リハビリテーション科のご案内

施設基準

   呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)

   運動器リハビリテーション(Ⅰ)

   脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅱ)

   廃用症候群リハビリテーション(Ⅱ)

   がん患者リハビリテーション

   摂食機能療法

   選定療養※

※上記リハビリテーション料を1日の上限単位を超えて行なう場合、および算定日数上限を超えた場合で、①継続により改善が期待できる場合 ②治療上有効と判断される場合に該当しない場合(維持期リハビリテーション)でひと月13単位(1単位=20分)を超えて行なわれる場合に、患者様のご要望・自己選択のもとリハビリテーションを選定療養として自己負担による特別料金として実施いたします。

設    備

機能訓練室(1階と2階の2箇所)、言語聴覚療法室(機能訓練室2内)

運動療法関連機器:エアロバイク、起立台、呼吸筋トレーニング機器(POWERbreathe K5 デジタル呼吸筋トレーナー、エントリージャパン製)等

物理療法関連機器:ホットパック、理学診療用器具低周波治療器(オートテンズプロリハビリユニット、ホーマーイオン研究所製)等

人    員

   理学療法士 7名      作業療法士1名      言語聴覚士1名

他資格取得者

3学会合同呼吸療法認定士1名 呼吸ケア指導士1名 学術博士(保健学)2名

学術修士(保健学)1名 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士1名

地域包括ケア推進リーダー1名 介護予防推進リーダー1名

福祉住環境コーディネーター2名 群馬県スポーツ協会認定アスレティックトレーナー3名

理学療法

理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です(公益財団法人日本理学療法士協会ホームページより引用)。具体的には、起きる、立つ、歩く等の基本的な動作能力の改善・維持を図り、日常生活が安全・安楽に送れるように支援します。また、呼吸器疾患の患者様に対しては呼吸リハビリテーションも実施しています。

作業療法

食べたり、入浴したり、人の日常生活に関わるすべての諸活動を作業と呼んでいます(一般社団法人日本作業療法士協会ホームページより引用)。作業療法は、さまざまな作業活動や自助具を用いて日常生活動作の再獲得や、住み慣れた場所でその人なりの生活が送れるよう支援しています。

言語聴覚療法

話す、聞く、表現する、食べる…。誰でもごく自然に行なっていることが、病気や事故、加齢などで不自由になることがあります。また、生まれつきの障害で困っている方もいます。
こうした、ことばによるコミュニケーションや嚥下に問題がある方々の社会復帰をお手伝いし、自分らしい生活ができるよう支援するのが言語聴覚士の仕事です(一般社団法人日本言語聴覚士協会のホームページより引用)。当院では摂食嚥下障害に対してのリハビリを多く実施しています。

呼吸リハビリテーション

当院では呼吸リハビリテーションを提供しています。呼吸リハビリテーションの内容は、薬物療法や食事療法、酸素療法、禁煙等の必要性の指導・教育を行ったり、呼吸理学療法や運動療法を実施します。これは患者様を中心に多職種(医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)が連携する必要がありますが、リハビリテーション科では特に呼吸理学療法や運動療法を担当します。呼吸リハビリテーションを実施すると筋力や体力が改善したり、息苦しさが軽減することにより日常生活動作や生活の質が改善し、更には寿命も延びると言われています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息、間質性肺炎等の呼吸器疾患はもちろんのこと、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や重症筋無力症、多系統萎縮症等の神経難病により呼吸筋力が低下してきてしまう患者様も呼吸リハビリテーションが必要になります。

歩行に関する豆知識

生活の中で健康のために意識していることはありますか?健康を保つための秘訣の1つが「運動」であるということは既に広く知れ渡っており、厚生労働省も健康のために歩行等の運動を推奨しています。そこで今回は歩行に関する知識を「速度」の観点からご紹介致します。

2011年にイギリス内科学会誌で「死神の歩く速さ」という研究が報告されました1)。「死神」というのはあくまで比喩表現ですが、「死神に追いつかれない速さはどのくらいか?」、つまりどのくらいの歩行速度で生活している方が死亡率が少ないのかということを、オーストラリアの70歳以上の男性を対象に2~5年間継続して調査しています。結果は、時速3km程度で歩く方は、それより遅く歩く方より死亡率が低く、時速5km以上で歩く方は死神に追いつかれなかった(つまり死亡した方がいなかった)ということです。3kmの散歩コースを普段通り歩いて1時間以上かかってしまう方は要注意かもしれません。更には、近年「サルコペニア」や「フレイル」といった虚弱高齢者の概念が広まってきていますが、それらの診断基準の1つにも「歩行速度」があります。サルコペニアの場合は秒速0.8m(時速に換算すると時速約2.8km)、フレイルの場合は秒速1.0 m(時速に換算すると時速3.6km)が基準になります2)。つまり、転倒等の様々な問題のリスクが高まってしまうということから「歩行速度」が注目されています。

皆様も一度ご自分の歩行速度を測定してみてはいかがでしょうか。測定方法の一例をご紹介します。前後3m程度の助走路を設けた10mの歩行路(計16m程度の直線歩行路)を準備します。何も意識せず普段通りに歩いてみた時に10m歩くのにかかった時間を測っておき、10m/所要時間(秒)で計算することで歩行速度が求められます。

普段からウォーキング等の運動をしている方は、少しだけ早歩きを意識してみてはいかがでしょうか。もちろん心臓や肺、関節痛等をお持ちの方は早歩きをすることでかえって症状を悪化させてしまうこともありますので、くれぐれも無理はなさらないようお気をつけ下さい。ご自分で判断が難しい場合は主治医やリハビリテーション課にご相談下さい。

<参考文献>

1)Fiona F Stanaway,et al. How fast does the Grim Reaper walk? Receiver operating characteristics curve analysis in healthy men aged 70 and over BMJ 2011;343

2)公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」

転倒予防のための筋力トレーニング

寝たきりのきっかけとなる要因の1つに転倒があります。足腰の筋力低下は転倒の原因の1つであり、筋力トレーニングにより転倒予防が期待できます。今回は2種類の運動をご紹介します。ご自分に合った運動を無理のない範囲で是非生活に取り入れてみてください。


①椅子を使用したスクワット(しゃがみ運動)


②椅子からの立ち座り運動



注意点

● 転倒の危険性がある方は②から始めて、慣れてきたら①に挑戦してみて下さい。

● トレーニング中に転倒しないよう安全に配慮して実施して下さい。

● 息を止めながら実施すると血圧上昇等の悪影響が出ることがあるため、呼吸も意識しながら実施して下さい。

● 膝や腰等の関節が痛くなってしまう場合はトレーニングを中止して下さい。

その他の活動

臨床実習指導

当院は県内・外からの理学療法士養成校から定期的に実習生も受け入れて指導しています。また、群馬大学大学院保健学研究科と連携し、他国からの留学生(主にモンゴル)の臨床実習も受け入れています。

専門技能向上活動

院内にて定期的に勉強会を実施したり、カンファレンスを行なうことでスタッフの知識・技術向上に努めています。また、群馬大学大学院保健学研究科の教員から直接指導を受けています。

学術活動

当院での研究成果を学会で発表したり、学術誌へ投稿したりしています。


【過去の業績】

学会発表

発表者 タイトル
加藤大悟 他
(2010)
間質性肺炎患者に対する30秒椅子立ち上がりテストがSpO₂におよぼす影響(第20回日本呼吸ケア・リハ学会)
加藤大悟 他
(2011)
特発性間質性肺炎患者に対する30秒椅子立ち上がりテストの有用性の検討(第46回日本理学療法学会)
加藤大悟 他
(2012)
30-second Chair-Stand Test is a valuable method to evaluate exercise tolerance in patients with interstitial lung disease(ATS 2012 INTERNATIONAL CONFERENCE)
遠藤康裕 他
(2012)
慢性閉塞性肺疾患患者の日常生活活動度に影響する因子の検討(第20回群馬県理学療法士学会)
加藤大悟 他
(2012)
30秒椅子立ち上がりテストの特性と適用の検討 ―間質性肺炎患者を対象として―(第22回日本呼吸ケア・リハ学会)
加藤大悟 他
(2013)
CS-30 Can Prospect Pulmonary Dysfunction In Severe ILD Patients(ATS 2013 INTERNATIONAL CONFERENCE)
加藤大悟 他
(2014)
間質性肺炎患者に対する30秒椅子立ち上がりテストの負荷量の検討(第24回日本呼吸ケア・リハ学会)
加藤大悟 他
(2014)
30-second Chair-Stand Test is a valuable evaluation in chronic respiratory diseases(ERSociety International Congress 2014)
宇賀大祐 他
(2014)
慢性呼吸不全患者に対する呼吸リハビリテーションの効果-低頻度通院による短期的効果-(第22回群馬県理学療法士学会)
遠藤康裕 他
(2016)
ベルト電極式骨格筋電気刺激法を用い 機能改善を呈した劇症型軸索型 ギランバレー症候群の一例(第3回B-SES学会)
加藤大悟 他
(2017)
慢性呼吸器疾患患者に対する歩数計と日誌を用いた活動量のセルフマネジメントの適応(第27回日本呼吸ケア・リハ学会)
加藤大悟 他
(2017)
慢性呼吸器疾患患者に対する活動量のセルフマネジメントにおける阻害因子の検討(第25回群馬県理学療法士学会)
加藤大悟 他
(2017)
SELF-MANAGED PHYSICAL ACTIVITY PROGRAM USING A PEDOMETER AND DIARY CAN INCREASE PHYSICAL ACTIVITY AND IMPROVE PHYSICAL FUNCTION FOR COPD.(APSR Congress 2017)

論文

著者 タイトル
宇賀大祐 他
(2011)
The Treatment of Trunk Function and Synergy to Improve Activities of Daily Living for Right Hemiplegia Patient: a Case Report.(Mongolian Journal of Physical and Rehabilitation Medicine)
遠藤康裕 他
(2011)
The Case That Activity of Daily Living Improvement Was Seen in by long-Term Physical Therapy Intervention in Parkinson's Disease Hoehn-Yahr StageV(Mongolian Journal of Physical and Rehabilitation Medicine)
宇賀大祐 他
(2014)
呼吸器疾患患者の外来リハビリテーション継続の実態調査(保健医療研究)
宇賀大祐 他
(2016)
慢性呼吸器疾患に対する短期低頻度通院による呼吸リハビリテーションの効果(日本呼吸ケア・リハ学会誌)
遠藤康裕 他
(2016)
Effect of 12-month rehabilitation with low loading program on chronic respiratory disease(JPTS)
加藤大悟 他
(2017)
Short-term and long-term effects of a self-managed physical activity program using a pedometer for chronic respiratory disease: a randomized controlled trial(JPTS)

講演

講演者 タイトル
加藤大悟
(2012)
呼吸リハビリテーションの実際(グラクソスミスクライン主催 臨床呼吸器セミナー)
遠藤康裕
(2013)
Respiratory physical therapy in the chronic phas(Mongolian Physical Therapy Association, The 2nd National Joint Congress the Mongolian Physical and Rehabilitation Medicine)
加藤大悟
(2014)
リハビリテーションについて(アストラゼネカ主催 COPD病診連携フォーラム)
宇賀大祐
(2014)
Respiratory physical therapy for COPD(Mongolian National University of Medical Sciences)
加藤大悟
(2018)
糖尿病、低栄養、嚥下障害によりADLの改善が遷延した重症筋無力症クリーゼ後の患者(群馬県理学療法士協会学術局研修部、第41回基礎講座・症例検討会)