伊勢国際宗教フォーラム 2007年11月17日〜18日


 
平成19年11月17日18日、神道界からの呼びかけで、宗教宗派を超えて世界平和の指針となる価値観の創造をめざそう! という集まり「伊勢国際宗教フォーラム」の設立総会がダライラマ法王をお迎えして開催されました。

設立趣意書を要約すると「古来より、日本は仏教、儒教、道教などの外来思想を受容しつつ、豊かで繊細な自然環境の上に、世界でも比類のない独自な精神文化を築いてきました。

とりわけて(天照大御神の鎮まる)伊勢神宮は太古より今日に至るまで、(日本の)人々の精神的な拠りどころとなり、二十年に一度の遷宮はわが国の再生を祈る行事として連綿と引き継がれてきています。

この地に有志一同が集まって、わが国の基層精神(根っことなる考えや思想、文化)を再認識し、世界に広がる平和の指針となる価値観の創造を目指そう!」というような内容です。

私たちは、いざなぎ神宮(淡路島)の宮司様のお誘いを受けて参加させていただくことになりました。

ダライラマ法王の講演を聴くのは今回で三度目です。法王が初来日された1995年に、S高校の校長先生のご好意で特別に取材の許可を頂いて環境雑誌グローバルマインドに記事を書いたことがあるのです。記事はここ

その時、法王は講演の中で「日本は仏教国だ」と言われたので、(法王は神道のことをご存知ないのでは?・・・)と、ずっと気にかかっていました。

ですから、今回、伊勢神宮のお膝元で法王のお話を伺えるというのはとても楽しみだったのです。


ガイアシンフォニーの龍村監督の姿も!、

実は、法王が伊勢に正式参拝されるのは、今回で二回目です。

2003年の初めての伊勢神宮参拝の時のご様子はガイアシンフォニーの中でも紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
その時、法王をご案内されたのが、いざなぎ神宮の宮司様だったそうです。
そのご縁で、今回のフォーラムへのご参加も実現したとのことででした。

私は法王が伊勢に参拝されて「教祖も教義もない日本の神道」に対してどのような印象を持たれたのか、とても興味があったのですが、その時、法王は「ここに世界の宗教の根源を見た思いがする・・・」と話されたと聞きました。

しかし、今回、フォーラムに先立って17日に皇學館大學の会場にお見えになった法王に学生さんが「前回、法王が伊勢神宮に参拝して、世界の宗教の根源を見たと話されたそうですが、伊勢のどこを見てそう感じられたのですか?」という質問に

「私は、そう言ったということは、余り覚えていません」と答えられたので、少しがっかりしました。

まあ、世界中のメデアから、秒単位で追っかけられて、その度に何がしかの答えをされている方なので、いちいちご自分の言ったことを覚えていないのは無理のないことかも? (゜o゜)


このフォーラムでも会場に入るには金属探知機を通らなければなりませんし、バックの中も開けてチェックされました。法王の講演中には舞台の四隅にすごい目つきのSPが微動だにせず立っていました。

今や法王はあらゆる意味で超重要人物なのですから、警護のみなさんは、ごくろうさまなことですね。

 

閉会式にイルカさんが登場して全員で「ふるさと」を合唱


フォーラムに先立って、国際日本文化センターの千田稔氏が「日本文化は根底で「神道」に深くつながっているのは明確である。

茶道、華道、折り紙の紹介のみが日本文化の紹介と言えるのだろうか?
それらを貫く真の柱を忘れているのではないか?

多神教的な日本はあらゆる文化を吸収することが可能である。
しかし戦後、これほどまでにアメリカ文化を受け入れてしまったことへの反省を、宗教者たちはしなければいけない時ではないだろうか?
というような基調講演がありました。思わず心の中で拍手喝采をしてしまいました。


18日は仏教界、修験道、神道界の方々からの盛りだくさんな講演があったのですが、皇學館大學の神道の先生方のお話はめちゃめちゃ難しく、仏教界のお坊さま(東大寺の平岡昇修氏)のお話はさすがに判り易くて助かりました。

それから、修験道(大峰山寺)の巽良任氏は山伏の正装で舞台に上がられました。大自然と一体になるために山野を駆け回って修行する山伏の修行者としてのオーラはすごい迫力だと感動しました。

また、午後からのダライラマ法王の講演「宗教と調和」のあと、各界から10分ずつ法王に質問するフォーラムUの席では、巽氏は「若い方に生きてゆく勇気を与える言葉をください」と簡潔、的確な質問をされて、会場から思わず拍手が起こりました。

ちなみに巽氏の質問に対して法王は「自分の将来は自分自身が考えることが重要。誰も自分に代わって行動してくれません。これから、先は金銭的、物質的なものにだけ望みをかけるのではなく、心の平和、内なる価値観を、一人ひとりが見つけてください」と答えられました。

それからもうひとつ、法王は講演の冒頭で「私はいま、シントーイズムにとても興味がある」と開口一番話されたのが、私は何よりうれしかったです。

そして「神道についてとても知識が少ない、神道は神をどのように定義しているのですか? と逆に質問されたのですが、壇上のお偉い神道学者さんのお答えがとても難解だったので、英語→チベット語にちゃんと翻訳して法王に伝わるのか心配です。


柏手これがホントの拍手(^o^)丿


ところで、話は変わりますが、伊勢の皇學館大學は戦後GHQによって廃絶させられた唯一の大学だそうです。

その後神道界の涙ぐましい努力で私立大学として再開。いま、130周年(再興50周年)に向けて学内整備工事の真っ最中でした。その構内で柏の木を見つけました。

あの柏餅の柏の葉です。大嘗祭、新嘗祭では天皇が柏の葉っぱに新穀を盛って神々と共食されるとのこと。見れば見るほど人の手の形にそっくりだったので、思わず記念写真を撮りました! 

神社に参拝する時に手を打つことを拍手と言うのですが、写真をご覧のように、柏の葉と手が並んで、これがホントの柏手(かしわで)???。(^o^)丿


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