田中浩也さんを囲み建築あそびその2

         2001年 8月 4日 BOX1 にて
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 リアルな建築をやった結果・・・・・というほどやっていないんですが(笑)、僕は疲れてしまって、これは僕はこういうことをほんとにやりたいんじゃないよなー・・と思ってた時に・・。じゃ・・人間はどう空間を認識するのかと・・そっちのテーマのほうが実は面白いンじゃないかと思って。そっちの方にダンダン移行していったんですよ。
 何を言いたいかと言うと、人間の空間の知覚の方法というのはドンドンと変わって来ていて、昔は遠近法というのが発表される前は、そうは世界を人間は認識してなかったというのは、結構証明されてる話なんですよ。例えばル・コルビュジェの建築にはすごく映画的なシークエンスとか沢山含まれたりとか、今はスーパーフラットみたいな話があるんですけども・・。

            

 同じ空間でも見方さえ変えればそこには無限の空間が存在しているの・・結構考えてることで・・僕はだからCGを基本的にやってる人なんだけど・・。CGの空間の方に人間を誘いたいわけじゃなくて、その空間で何かしらの認識を発見することによって、逆にリアルな空間を再認識させるような・・。そのための・・なんていうか・・。そういうような位置づけで使えないかと言うのが基本的な位置づけなんですよ。空間を再発見するようなツールを作りたい

 つまり通常設計図と言うのが設計者が書くんですけど、だいたい設計者がどうその空間を認識して、どう作ったかというのがすごくわかると。でもそれは設計者の見方であって、利用者にはまた利用者の空間の認識方法が有ってたぶん設計図通りではないと思うんですよ・・建築というものは1個しか存在しないものでは無くて、人間がそこに介入することによってそこに立ち上がる、というのは、まぁー建築と言うのは人間の数だけ存在する。と人間分だけというか・・利用者数だけというか・・同じその空間でも利用者によってその人なりの見方というのが有るんで・・それをどうにかして・・認識させて・・表現させて・・それを流通させると。いうようなことが出来たら、今までにはない空間の見方。というよなものが広まって来て、そこが良い循環に成っていろいろと回って行くじゃないかということを考え出しているんですね。
 この話はさっきのインターネットの話と連携していて、今みんなすぐ写真撮るようになりましたよねー。

    佐藤笑う

t:それも利用者がドンドンいろんな空間の写真を撮るのは良いことで・・。そうやって写真を撮っているということは、その中で利用者がいいなと思ってるポイントをドンドンドンドン写真に納めているわけですから、そう言うモノをもっとお互いに、なにか・・今日こんな空間に行ってきたと・・。
 いうような情報交換みたいなことが始まれば、もっともっとなんか1個の建築を色んな方向から見ておもしろさみたいなものを再発見出来るだろうということですね・・。

      

 『利用者からみた空間の記述というのが今の僕の一番のテーマ』になっていて、2種類の喩えが有って、1個は今で言えば【写真とか映画のようなモノをもう一回チョット、今までとは違う表現で出来ないか】というような拡張ですね。もう1個は【2次元の地図の拡張のよううなものができないか】と・・その2つの方向性が有って、その2つをチョット今年は重点的にやっています。

 1番目の話はですね。多次元フォトコラージュという名前を付けたヤツで、実際にお見せします。これは建築文化という雑誌のCDROMに・・ズーとこれから毎回連載することに成りました。でこれはCDROM。今年の1月号か・・建築文化に付いたンですけど、・・・あまり面白くなかったんですよ・・。

                 

S:付録なんか本気で売る気あるんかハッキリしてくれやつう感じと印刷物と、かわんないよなー・・

t:いわゆる普通の建築紹介のページをそのままCDROMに収録した。というよなモノばっかりだったので・・。そうじゃないモノを僕は作りたいんだと言うことを文化の人に持ちかけまして・・で。簡単にコンセプトを言うと今までの写真というのは単にこんな風景だなーと見るだけだったモノを、【もっとインタラクティブ写真を体験するようなモノっていうのを作りたかった】。ということを考えて・・
あそうか・・
y:このフレームも田中さん作ったの。

t:はいそうです・・このCDROMのヤツは毎月僕がやってるんですけどね・・。

t:どういう原理かというと一杯風景の写真を撮ってきましたねー・・その写真のこの部分と、こっちの写真のこの部分が同じだと・・いうのをユーザーが規格で入力してあげるとそのまま2種類の写真がくっついて移動できるようになるです。これで一杯写真をもっと一杯の写真をもっと付けていったら、そこにも一個の空間が作れる・・という話なんですよ。

s:全く新しい空間なんだ・・ない・・・

t:それでインターナショナル特許を申請していて、もうすぐ特許をとれるんですけど、これでズーとこれから有名建築・・それは解りませんけど、1個ずつ紹介していこうと・・をやってます。
 こんな具合に、建築のドンドン内側に入って行って・・。さっきの作り方で作るんですけども、もういくつかこれには意味があって、1個の意味はですね・・2ヶ月に一回。建築をみんなで空間の写真を撮るというイベントをやってるんです
       s:笑う
t:このときは参加者は6人で、それぞれ20枚ずつぐらい撮ったのかな・・。だからコンテンッ全部で135枚入ってるんですね。この写真には、写真を撮った人の名前と写真を撮った日時が入っていて・・。そう言う実験をして見るとみんなチョットずつ写真を撮っているところが違うんですよね。
 なるほどこういう空間の見方をしてるのかと・いうことが解ってきて。それらを一気につなげたモノっというのがこれだと・・。だからこれって言うのは一般の利用者がどう空間を見ていて・・。
 これはイベントの時には良いなという風に思った。・・風景の写真を一杯、沢山撮影してくださいと言ったんですね。だからみんなこういう風景に注目してるんだなーとこれを見ると、だいたい解ると。いうものであります。

                

 色んな意味がありますけど、今までの建築雑誌って一般の人間が撮った写真て収録されたためしがないですよね。僕はもっと利用者側が、どう空間を認知してるかというのをもっと流通させるべきだと。すごく思っていたので・・。一般の写真というのをもっと収録させたいと・・なんけど・一般の人なのでそんなにはいい写真がないので・・

   佐藤笑う・・

t:そこでチョットこういう仕掛けを・・作ってみましたという意味もあります。
s:なるほど

t:これが前回の第一回の青木淳さんの建築で、今回はチョットべたなんですけど・・養老天命反転地に行って来ました。これも撮影会をやって先月の建築文化で参加者を募集したところですね・・写真撮影に来てくれたのが10人ぐらいで・・もう一つはe−mailで写真を何点か送ってくれました。それも入れてるんですけど。そうやってドンドンみんなの持ってる写真をつないで、行ったらですね・・1年後2年後にはニューヨークまで、ここから行けたりで・・

               

s:なほどいいねー
t:カシカシシャやってたら、ニューヨークまで写真がつながって行っちゃったとか・・そういうのはすごく面白いンじゃないかと思ってるンですよ。
 これ写真はインターネットでも自由に投稿して、この写真に・・こうつなぐという入力できるようにしていて・・そのまま放って置くと、いつの間にか写真がつながっていってですね、なかなか面白い感じに、そのダンダンと成長していくというプロセスが有って・・。たまになんか全然無関係な写真をいたずらで投稿する、酷いヤツがいるんですよね。

          s:笑う
t:女の裸が突然ここにバーンと裸が出てきたりするんですよ・・それもそれで良いかなと取りあえず良いかなと・取りあえず思ったりします。
s:なるほどね・・これいいよね自分で作った建物を自分で撮って全部つなぎ合わせることも出来るわけでしょう・・
t:そうですね・・みんなで1個のを作ってもいいし、その人が1個の作品を作っても良いと・・。こんな感じですね。

s:これは逆に写真から平面とか起こすとか出来るの・

t:ハイハイ・。

s:写真を重ね合わせるというのは解ったけど・・アレを空間を読みとって、平面を作るとか出来るの・
t:それを今やってるんですよ。さっきのは2次元上で、その・写真をドンドン重ねて行ったものなんだけど、それをもう一回そこから立体に起こせないかという話ですよね・・で、それを実はやっているんですけど。しっかりした成果としてお見せ出来ないんですけど・・ そうやって実際再現してみても、すごく歪んでるんですよ。

 その歪んでるというのは、たぶん人間が空間を認識するときには、たぶんもう歪むんだろうと・・僕は思ってるんですよ


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