


  • masterpiece#12
  • SINGLES
  • Collective SOULS−THE BEST OF BEST−
  • Ballad〜La Pluie
  • Case of HIMURO

といった感じになっております。レンタルしようと思ってる人はどれを選べばよいかわからないと思います。確かに同じ曲がそれぞれに収録されてますが、微妙に違いがありますので、今回はそれらについて見てみましょう。


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masterpiece#12  (92/04/25発売)

これはベストアルバムというより、リミックスアルバムと言った方が良いと思います。このアルバムが出るまでにはオリジナルアルバムが三枚発売されており、それらから選出された曲が収録されている点では確かにベストといえなくもないのですが、外国人のプロデューサーが仕立てたせいか、編曲が原曲よりポップに仕上がっております。つまりキーボードによる音色が強くでているのです。

氷室さんは基本的にロックなのですが、このアルバムではその要素が薄れています(それでもある程度はロックを保ってますが)。とはいえ、ロックをあまり好まない人にとっては聴き易いものでもあり、ポップを好む人向けになっていると言えるでしょう。ファンの中でもこのアルバムヴァ―ジョンの方が良いという人もいるのですよ。初期の氷室さんの曲をとりあえず聴こうと思ってる方は如何でしょうか。



SINGLES  (95/07/19発売)
Case of HIMURO  (03/03/19発売)

いきなり二つも出しましたが、系統は同じなのでまとめてみました。というのは、この二つはそのアルバムが出るまでに発売したシングルをまとめたものなのです。最初の「シングルズ」では14曲、次の「ケースオブ〜」では二枚組み33曲編成になっております。つまり、95年に一度発売して、また2003年にまた発売したという代物です。

現段階において、「シングルズ」の存在意義はありません。こういう事言うとファンの方々から投石くらわされそうですが、今回は初心者向けの紹介なのであえてそう表現します。なぜならば、そのアルバムに収録されてる曲はニ曲除いて全て「ケースオブ〜」に収録されてるからです。ファンならばそれを求めて購入するかもしれませんが、初心者の方には興味はないでしょうし、曲数の多い後者を選ぶでしょう。レンタルすれば、同じ値段で沢山の曲を聴く事ができますしね。ただし、購入すると「ケースオブ〜」は二枚組みなので値段が少々高いです。

「シングルズ」自体は悪くないのですが、その後にほぼ同じ内容のCDが発売されたので、そういうことになってしまいました。企業の常套手段ダネ!一応、氷室さんの歴代アルバム売上では一番なんですけど。中古で購入するならば、沢山出回ってますから安く購入できるでしょう。レンタルですますならば、迷わずに「ケースオブ〜」を選ぶべきでしょう。暴威時代の曲もありますしね。



Collective SOULS−THE BEST OF BEST−  (98/06/24発売)

このベストアルバムは、氷室さん本人が選曲したというだけあってそれなりに良いものに仕上がっております。収録曲はヒット曲あり、ライブでよく演奏される曲あり、ファンの中で人気がある曲もありと非常にバランスがとれております。音色もかなりしっかりしてます。普通ならベストでは入れないような氷室さん独特の曲(?)もありますので、個人的にはお勧めです。

ただ、このアルバムに収録されてるのは1998年頃の新曲が主であり、デビューシングルをはじめとする昔の曲はあまり収録されておりません。このCDが発売された時は、ソロデビューして十年経った時期であり、沢山曲を入れる事は不可能なので仕方ありません。初期時代の曲が聴きたい人には不向きといえます。このアルバムはソロ活動して中盤にあたるのです。まあそこまで聴いたことない人は気にしないと思いますけど・・・ちなみに有名な「KISS ME」は収録されてますですよ。



Ballad〜La Pluie  (01/09/27発売)

名前の通りバラード中心ベストアルバム。バラードが好きならばこの一品ですな。スローな曲しかありません(笑)。アップテンポの曲はありません。激しいのが欲しい方は間違えなくお勧めしませんね。とはいえ、氷室さんのバラードはとても素敵なので聴きごたえはあります。私も彼のバラードが好きなので、ファンになったようなものです。

氷室さんの声もさることながら、このアルバムに収録曲の編曲はかなり良いです。アコースティックギター、ピアノ、オーケストラ(のようなもの)がとても綺麗に仕上がってますので、そういうのが好みな方にとってはたまらんものであると思います。しみじみと聴かれては如何でしょうか。


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以上より、ここでベスト盤について簡単にまとめてみますと、

  • ポップ好きな人⇒「masterpiece#12」
  • 沢山曲聴きたい人⇒「Case of HIMURO」
  • バランス重視の人⇒「Collective SOULS」
  • バラード好きな人⇒「Ballad〜La Pluie」
といった感じになります。ベスト盤といっても微妙に違いがあるのがわかりますね。あとは貴方の好み次第です。傾向にあったアルバムを選んで聴いて下さいませ。私ならば、「Collective SOULS」をお勧めします。ベスト盤ならばこれが一番良いと思えるからです。なお「シングルズ」は「ケースオブ〜」がなかったら聴けばよいかと思います。


さ、如何でしたか。とりあえず氷室さんの曲を聴いてみようかと思う人は参考になったでしょうか。どのアルバムも悪くはありませんけど、微妙に傾向が違うので、その違いをわかりやすく説明したのですが。一応ベスト盤なのでハズレはないですから、中古やレンタルで一度これらを手にとってみてくださいな。それではベストアルバム編はここらで終わります。