メタボリックシンドロームは代謝症候群、シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群とも呼ばれる複合生活習慣病です。生活習慣病には、「肥満症」、「糖尿病」、「高血圧症」、「高脂血症」と いったものがあり、中高年がかかりやすい病気です。これらの生活習慣病は、それぞれが独立した病気ではなく、肥満から引き起こされるため、たびたび症状は 重複します。この生活習慣病の症状が重複すると動脈硬化を促進し、さらには致命的な心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすいことが分かっています。
肥満には、体のどの部分に脂肪がつくかによって、2つのタイプがあります。「皮下脂肪型肥満」洋ナシ型肥満とも言われ、下腹部、腰のまわり、太もも、お尻のまわりなど、下半身の皮下に脂肪が蓄積するタイプです。外見から肥満であるかどうかは、明らかに判断できます。「内臓脂肪型肥満」リンゴ型(タル型)肥満とも言われ、上半身を中心に内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプです。この脂肪は内臓脂肪(かくれ肥満)とよばれます。外見からは、このタイプの肥満は判断できないことがあります。
内臓脂肪型肥満は、過度に蓄積された内臓脂肪から分泌される物質(PAI-1、TNF-αなど)の影響により高血圧、高血糖、高脂血症を誘発したり増悪したりします。その結果、血管に負担がかかり動脈硬化を引き起こす可能性が高まります。動脈硬化は、日本人の3大死因に含まれる心筋梗塞、脳血管障害(脳梗塞など)の原因となることは良く知られています。このことから「かくれ肥満」は、健康を害する重要な原因のひとつといえるかもしれません。
ウエストサイズが同じ人でも、それぞれ内臓脂肪の量は大きく違います。したがって腹囲測定や身長と体重で求めるBMIで「かくれ肥満」かどうかを判断するのはたいへん困難です。病気を予防し、健康に過ごすためにも自分の内臓脂肪がどの程度あるのか?自分の内臓脂肪がどの程度減ったか?を把握することは、たいへん有意義なことだと考えます。
当院では、CTで腹部を撮影することにより、内臓脂肪の面積を算出する検査を開始いたします。
これにより苦痛なく、簡単にご自分の内臓脂肪量を把握していただくことができます。お気軽にご相談ください。