加藤拓郎 さん ことば悦覧 ０１ ０２ ０３
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加藤：広瀬通ってご存じですか
佐藤：はい、知ってます、東北大の学部生はこのような建築を考えてますと紹介しましょう
加藤：去年の夏に、自分の作品なんですけども
佐藤：この絵は模型を風景にはめ込んだ
佐藤：えーと、フランクゲーリーが固まって積み重なったような 何なんでしょうか、それとも藤本壮介が３階に積み重なったりしてるような
加藤：いろんなものが影響されていて佐藤：模型の部分だけ作って 仙台の風景に合成したんでしょう
加藤：そうですそうです
佐藤：合成の技術が巧いので、一見合成には見えないけど。これは何なの？用途は
加藤：これは学生寮です
佐藤：これは 計画学的には成り立っているですか？
加藤：成り立ってます。
佐藤：へーえ〜、どうしてこんなにギクシャク重なっているの？
加藤：なんですかね〜
佐藤：このようにやりたかった？
加藤：当時は
佐藤：学生賞に、加藤拓郎さんは アイスクリームタワー！はははは、全然似てない違うじゃないですか アナロジー
加藤：アイスクリームに見えませんか？
佐藤：見えませんよ
加藤：ふふふふふふふ
佐藤：青木さんの潟博物館のようなら、ソフテケートされたカタチならソフトクリームに見えるけども。この絵をアイスクリームと言われてもオヤジの俺は戸惑う、見えんな！
加藤：ふふふふふふふ。ここがコーンで アイスはここで
佐藤：説明されても全然みえてこないな〜。形態と言葉が一般の人間より、ずれているのが加藤さんの特徴だ としりました。アイスクリームとか言い放って、実は違う食いものの形態をなぞる、詩人的体質をお持ちで、東北は詩人が多いから昔から、よろしい！
加藤：ふふふふふふふふ
佐藤：可能性が秘められているかもしれないな〜、あそうなんだ食い物で一等賞ね
加藤：丁度１年と３ヶ月ぐらい前でした
佐藤：おめでとうございます。嬉しかったでしょう！
加藤：はい、当時は嬉しかったです。
佐藤：これは賞金出たんですか
加藤：賞金１万円もらいました
佐藤：やった〜！！かせいだね。みんなで飲み会に行った？
加藤：い〜きましたね〜。はい。
佐藤：これじゃ、加藤さんは大学内ではメジャーなんだ。とても頑張っているな〜みたいな
加藤：ふふふふふふふ、ま〜あたぶんそうだと
佐藤：そ〜、それはよかったね
加藤：去年の今頃、やったのがこれですね。
佐藤：またまたトンチクに載ったね
加藤：はい
佐藤：これはなんですか？加藤：これは五十嵐惇さん今スタディーされているですけど、そのスタジオで名工大、愛知工業大
佐藤：五十嵐惇さんが非常勤で来ているんですか
加藤：非常勤で来ていて、そのスタジオの時に、作品で名古屋工業大学と一緒のスタジオなんですけども
佐藤：東北大敗れるって書いてあるよトンチクには
加藤：北海道の札幌でプレゼン大会をしたんです。建築バトルとして。決勝で負けたんです。
佐藤：どれが負けたの
加藤：この案です
佐藤：勝った案は載ってないで、負けた案が載っているんだ
加藤：勝った案は載ってないんです
佐藤：加藤さん 目立っているね〜
加藤：準優勝ということで
佐藤：用途は住宅ですか
加藤：レストラン、オニギリ屋さんです
佐藤：窓や出入り口が跳ね橋のようになっているんだ
加藤：え、パカパカと
佐藤：下に並んでいるのは何ですか
加藤：人間です、椅子のバックに、それはポートフォリオもあるんですけど
佐藤：じゃー見せてください
加藤：ふふふふふふ
佐藤：すごいね〜、 模型は作ってなかったの
加藤：模型も作りました
佐藤：ああそうなの。
加藤：模型は家にあるんです
佐藤：意欲的でよろしい、自分のことを一生懸命説明するのは、今ではちょっと古いタイプなのかもしんないんだけど。よろしい。ああこれか
加藤：院試のときに使ったポートフォリオなんです
佐藤：最初がアイスクリームタワーね
加藤：はい
佐藤：デカイ図面で観るとますますアイスクリームから遠ざかるね加藤：ふふふふふふ
佐藤：そうか、模型をつくって現地の写真を撮ってきて合成して。これはどうなっているんだ、床これしかないのか
加藤：いやこっちにセクションがあるんですけど、
佐藤：床が斜めじゃないですか
加藤：そうですね、一部が斜めで
佐藤：手塚グループの屋根の家でましたね〜
加藤：ふふふふふふ
佐藤：色んな影響が合成されています、透けて見えるという
加藤：そうです
佐藤：天井の高さが激しく変化するのよさげ ありそうだよね〜、楽しそうだね。これは学生寮？
加藤：ここが男子寮、女子寮で ここが一般市民に開かれたレストランで、ここが展望浴場です。
佐藤：市民、次に女性上位とね！ すごいね、コンプレックスだ、ゴッタ荷（煮）の状態だ、これは評価されるはな、危険だ。カタチが過激じゃないかい？
加藤：過激です。
佐藤：なんでこんなにカタチが過激なの？ 2週間前の石上さんのベクトルとは逆方向に見える、カタチが激しいね
加藤：元々スケッチから起こしたんですけど。カタチの理由を問われると答えられない
佐藤：勢いが爆発するしかなかったと
加藤：勢いです
佐藤：これがプランなんだ
加藤：はい
佐藤：よくこのように考えられるね。最初にプランからじゃなくって、ボリューム形態から作って、プランはごり押し込みなんでしょう
加藤；はい、断面からつくりました。
佐藤：この形状の中でこのようなプランが成り立つという、プランを後付していくと。
加藤：はいそうです。
佐藤：最初にカタチありきだね。ぱっと図面みてもプランが判らないんだ、オヤジだから。これは機能がどうなっているんだかってね。かたちで分かるな。エレベーターまであるんじゃん
加藤：はい、最上階までつながっています
佐藤：すごいね〜、もうすこし洗練されるといけるかもしれないな、まだ原石だ、洗練度がいまいち・二・三・四だな。
加藤：卒業設計なんとかやりました。
佐藤：形態は雑誌から影響を受けているんだね〜
加藤：そうです
佐藤：雑誌のどこかで観たことあるようなね かたちになってしまうね
加藤：はい
佐藤：そういう既視感を全部やり尽くさないとね 学生時代はね、しょうがないけどね
加藤：それを踏まえていま色んなものを観て、それから自分らしさを見付けようと
佐藤：ものまねはやり尽くしてからね、自分のかたちをね発見しよう、発明しようとしているんだね。なるほど。こうやって拡大すると模型が雑ですね。模型は自分で作っているんですか
加藤：１／２０でこんくらい大きいです。実際みると凄い綺麗ですよ
佐藤：そうかな〜写真で撮って見てると 汚ね〜じゃないかい
加藤：写真は粗い、さっきのはアイスクリームでこっちはバナナって
佐藤：食いものに拘っているねネーミングを
加藤：ふふふふふふ
佐藤：食いものにそんなにこだわちゃって
加藤：次もそれでいこうかな〜と
佐藤：アイスクリーム、バナナと来て次は何ですか
加藤：今の処はあまり・・
佐藤：自分のＨＰなんかはあるんですか？
加藤：ＨＰはないですけどもブログは一応あります ブログへ
佐藤：あそう、ブログに書いているんだ、そろそろ終わろうね。へーでも好いね。先輩たちもこのように作っているんだろうにね、加藤さんしか持って来なかったな〜素晴らしい。加藤さんらしいんじゃないですか爆発系で、プランを観ると地味な印象だが。カタチとプランが乖離しているけど、俺が評価しててもしょうがねいね
加藤：その通りです
佐藤：やっぱり思いますか
加藤：まだまだ甘さが
佐藤：エネルギーをまとめられなくて矛盾が吹き出してしまうから、カタチはともかく、プランは従来ふうで、どこかに在るように見えるので、じゃー５年後の自分に対して何か
加藤：５年後！
佐藤：何年生まれでしたっけ
加藤：１９８６年です
佐藤：今２２才だ。５年後の自分に向かって一言、なにかメッセージを
加藤：５年後はたぶん事務所に勤めていると思いますね
佐藤：アトリエ系ですか
加藤；はい
佐藤：目指せアトリエ系！だな
加藤：はい
佐藤：アトリエ系目指したら食っていけないじゃないかい、どうするの君は？お父さんお母さんが泣いちゃうんじゃないの〜、東北大学にまで入学させて〜、学生の時は一杯トンチク紙面に載ったのに〜って、でもやりたいと
加藤：やりたい。はい
佐藤：すごいですね〜、主に東京じゃなくって
加藤：おそらく就職先は東京だと思います
佐藤：今から具体的にアタックしているんですか、オープンデスクで様子見をしてて、めぼしいところを見付けていると
加藤：はいそうです
佐藤：あと２年後か就職は、まだ４年生だもんね
加藤：４年です
佐藤：修士に入学して、こいつを採用しようと思わせるような 魅力的な男に成長して・・、まだ２年間で変わるかもしんないね、じゃ５年後またお会いしましょう〜５年後は事務所勤めしている？ そんな加藤さんでしょうか？
加藤：めげないように
佐藤：その時にまたお会いし色々お話しできれば嬉しいです
加藤：はい
佐藤：と思いますのでよろしくお願いしますね。ｈｐもあるし連絡先も書いてあるので、またお会いしましょう、どうもありがとうございました。今日はこれまら又宴会もあると思いますからこれで終わりましょう
加藤拓郎さんことば閲覧はこれで終わりです
読んでいただきありがとうございました 次は ２０１３年に続く
文責：佐藤敏宏