「神さまのひとしずく・一滴」おのころ嶋の上立岩
 

ハートの模様の上立岩(かみたていわ)

平成23年(2011年)10月23日(祝・秋分の日)。

「古事記に親しむ会」のみなさんとの始めての日帰りバス旅行。
大成功のご報告(*^_^*)。

10月後半を過ぎて、大型台風15号が沖縄付近で一回転。迷走しながらのろのろと日本列島を駆け抜けていたので、第一回のバスツアーを控えて毎日天気図を見ながら、ハラハラしていたのですが・・・。おかげさまで、当日は写真のような快晴!
まさに台風一過! 日本晴れのニコニコバスツアーとなりました。

これまで、電車とバスを乗り継いで、あちこちの古事記ゆかりの神社などに「課外授業・
大人の遠足」に行っていましたが、みなさんとの神さま巡りの神遊びが余りに楽しいので、思い切ってバス一台を借り切って、国生みの一番目の島である、淡路島&沼島に行くことになりました。

この日はいつも東京からはるばる二泊三日で参加してくださるYさん。一番電車で三重から参加のOさん。そして地元淡路島から参加のKさんも入れて総勢28名。小型バスは満員御礼・定員一杯!。天王寺公園ポリボックス前を定刻の9時に出発しました。

お世話になった旅行社の社長さんが「一日間違えば明石大橋は台風で通行止め。淡路島も台風通過で何箇所か水没だったんですよ! さすが古事記を学んでいる方々の集まりなので、心がけの良い方ばかり(*^_^*)なのですね」と、ニコニコ顔で私たちを見送ってくださいました。バスは一路神戸方面に向かって快適に発進。



 
世界一の吊り橋・明石大橋
すばらしい青空! まさに日本晴れ! のスタートとなったのですが・・・
台風明けの爽やかな秋晴れ、しかも3連休初日とあって、神戸までの高速道路は大渋滞! これは計算外のことでした。

新米添乗員の私たち二人は、なんとか車内の空気を盛り上げなければ・・・とか、いざなぎ神宮での正式参拝と宮司さまのご講話をお願いした時間内に神社に到着できるだろうかとか・・・、車内でハラハラドキドキの連続。眼下に広がる明石海峡の絶景をゆっくり楽しむゆとりはありませんでした。

それでも車内では「神さまカードゲーム」をしたり、語り部の勉強中のYさんの「国生み」の朗読にゆったり耳を傾けたりと楽しい車中となりました。明石海峡大橋を超えて、淡路島の高速道路に入ってからはバスはスイスイ。まずはイザナギ神宮を目指して快適に進みました。



 
 いざなぎ神宮正式参拝
神戸高速での渋滞のおかげで、一時間遅れて、いざなぎ神宮に到着。駐車場までわざわざ出迎えてくださっていた本名宮司様に挨拶もそこそこに全員拝殿に昇殿し、正式参拝となりました。(それでも、駐車場からの横入りは止めて、正面の大鳥居(神戸の震災で倒壊。新しく建て直された)をくぐって参道からちゃんとお参りしました。もちろん、手水も全員済ませました。)

拝殿に座り、正式参拝、神楽奉納(玉串拝礼)を済ませた後、やや緊張していた私たちに、本名宮司さまはニコニコしながら・・・
第一声
「今日は沼島に行くついでに・・・私どものいざなぎ神宮に寄ってくださるということで・・・みどりさんからご連絡を受けました。どうもありがとうございます(*^_^*)!!!」

この一言で、皆の緊張が一気にほぐれて、みんな大爆笑(*^_^*)
さぁ〜すが、神社界でも知らない人はいないという人気者の本名宮司!
人の心をつかむ話術はお上手ですね。(*^_^*)

いつも日本中を飛び歩いていらっしゃる超多忙な方ですが、この日は境内で夜に三大神楽祭(淡路島・出雲・高千穂)があり、神社におられたので、短い時間でしたが、ご講話を伺えたのはとてもラッキィーでした。

ところで、いざなぎ神宮のご本殿の床には写真の様に「天の御柱」を見立てた柱が建てられています。

この柱は伊勢神宮のご浄材(古材)だそうで、イザナギ神宮で結婚式を挙げた新郎新婦は、神話にちなんで左右に分かれてこの柱をめぐり、お互いに褒めあう「あなにやし、えをとめを! あなにやしえをとこを!」儀式をするそうです。

国生みの島ならではの宮司さまのアイデアはすごいですね!


土生港からの沼島行きの船の時間が迫っていたので、境内を散策するゆとりがなくなって本当に残念でしたが、これだけは見ておいてくださいとういことで「ひのわかみやと陽の道しるべ」の石碑の前で宮司さまじきじきに、淡路島・イザナギ神宮を中心に太陽の道(北緯34度32分・春分・秋分の太陽の通過点)等が通っていることを説明して下さいました。

ほんとに慌しくて申し訳ありませんでした。社務所で「古事記のものがたり」の本を領布してくださって。いつもありがとうございます。また、10月29日(土)にはふるさとセンターで三回目の古事記の講演をさせて頂けることになっています。いつもご縁に感謝していまぁ〜す。

「古事記に親しむ会」のみなさんももう一度、と言わず二度、三度、イザナギ神宮に参拝して境内をゆっくり散策してくださいね。

いざ!、いざ!、おのころ島、最有力地、ぬしま *^_^*)
  

 
ところで、一般の方々には沼島といえば、名物の鱧料理!!
だそうです。しかもちょうど鱧のベストシーズンなので、今回のニコニコバス旅行でもお昼に鱧料理をお願いしようと思ってお値段を聞きいてビックリ!
なんと一人、約1万円(*^_^*)。
貴船の床料理
の時と同じく、グルメツアーではないので・・・ということで、沼島の鱧はきっぱり諦めることにしましたぁ〜。

それはそうと、くだんの社長さんに「古事記に親しむ会」で沼島に行きたいので、バスをお願いしますと相談したら・・・。あの島に、なんか古事記の神さん、居てはるんですかぁ〜〜? と不思議な顔。

ニコニコバスツアーの第一回目は絶対に国生みの第一番目、淡路島(沼島&いざなぎ神宮!)と、晴明さんが意気込んでいたのに・・・少々がっくりでした。

『古事記』国生みのお話では、イザナギとイザナミの二柱の神が『天の沼矛』を持って『天の浮橋』の上に立ち、泥海をかき回して国を生み始めます。
その矛の先からしたたり落ちたしずくが固まって最初に出来た島が「おのころ島・おのずから固まって出来た島」と言われています。
その島の最有力地がここ、沼島(ぬしま)だと説明したのですが・・・社長さん判ってくださったでしょうか?

沼島周辺には奇岩が多く、この高さ30mの上立岩を一度この目で見たいと思っていましたが、本当に天からしずくが滴り落ちて固まったような・神さまの一滴という迫力の大きな岩でした。

『ひとくちメモ』
沼島〜鳴門渦潮付近を基点にして同心円を描けば・・・古事記、国生みの順番が、なぜ、あのように配列(一番目、淡路島。二番目、四国。三番目、隠岐島。四番目、九州。五番目、壱岐島。六番目、対島。七番目、佐渡島。最後に本州が生まれる)されたのか納得できるのですよ。
詳しく知りたい方はぜひ、「古事記に親しむ会」にご参加ください。
ご一緒に楽しく「神遊び・えらぎあそび」ましょう(*^_^*)


《追伸》
土生港からは約10分ほどで沼島に到着。昔は2500人ほどだった人口も今は約600人に減少しているとのことです。上立岩までは港から歩いて25分くらい。
小さな漁港に並んでいる釣り船や蛸壺などの穏やかな風景をみるにつけ、3月11日の東北の被災地の津波前の情景もきっとこんな風にのどかで平和だったのは・・・と、感慨にふけってしまいました。一日も早い復興をお祈りしています。



写真トップはちょうど真上に真っ白な雲がかかって、天からしずくが落ちてきたような・・・沼島の上立岩の写真です。
真ん中のくぼみがハート型に窪んで見えるので、イザナギとイザナミの新婚時代のラブラブハートが焼きついたようにも見えました。

古事記に親しむ会の若い女性会員さんが、
「この上立岩をバックに写真を撮ってハートの形がくっきり写真に映ったら、恋人が出来る!!」
というパワースポットで売り出したら良いかも(*^_^*)なんて提案していましたが・・・、
沼島の観光課の皆さん、いかがですか?


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