二回目の古殿地清掃奉仕’神宮研修会’(第十一回) 2006.9/30〜10/1 | ||
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幻想的な雨の中の古殿地清掃作業 平成18年10月1日 | ||
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雨の宇治橋 昨年初めて伊勢神宮の崇敬会会員研修会に参加して日本の美しさの原点にふれてとても感動したので(昨年の第十回研修会の様子はここを見てね!)今年も神戸・大阪・奈良の「古事記に親しむ会「の方々をお誘いしてご奉仕してきました。総勢32名(定員100名)もの参加となりました。 昨年は青空の下で汗をかきながらの作業だったのですが、今年は写真のように降りしきる雨の中での古殿地清掃となりました。その雨の中というのがまた、とても神秘的で幽玄の世界にいるようで、神々がすぐ傍に佇んでいるような錯覚さえ覚えます。 毎年ご奉仕されている方の話では過去10回の内7回は雨だったそうです。どこへ行っても雨に遭うということがなかったので、雨具の用意はしていなかったのですが、さすがちゃ―んと用意されていました。かっぱに傘と手際よく支給されて一路宇治橋を渡って古殿地清掃へと向かいます。 ところで古殿地とは今年までの呼び名で、来年からは新しい社殿建設に向かってこの場所は「御敷地」と呼ばれ、式年遷宮に向けての聖域となるそうです。 そうなれば誰も入ることはできません。いよいよここに新しい真の御柱が立つと思うと胸がいっぱいになって「覆屋」の辺りの草を特に入念に引いてお掃除させていただきました。 |
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御塩浜 今回の研修会も、正式参拝、神楽奉納、御酒殿での新酒醸造の報告のお祭り見学、皇學館大學での神の神饌についての講義、夜間の特別参拝そして御塩殿の見学と盛りだくさんでした。 特に今回は伊勢神宮の神饌の中でも最も重要な「御塩」の作られる御塩浜と御塩殿神社の見学ができるというので楽しみにしていたのですが、あいにく雨のため御塩浜は観光バスからの車中見学となりました。 しかし、御塩殿では神様にお供えする塩を焼き続けて60年以上という塩焼きの翁、吉居さんのお話を拝聴することができました。 上の写真はバスの中から取った雨中の御塩浜とパンフから転載した古式にのっとった入浜式の塩作りの塩田風景です。 |
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ラムセスU世? 写真の人が伊勢の塩ツチの翁・吉居さん90歳ですが、背筋がピンとして長年の御塩焼き所の中に篭って焼き固められた? おかげでしょうか真っ黒に日焼けしてとてもお年には見えません。 案内してくださった神宮の某禰宜さんのお話では「吉居さんは僕が神宮にご奉仕(勤務)させていただいた頃から全く変わっていないので、もしかしたら燻製? 状態のまま永久保存されて、不死身になったのでは? なんてうわさしています」とのことです。 ちなみに吉居さんのあだ名はエジプトの偉大な王のミイラに似ているので「ラムセス二世」。そういえばエジプトのカイロ博物館でこんな感じの王様のミイラにお目にかかったような気がしました。もしかして山幸彦に竜宮への道を教えた「塩ツチ翁」もこんな感じのやさしい小さなおじいさんだったかも? しかし伊勢の神様の御塩作りもごたぶんに漏れず後継者不足に悩んでいるそうです。この吉居さんにもしものことがあったら後を継ぐ人がいないとのこと。というのも塩作りは炎天下の真夏に海水を組み上げる作業から始まってとても過酷な仕事なので誰も長続きしないで止めてゆくそうです。 そんな仕事を60年以上続けている吉居さんには感動しました。聞くところによると吉居さんには「塩の声」が聞こえるそうで、焼き固めの足りない時は「もっと焼いてほしい!」と塩が頼んでくるそうですよ。 吉居さんに直接お目にかかって、お話を聞けばきっとその話は本当だと判ることでしょう。神様の御塩つくり一筋の方ならではですね。 あまりに感激したので、最後に吉居さんに握手していただいたのですが、握力がとても強くて、ぎゅっと握ってくださった手が塩の固まりになりそうでした。(笑い) |
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御塩焼所・御塩汲入所・御塩殿 古事記にはいざなぎといざなみが国つくりをする時に泥海をかき回した矛の先から塩の雫がしたたり落ちておのころ嶋ができたと書かれています。まさにこれは御塩つくりの行程と同じです。 この浜の御塩焼所と御塩汲み入れ所の二つの建物は直接大地に屋根が乗っている(天地根元造り)という特殊な建築です。伊勢の二見ヶ浦の近く、二見町大字荘にあります。 また海水を汲み入れる御塩浜は海水と真水がほどよく入り混じった汽水域となっています。因幡の白うさぎがケガを治療した場所やいざなぎが黄泉の国から帰って穢れを払うために禊をした場所も汽水域なのです。この汽水域こそが生命誕生の温床であり、まろやかな塩が採取できるわけですね。 古事記の知恵がいまもこうして神々に受け継がれているのを実感できました。私達が伊勢で正式参拝する時にお祓いをしてくださる時にも吉居さんの作ったこの御塩が使われるそうですよ。 |
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御塩 伊勢の神様へのお供え物は原則としてすべて自給自足ですが、特に御塩に関するこだわりはすさまじいなと感じました。なにしろ今だに神話の国づくりの再現をしているのですからね。 ちょうど見学した日の4日後、10月5日から今年の塩作りが始まるというので雨にもめげず吉居さんはワクワクしながら塩作りの行程をお話してくださいました。余りの熱心さにバスに帰る時間が遅れて禰宜さんが申し訳なさそうに話の腰を折ってしまわれたぐらいです。 伊勢の御塩は神様にお供えするために特別に三角形に焼き固められるのが特徴だそうです。この焼き固めは二名交代で昼夜を分かたず焼きつづけるという非常に厳しい作業だそうです。吉居さん今年も塩の燻製になりながら頑張ってくださいね。 それと国づくりが中断しては困るので、誰か後継者の名乗りを上げてくださぁ〜い。お願いします! 写真は皇學館大學の講義の席で特別に回覧してくださった御塩の焼き固め用の型枠とお祓い所での清めの御塩。 |
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御塩みち こうして古代から二見で作り続けられて来た神様の御塩を両宮に運ぶための道が踏み固められて自然にできたのが御塩みち(約八キロ)とのことです。 古代は徒歩で、その後は荷車や馬車で千年以上もこの道は真っ直ぐに神宮に続いるのです。 近年、車社会になって使われなくなったようですが、伊勢の人々がどんなに神様に心を込めてご奉仕していたかが読み取れる古代の道として今も人々のロマンを誘っています。 |
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