神宮のお白石の源流を訪ねて・・・
 

青空に霧氷輝く大台ケ原山頂

二ヶ月前、第62回目の遷宮に向けて、宮川の河川敷で「お白石拾い」をご奉仕させて頂き、白い石のあまりの少なさに驚いたので、白い石の源流、大台ケ原を訪ねてみたいなと思っていました。
伊勢神宮「お白石持ち」


両神宮に敷き詰められている白い石は、正式には石英系白石という名前だそうです。この白い石は紀伊山系の大台ケ原に源を発する川にしか見られないガラス質を含んでキラキラ輝く貴重な石で、台風の後などには下流の宮川に流出してくるとのこと。ちなみに黒い石の名前は「滝蔵」、那智の滝の石「那智黒」のことでしょうか?



「古事記に親しむ会」の仲間たちが「二万歩の会」という会を作って毎月野山を歩き回っています。

2011年の紀伊半島の豪雨で途中の丹生川上神社上社手前の山が大きく崩れ、道路や橋が崩壊。長らく通行止めになっていたのですが、この7月から開通し、11月3日に大台ケ原に行くというのを聞きつけて、私たちも飛び入り参加してきました。


環境保護の為、正木が原に敷き詰められた木道


大和上市からバスに乗って二時間弱。
紅葉シーズン最終とあって山頂付近はマイカーの行列、しかも駐車場が満杯。溢れた車が道路の両側に延々と駐車の列を作っている為、バスがなかなか前に進めません。

かつては日本オオカミの最後の生育が確認された地で、修験者も入らない「魔境の山、迷いの山」と恐れられた大台ケ原ですが、開拓者の松浦武四郎氏がこの大混雑をみたらビックリすることでしょうね。

やっと着いた山頂はすばらしい青空!

ただし、予想通りの冷え込み(気温は5度)と風の強さで震え上がり、万一にと思って用意した雨合羽を上から羽織って寒さをしのぐほどでした。 

バスを降りて最高峰の日出ヶ岳(1695m)付近をみると一面桜が咲いたような霧氷群。

リーダーの太古さんが「山頂の紅葉は終わってるみたいやで・・・」と言っていたので、バス車中からの中腹の紅葉と大峰連山の眺めを楽しんでいたのですが、まさか、ここで霧氷が出迎えてくれるなんて、想像もしていませんでした。

そう言えば、二日前から急激に冷え込み、我が家でも朝晩は石油ストーブを入れています。天気予報でも12月中、下旬の寒気だと言っていました。



 晴れた日には、富士山も見える!
展望デッキ付近からは眼下に熊野灘が望めます。
海までは直線距離で15キロ。
この険しい峡谷を吹き上げる海風が一気に冷やされて雨となって地上に降り注ぎ、屋久島と並んで世界屈指の降雨量を誇る大台ケ原の環境を作っているそうです。

大台ケ原のこの厳しい環境を思えば、霧氷は決して珍しいものではないのですが、紅葉見物に来て名残の紅葉と霧氷が見れるなんて感動です。12月に入れば、定期バスも運行を停止。冬山登山の人々がアイゼンをつけて重装備で霧氷見物にくるというなら話は別ですが・・・。


帰りの天王寺駅で、近鉄沿線の古地図の写真を発見!

大峰連山や展望台から見た、熊野灘、尾鷲湾。(大台ケ原〜大杉谷〜宮川〜伊勢湾)という大台ケ原の位置関係が良く判りました。(これもヒッグス粒子のおかげでしょうか?


源流でウロウロ!

霧氷に感動してすっかりお白石の源流探検を忘れてしまいそうになった私たちですが、日出ヶ岳に登った二万歩チームと展望デッキの分岐で分かれて、ショートコースを辿って尾鷲辻から駐車場に戻る途中で、源流を発見。

沢に入ってウロウロしているうちに、二万歩チームが追いついてきました。
出口で先に着いて皆を待っていた太古さん「そういえば、沢でかがみこんで水を触っている赤い服を着た人たちを見たけど・・・寒いのに何してるんかな? と、思いながら通り過ぎたんや。あれがみどりさんと晴明さんやったのかぁ〜〜!」と・・・。

この日は二万歩チームも霧氷に感激したあまり、写真撮影に時間を取られて、帰りのバスの時間が迫り、大蛇ぐら〜シオカラ谷コース(東大台完走:四時間半〜五時間)を回るのをあきらめたそうです。

来年の夏には、山の妖怪を閉じ込めたという伝説の牛石ヶ原や神武天皇と金の鳶の銅像と恐怖の大蛇ぐらコースを再訪しようと計画中!

できれば、私は14〜15年前のように、ロッジに一泊して満点の夜空と闇の中に光る野生の鹿の目にも合いたいなぁ〜〜!



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