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06年度 選手別評価


野手陣 赤字はリーグ最高
名 前
試合
打率
本塁打
-打点
寸  評
1
福留 孝介
130
.351
31-104
100
憲伸、岩瀬、ウッズとタイトルホルダーが並ぶ中、個人的には文句なしのMVP受賞やったと思うてます。(選手会MVPは憲伸やったそうですが)
打率.351は二位に三分の差をつけており、ダントツの数字。
そして何より、相手エース級から効果的な一打を放っており、奴より頼りになる三番はおらんかったでしょう。
昨季までの、身体のねじりと大きなステップ(体重移動)を目一杯使ったスイングを捨て、
無駄なボディアクションを廃し、バットを構えたところから振り下ろすスイングに変更した一年。
この変更は、目線や身体の軸にブレがなくなり、確実性が増すという効果がある一方、トップが崩れやすく、また長打が減る懸念もありました。
しかし奴のコメントによると、トップを作った際にグリップを上下動させることでもグリップが投手側に崩れるのを防ぎ、タメを十分作って長打の減少も防いだようです。
超一流の考えることは、やっぱり一味違いますわ。
これでも奴本人は、まだポテンシャルは全て発揮していないとコメントしており、まだまだ上の数字が狙える様子。
新たな奴のチャレンジを、私も楽しみに観ていきたいと思います。
2
荒木 雅博
112
.300
2-31
80
自己最高の打率.300はそれなりに評価しますが、出塁率.338はリーグの一番打者では四位と目立ちまへん。
右脇腹の故障で悪送球エラーが増えたこともあり、例年より奴への評価は辛め。
とにかく
逆「く」の字に身体の軸を折ってスイングするため、バットのヘッドが落ちて凡飛を連発してしまう。
一生懸命、脇を締めて小さくスイングしようとしているのに、その姿勢は全く生かされないフォームなんやけど、監督はここにメスを入れようとしまへんな。
個人的には、根本的にフォームを変えるべきやと思うてるんですが…
3
立浪 和義
113
.263
1-31
65
ヒザが故障しているため、守備面ではフットワークを使ったり、ボールのバウンドに身体を合わせたりする能力が大幅に低下しました。
肩も急速に衰え、残念ながらドラのホットコーナーを任せることはできなくなりました。
日本シリーズでのDHや代打では好結果を残しているように、疲れないように起用すれば、パワーは落ちたものの打撃技術はまだ通用します。
結局は奴の問題はフィジカルだけやと思いますんで、強い肉体を何とかもう一度取り戻し、
光り輝くミスタードラゴンズとして復活して欲しいところですわ。
6
井端 弘和
146
.283
8-48
85
ミスの少ない安定性と、広い守備範囲、無理な体勢からも送球できるクイックターンと、三年連続ゴールデングラブに相応しい球界を代表する遊撃手となりました。
(ドラの内野手はウッズが捕れる送球をする必要があり、必然的に上手くなければなりまへんが)
今季はオフの蕁麻疹の影響で、キャンプまで身体を動かせなかったようで、エンジンがかかるまで時間がかかりましたが、後半戦は「いつもの井端」でした。
ファールで球数を稼いで相手投手のリズムを崩す、さらにバント、エンドラン、進塁打の攻撃バリエーションの全てが一級品であり、
二番打者としても球界最高峰にあると思います。
数少ない難点は、内角に入ってくるボールをファールで逃げる技術は当代随一やけど、外角に流れるボールを引っ掛ける傾向にあることやろか。
このため対左投手.342/対右.261と大きな差が生じており、この辺が改善されると怖いものなしになるんやけどね。
9
井上 一樹
108
.311
11-39
75
何ちゅーても奴のハイライトは、8月の甲子園で藤川から放った同点HRやろね。
9回表の土壇場で、球界最高のストレートを上から見事に被せ、バックスクリーンに叩き込んだ起死回生の一打は、奴のキャリアにおいても最高のものでしょうな。
また今季は得点圏打率.431、対左投手の打率も.286と、内容的にも安定したところを見せ、打数は足らんものの、キャリアハイの一年やったのと違うかな。
ただし個人的には、準レギュラーの立場でありながら打撃に特化した存在であるのが、チーム構成上では問題やと思うてます。
今更なんやけど、少なくともバントと進塁打くらいは確実性を上げて欲しいわ。
それがドラの中軸以外の打者として、最低限の義務やと思うんやけどね。
25
新井 良太
18
.261
0-0
5
戦力としての評価はできまへんが、今季一番の期待株だけに触れてときます。
フルスイングしても身体の軸がブレないところには、体幹の強さを感じますな。
一方、秋に課題の守備を相当鍛えられたようやけど、不器用なようで上達はゆっくりとのレポートを読む限り、まだまだやろか。
個人的には、
対右投手に森野、対左に新井のツープラトンを組めれば嬉しいけど、今のところは森野の足元にも及ばんのかも知れまへん。
ただし強靭な体力と人一倍の熱心さで、練習量は稼げそうなので、春の成長に大いに期待しとります。
27
谷繁 元信
141
.234
9-38
75
レギュラーとして大半のゲームに出場したことは評価できますが、打撃面での数字の低下、勝負所でのリードミスなど、攻守ともに評価できん部分が多かった。
打撃では、ドラ移籍後に続けてきた60打点をクリアできず、また規定打席に達した中では最下位の打率。
そして何より、シーズン終盤や日本シリーズで手痛い一発を食らったリードミスは、見ていて腹立たしくなるほどでしたわ。
強肩とキャッチングには定評があるだけに、防げる点を相手に与えるのは、エースキャッチャーとしてはマイナス点やと思います。
若いキャッチャーの突き上げがなく、奴にはもうしばらく頑張ってもらう必要があるだけに、一層の奮起を期待します。
31
森野 将彦
110
.280
10-52
75
ついに猛練習で立浪をベンチに追いやった努力の人。
期待された打撃では、シーズン中盤までは左への強打を見せ、左投手への対応にも進歩を見せてくれましたが、5番定着後はさすがにマークがキツくなって、打率も急降下してしまいましたな。
しかし奴の一番の「売り」は守備力。
入団時は動けず、グラブ捌きも下手糞やったもんが、今やゴールデングラブ級の実力を身に付け、その守備力で立浪をベンチに追いやってしまいました。
人一倍の練習は必ず選手を大きくするという見本であり、その成長過程を見せてきたという意味では、最もドラマチックな選手やと言えるかも知れまへん。
来季以降、FAの孝介や加齢するウッズの離脱の可能性が高いだけに、奴のバットにも期待は大きくなってます。
頑張って欲しいですな。
44
T.ウッズ
144
.310
47-144
95
数字的には文句なし、と言うかこれ以上はないでしょう。
毎年スロースターターやけど、交流戦以降の奴の爆発力はホンマに凄かった。
4番として、これ以上を望むのが酷なくらいの活躍やったと思います。
とは言え
インハイの穴のため、ここを意識させて外角で勝負するという攻め方を、忠実に実行されると厳しいのは相変わらず(対右投手.281/対左.387と極端な差)。
またライバルである阪神戦、甲子園で打てず1打点のみというのもマイナスやね。
あとは開幕時点で37才という年齢も、そろそろ不安になってきますわ。
奴の後釜探しは、火急の課題なんやけどね。
45
森岡 良介
17
.192
0-1
2
守備面では肩以外は悪くない(セカンドなら十分)。
一方で、打撃ではタイミングは崩されないものの、ミートの正確性を欠いた印象がありました。
センスは感じるだけに、全体的にあと一歩レベルアップが必要やないかな。

ただしそれよりも、奴に対しては
二軍落ちした後の成績に納得できまへん。
実力的に二軍では飛びぬけた存在のはずであり、かつ一軍のボールを17試合見てきた選手としては、自らの課題を埋めながらも、抜群の成績を残さなければならんかったはずですわ。
契約更改で「今季が最後」と宣告されたのも頷けます。
センスある選手だけに、それこそ今季は死に物狂いで頑張って欲しいところやね。
57
英智
124
.215
1-27
70
相変わらずスーパーサブとして十分な活躍をしてくれますな。
一番期待されていない打撃でも、意外と勝負強いところを見せてくれます。
まぁ、奴の場合はこれが実力のMAXなんでしょうが、打率が.260でもあれば十分レギュラーを張れると思わせるだけに、ないものねだりをしてしまいますわ。

投手陣 赤字はリーグ最高
名 前
試合
防御率
勝敗-S
寸  評
11
川上 憲伸
29
2.51
17-7
97
本人のコメント通り、数字的には自己最高のシーズン。
しかし貢献度では、優勝を賭けたゲームでほぼ全て勝った、04年の方が個人的には印象は強いですわ。
昨季と違い、
夏場の失速は体力的なガス欠が原因(下半身が弱って左足が早く落ちていた)であり、後半の正念場で打たれたのはマイナス要因。
とは言え、交流戦まで続けた神懸り的な投球は、奴の技術が円熟しつつある証拠であり、低下しつつあるストレートの威力を補い、今後ともエースとして君臨できることを示したと思いますわ。
過去最高の215回+日本シリーズを投げた疲労が気になりますが、決め球のカットボール他、多彩な球種、優れた制球、引き出し豊富な投球術は、
セ・リーグのエースに相応しく、来季もドラのエースには今季と同レベルの活躍が期待できそうやね。

                         
12
岡本 真也
56
3.40
5-1-1S
70
ジキルとハイドとも言うべき、投げてみなければ調子が分からない不安定さは、最後まで修正されまへんでした。
三者連続三振か、はたまた逆転被弾か。
終盤に続けて食らった手痛い一発は、明らかに防げるものであり、これだけでも
セットアッパーとしては失格でしょうな。
個人的には、左の評点は50点以下としたかったんやけどね…
13
岩瀬 仁紀
56
1.30
2-2-40S
95
今季も岩瀬は岩瀬でした。
50試合以上もの登板を続け、これだけ安定した結果を残すとは、
さすが鉄腕
開幕当初だけフラつきましたが、その後の安定感はさすがの一言ですわ。
欲を言えば、今季は大ピンチを凌いだというイメージがあまりなかったような気がしますが、それでもケチのつけようのない成績でしょうな。
気になるのはストレートの球威が落ちてきたこと。
投球パターンは多彩とは言えんだけに、そろそろ新しい球種が欲しいところやね。

                 
14
朝倉 健太
25
2.79
13-6
90
3年間の不振を経て、ようやく復活の13勝。
シュートという決め球を得たのは勿論大きかったけど、何より投球フォームのバランスが改善されて、リリースポイントが安定、まともな投手になれたことが全てやろね。
終盤以降は凄みすら感じさせる投球で、特に日本シリーズでは初回3失点以降は完璧やったと思いますわ。
来季の本人の目標は「連続二桁目標」みたいやけど、タイトルを狙って欲しいね。
16
佐藤 充
19
2.65
9-4
80
角度のあるストレートとスライダーで、彗星のように現われた新戦力。
勝ち始めてから自信もついて、球威も増したようでした。
しかし後半は完全にガス欠になり、ヒジが下がってボールを押し出すようなフォームになってましたな。
まずはフルシーズン投げ抜けるよう、スタミナの強化を図りたいところ。
18
中里 篤史
13
3.60
1-0
10
昨年の復活劇から大きな飛躍が期待された今季やけど、正直なところペナントレースでは戦力になったとは言い難かったですな。
上体が突っ込んでリリースが早くなる悪癖が抜けず、すっぽ抜けが多かった。
しかしリーグ優勝後に、ようやく投球フォームのバランスが改善され、日本シリース゛ではT藤川にも劣らぬストレートを投げていたと思います。
来季はセットアッパーでの起用が有力やけど、まだまだフルシーズン投げ抜くだけのスタミナや、変化球には難があるので、春季キャンプでの鍛錬に期待します。
19
吉見 一起
4
2.70
1-0
15
ペナントレース終盤の、チームが一番苦しいところで挙げたプロ初勝利は価値あり。
低目への制球力が武器やけど、決め球に欠けるのが難。
来季は球威と変化球のキレに、一段の向上を求めたいところやね。
20
中田 賢一
20
3.91
7-4-1S
70
昨季の後半の方が印象は良かったなぁ。
左足を下ろす際に軸足がブレ、制球が定まらないケースが目立ちました。
制球を乱しては、ストライクを取りに行って打たれるという悪循環。
下半身が弱いとは思えんだけに、
フォームのバランスの問題やろか。
球威は超一級品だけに、一段の飛躍を期待したいところやね。
23
鈴木 義広
46
1.70
1-0-1S
80
2年続けて50試合近い登板となり、新たな鉄腕として飛躍の年になりましたな。
久本とともにゲームの中盤を支える、重要な役割を果たしたと思いますわ。
サイドから繰り出すストレートは球威十分、かつスライダーのキレも鋭い。
難を言えば、奴はフィジカルの状態が結果に出やすく、不調期が長くなったり、欠場期間があったりするので、さらに身体を強くして欲しいですな。
30
石井 裕也
11
4.01
2-1
15
絶好調時には凄い投球をするのに、残念ながらそれが安定しない。
昨季より球威も増してきただけに、飛躍まであと一歩やと思うけどな。
34
山本 昌
27
3.32
11-7-1S
90
41才でのノーヒットノーランは見事としか言いようがありまへん。
vs阪神4勝1敗、特に9月のノーノー直後、憲伸で落とした後の甲子園での勝利は、今季で最も意義あるものやったかも知れまへん。
難を言えば、やはり不調期が長いことやろか。
序盤KOでゲームを作れないことも少なくなかっただけに、好不調の波を小さくして欲しいところ。   
…昌には毎年言うてるような?(苦笑)
36
平井 正史
57
2.29
5-3
80
中盤までは十分なパフォーマンスやったけど、終盤に息切れしました。
悪癖のシュート回転が出たわけでもなく、ストレートの威力が落ちてしもうた。
来季は先発転向という噂やけど、スタミナを考慮してのことかも知れまへんな。
ただし先発させても完投が望めん以上、奴はセットアッパーに固定した上で、リリーフの枚数を増やして対応すべきやと思うんやけどな。
43
小笠原 孝
9
3.72
2-2
25
先発の足らない時期に挙げた2勝の価値はデカい。
毎年、期待してないところで勝ってくれるけど、期待しだすと負けるというパターンが続いてますな。
コレというボールがないのが難やけど、他所なら欲しがるチームも多いやろな…
46
デニー友利
31
3.10
0-1
25
単純に「戦力」にはなっとらんでしょう。
契約更改の場で自らコメントしたように、落合英に代わるベンチの「兄貴分」が奴の役割やったんでしょうな。
シーズン当初は落合がもっとやれると思うてたんやけど、実際には引退するような状態やったわけで、今になっては奴の存在については一応肯定しとります。
61
久本 祐一
27
1.76
2-2-1S
65
奴もなかなかフルシーズン投げられんなぁ。
後半に関しては、威力十分なストレートを軸に、ロングリリーフとしてチームに不可欠な存在となってくれましたが。
課題なのは相変わらず左打者に打たれていること(右.233/左.288)なんやけど、腕の振りが垂直に近く横の角度がないだけに、仕方ないかも知れまへん。
67
高橋 聡文
26
10.29
1-3
20
投球回14で四死球10では話になりまへん。
暴力的なほど威力のあるストレートも、ストライクを取るという投手の基本がなければ、正に宝の持ち腐れですわ。
69
小林 正人
23
5.25
1-0
45
クセのあるスライダーは、左打者に対してぶつかるような軌道から、大きくストライクゾーンに曲がっていく独特の変化を見せるため、初対戦の場合には全くスイングをさせまへんでした。
ただし奴も投球回12に対して四死球8が示すように、最低限の制球力に欠けてます。
アバウトでもええから、ストライクを取れる程度の制球力があれば、左殺しとして大成するかも知れまへん。