愛すべき歌詞〜ビート系〜 氷室さんはヴォーカリストというイメージが強いと思われがちですが、バンド時代から作詞・作曲をこなしております。無論、その頃の作曲は布袋さんがメインでしたが、作詞はほぼ氷室さんがやっておりました。しかしソロ以降では、作曲はほぼ全て彼自身によるものではありますが、作詞では初期を除いて現在はあまりやらなくなりました。 では今は誰が作詞をしているかといいますと、松井五郎さんと森雪之丞さんといった作詞家がやられております(現在はほぼ森さんです)。いわば外注しているって感じですな。本人のはアルバムに一つでも作詞があればいいほうです。まとめると、バンド時代からソロ初期までは歌詞を書きそれ以降は書かなくなり、作曲・編曲に力を注ぐようになったのが現状です。 今では氷室さん本人が歌詞をつくらなくなって久しいですが、外注してるといっても、彼の思想・好みというのはある程度反映されております。本人が言いたい事を代弁してますので、それほど異なるものではないと思います。なので、外注作詞も今回考察の対象としてみることでいきます。 前置きが長くなりましたが、ここでは氷室さんの好みの歌詞を私なりに考察していきます。どんな傾向・癖があるのかを分析して紹介していきます。 ***
一言でいうと、氷室さんが歌う詞というのはクサくてキザったらしいのが大半です。例えば暴威時代の「JUSTY」(作詞:氷室京介)でみてみますと、 JUSTY 季節はずれのアイリス JUSTY 危険な恋のサンライズ エスプリックなまなざしに プリマドンナ夢中なのさ エキゾチックにイタズラなジョーゼット NINETEEN といった一見何がいいたいのがわからないものになっております。とりあえず英語とカタカナを入れて勢いでやっちゃってる感じが否めません。まあこの歌詞ができた時は約20年前だし氷室さんも若かったし仕方ないんじゃないかなと思わなくもないのですが、初めてこれだけを見た人は「意味わからん」と思うことでしょう。 ではソロになってはどうなったんだと言われれば、とりあえずヒット曲「KISS ME」(作詞:松井五郎)を例に挙げます。サビだけでもう一目瞭然だと思うのです。 KISS ME その唇 その胸 逃がさない KISS ME 孤独な夜 今すぐ 消してくれ もしも私が女性であり、真夜中この科白を使って男が言い寄ってきたならば間違いなくグーで殴るでしょう。いやまあ、女性ファンならばもっと何か酷い事すると思います。また普段の生活でこの科白を使う これだけでも、いかにキザでナルシスト的な要素が含んでいるかはお分かりだと思いますが、とどめに「WILD ROMANCE」(作詞:森雪之丞)を見てみれば、 粗雑な言葉も希望もキスも 不純物(まじりっけ)のないTrue Love 悲しみ脱がせてお前の愛を セミヌードにさせて といったものに仕上がっております。「悲しみ〜セミヌードにさせて」に至るところで、おそらく「何てクサくて恥ずかしい歌詞なんだ!」と思う人がいるでしょう。おめでとう、貴方は正常です。その感情は正しいと思います。一方で「セミヌードだなんて・・・(ドキドキ)」とトキメキを感じたのであれば、人として一歩踏み外そうとしてる段階です。初期氷室ファンに見られる症状ですが、これはまだ恋に恋してるようなものですので、まだいけます>何が? しかしここで「いや、セミヌードというよりむしろフルヌードだろ?」と思った通な貴方、人としてもう終わってます。おめでとう。これは氷室ファンの中で重症の部類に入るレベルです。中途半端なものより、「YOU、全部脱いじゃえよ」という裸族な勢いがとても素敵です。ちなみに、氷室さんはライブでフルヌードと歌っております。 このようにわずか三例ですが、いかに氷室さんはクサイ歌詞をやっているかがおわかりになられたと思います。勿論本当に良い歌詞もありますが、基本的に彼がシングルでだすものはこういうのが大半を占めております。キーワードとしては、「愛・・・唇・・・肌・・・胸・・・ドレス・・・ナイフ・・・女神・・・抱く・・・切ない・・・悲しみ・・・永遠・・・ダンス」といったものが多々使われております。 以上のようにファンの目から見ても、キザったらしくて、格好つけで、クサくて、ウソ英語ばかりで、恥ずかしい歌詞ばかりを氷室さんはやっております。 だがそれがいい。
ファンというのは盲目的なものがあるものでして、頭ではそう理解しても、氷室さんが実際それを歌えば全てOKなんですよ。傍から見て間違っていても氷室さんがOKならそれが正義になるんですよ。氷室ファンというのは救われない人種なのかもしれません・・・無論、私も例外ではありません。 ***
氷室さんはナルシスト的歌詞がお好みであるので、新曲はどんな歌詞になるかはある程度予測しやすいです。彼のシングル曲だけを見ていればテーマは大抵「LOVE」で、あの女(外国人名のネ♪)はハートもボディもグレイトだぜぇ惚れたぜぇと言わんばかりのもので仕上がってます。うん、本当わかりやすいですな(笑)。 ここまである程度の予測と氷室さんの好みが把握できるとなると・・・私でも氷室さんが歌うような歌詞が書けるんじゃないかな?いや、きっと書ける。自慢じゃないが、クサイ科白をいうのは得意なんですよ。せっかく氷室さんの歌詞について言及してるのだから、いっそ歌って欲しい詞を作ってみようか。よし、やってやる・・・目標は彼に歌ってもらう事だ!>無理 8ビートの曲調を想定するとして、どんなタイトルがいいでしょうか。シングル曲では「ANGEL」「KISS ME」「Claudia」といったタイトルそのままでサビに入れております。また女性の名前(ジュリエット、ジュリア)でもやっておりますな。ふむ、女性名ではありがちだから・・・英語でわかりやすくてキザなのを選ぶとすると・・・そうだ!「Burnin' Love」でいこう!バーニング・ラヴ・・・全てを燃やし尽くすような愛・・・これだっ!>何が? これでタイトルとサビの部分が決まりました。テーマは愛なので後は「オマエに惚れたぜ」という感じの内容で肉付けしていけばいいのであります。先ほど例に挙げたキーワードを適当にやりくりしていきましょう。ですが、これだけでは氷室さんの魂を揺さぶる事はできません。というのも、彼はときおり妙な歌詞を好むからです。どんなのがあるのかと言えば、 脳は鋼鉄(メタル)のアンモナイト(LOVE SHAKER) おまえの身体は秘密のコンセント(WILD ROMANCE) といったものがあります。歌詞全体を見渡してもイマイチ意味不明です。これは森雪之丞さんによるもので、初見だけでは「何いってやがる、Hahan」と鼻で笑っちゃいますが、何度か聴いているうちに口ずさんでしまいます。意味不明なものとわかっていても、何故が歌ってしまう―これを私は雪之丞マジックと名づけているのですが―彼はそれを狙っているのでしょうか。これはいわばセンスなので、下手に真似はできません。なのでそこらへんは私のセンスなるものをいれなければならないでしょう。やってやる! あとは氷室さんの好きなシリーズ物をいれればいいのでしょうか。ここでいうシリーズものというのは、たまにしかでてこない「冷めたシリーズ」です。説明よりも先にそれを紹介しましょう。
よし、材料はそろいました。方向性もわかりました。後は私のセンスによるもの(?)を付け加えれば氷室さん好みの歌詞ができあがるわけです。氷室さんの歌詞について考察する筈が、いつの間にか趣旨が違ってきたような気がしないでもありませんが、まあいいです。後は詞をのっけて終了とさせて頂きます。ここまで見てくれてどうもでした。
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