試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
85点 |
11 川上 憲伸 |
26 |
12 |
8 |
0 |
3.55 |
167-1/3 |
175 |
18 |
145 |
29 |
66 |
.268 |
(A)(B)(C)(D)(E)(F) |
(G)(H)(I)(J) |
|
数字的には05年に次いで悪いものとなりましたな。
チームを「勝たせる」と言うよりは、「勝たせてもらう」投球が多かったというのは、否定できないところです。
年俸を考えれば最低15勝、これくらいは義務やと周囲は思うでしょうし、私も奴はそういう立場やと思うてただけに、今季は歯痒いゲームの連続でした。
これは、昨季の大車輪の活躍の疲労が抜けなかったことが、明らかに原因やと思われます。
1月に自主トレのために渡米する際、既に奴は「腰にハリが残っている」とコメントしており、それを紙面で読んだ瞬間、私は今季の奴の苦闘を予感したものでした。
春季キャンプではこの腰の違和感のために、じっくり投げ込むことができず、キャンプ期間中の投球数は例年の半分以下しかなかったとのこと。
強いボールを投げるための筋力、制球力、スタミナ、全てが熟成されないまま、ぶっつけでシーズン開幕を迎えることになってしまったわけで、案の定、奴のボールは前途多難を思わせるものでしたな。
しかし、さすがエースと言うべきか、オールスター前には奴らしい球威やキレ、制球が戻ってきました。
前半は被打率が.300を超えてきたものが、見る見る下がってきたのがそれを証明してますわ。
やっとこれでエースらしい投球が戻ってくる…と思うてたんですが、それでもピンチ一つで簡単に失点するケースが目立つなど、結局はシーズン終盤まで低空飛行が続いてしまいましたが。
ピンチで「ここは攻めるべきか慎重になるべきか分からない」と言うてましたが、これは前半に散々打たれた間に自らの投球スタイルを見失ったということでしょうな。
結局、奴が「大エース」の姿を見せるには、クライマックスシリーズまで待たなければなりまへんでした。
こうして今季は、周囲からの評価は低いシーズンになったと思われますが、終わってみれば、奴にとって自らの立場の意味を示し、新たな投球術の引き出しを増やしたシーズンになったのと違うかな。
ベストな投球を見せるためには、奴は開幕メンバーから外れるべきやった。
巨人の上原は、開幕から調整に2ヶ月間を費やした後でクローザーとして復帰、その後は奴らしく精度の高い制球力で、巨人のリーグ優勝の原動力となりました。
そして憲伸も同じ調整法を採ることもできましたが、敢えてそれをしなかった。
ドラは、若手二人(長峰、佐藤亮)をローテーションに組み入れなければならない苦境にあり、エースを欠いた開幕だけは避けなければならなかったわけです。
この時の奴の役割としては、ローテーション投手としてイニングを稼ぐ以上に、開幕から選手達の士気を維持したまま戦力整備を進めるための、チームのシンボルであることが求められたのと違うかな。
そのためには、調子は二の次としても、奴は開幕から投げなければならなかった。
その立場が休養を許してくれなかったわけです。
その苦境の中で奴は投げ続け、ゲームで投げることを投げ込み代わりにしたり(?)、セットポジションでボディバランスを重視するなど、シーズン終盤には何とか「らしい」投球を取り戻しました。
これは奴にとって、一つの財産になることでしょう。
さて問題は、来季はタイトル奪取できるだけの投球を取り戻せるか、そしてFAがどうなるか、でしょうな。
奴は現在、五輪予選のために日本代表チームに選抜されてます。
昨季の疲労が今季に影響しただけに、今季の疲労は完全に取ってしまいたいところやったのにね。
これが来季の奴の成績に、また大きく影響しそうな気がします。
FAは…。
奴は次期エースの育成にも力を注いでおり、退団を前提に考えていると思われます。
来季オフは、また私の心がかき乱されるんでしょうなぁ…。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
80点 |
12 岡本 真也 |
62 |
5 |
2 |
0 |
2.89 |
56 |
43 |
3 |
44 |
22 |
18 |
.223 |
昨季の不安定な投球を払拭すべく、今季は制球重視の投球スタイルに変更してきたようですな。
これにより、シーズン中盤までは昨季の汚名を晴らすような、安定した投球を見せてくれたように思います。
しかし疲労が蓄積されたシーズン後半からは、恐らくヒジの具合が悪くなったんでしょうが、制球力、球威とも格段に落ちてしまいました。
やはりフルシーズンの間、奴を主戦として考えるのは、そろそろ限界なのかも知れまへん。
ただし今季については、巨人、阪神に強く、62試合に登板した働きは評価されるべきでしょうな。 |
95点 |
13 岩瀬 仁紀 |
61 |
2 |
4 |
43 |
2.44 |
59 |
53 |
3 |
50 |
9 |
16 |
.244 |
(A)(B)(C)(D)(E)(F)(G)
前半はリリースが一定せず、外角は抜ける、内角は叩きつけると、ボール先行の苦しい投球が多く、昨季までは見られなかったような炎上シーンを度々演じる始末。
ひょっとしたら、今季はクローザー・岩瀬の最後の年かと思わせましたが、8月以降は見事に立て直してポストシーズンでの鬼神の活躍に繋がりました。
特にクライマックスシリーズでの、連日のイニングを跨いだ起用に見事に応え、完璧な結果を出してくれたのは、「さすが」の一言でしたわ。
フルシーズンではきっちり帳尻を合わせて、61試合で43セーブしたのは、今季も投手陣で一・二位を争う貢献度やったと思います。
来季も残留してくれるということで、引退までドラのファイアマンを頼んまっせ! |
90点 |
14 朝倉 健太 |
29 |
12 |
7 |
0 |
3.355 |
171-2/3 |
173 |
9 |
105 |
54 |
64 |
.270 |
(A)(B)(C)(D)(E)(F)
次期エースへの足掛かりを作ったシーズンでしたな。
ドラの投手陣において、最もイニングを稼いだのは十分評価されるべきであり、さらにシーズン中盤でライバル・阪神を抑え込むなど、要所で素晴らしい投球を見せてくれました。
昨季、習得した沈むシュートの威力は抜群で、走者一塁の場面では併殺の山を築くとともに、内角を意識する打者の心理を逆手にとって外角を引っ掛けさせるなど、制球力の向上とともに投球スタイルも確実にレベルアップしてますわ。
さらにストレートがツーシーム系なのか、バックスピンで浮き上がるのではなく、これも沈む系統の球種のため、長打を食らう確率が非常に低い。
規定投球回数に達した投手の中で、被本塁打が唯一ヒトケタであったのも、その球質によるものでした。
技術的な特徴は、(D)のテークバックで右腕をグッと背面に回すことにあり、これによって身体の回転より右腕が遅れて出てくるため、打者は微妙にタイミングを外されることになります。
これは肩の稼動域が広くないと故障しかねないため、奴独特のフォームやと言えます。
問題は今季終盤に、突然の不調に陥ったところやろか。
原因が全く分からず、日本シリーズでも勝ったとは言え本来の調子やなかったところを見ると、来季が少々不安になるんやけどね。
とにかくフルシーズン、安定した投球を続けて欲しいところですわ。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
90点 |
20 中田 賢一 |
28 |
14 |
8 |
0 |
3.59 |
170-1/3 |
158 |
14 |
177 |
87 |
68 |
.249 |
(A)(B)(C)(D)
(E)(F)(G)(H)
初めて二桁勝利を達成し、飛躍の年になりましたな。
特にポストシーズンでの活躍は見事であり、クライマックスシリーズ第二ステージ、そして日本シリーズでの快投は「こういう中田が見たかった!」という素晴らしい投球やったと思います。
もともと、リーグではトップクラスの球威を持つだけに、これに頼った投球をすれば結果はもっと早く出ていたはずなんやけど、シーズン中盤までは走者を出しては変化球でかわす投球。
奴の変化球ならコースを間違うと打たれるため、コーナーを狙って慎重に投げるものの、ご存知の通り、奴にそんな制球力があるはずもなく、これでカウントを悪くしては甘いボールを打たれるという、イライラするようなゲームが続いたもんでした。
それが終盤になって、相手がストレートを待っていてもストレートをこれでもか!と投げ込む、力づくの投球スタイルに変貌し、これで劇的に投球内容が安定するとともに、その凄みを増すことになりましたわ。
先に述べたように奴のストレートは、相手が待っていてもところに投げ込んでも、一発でドンピシャのタイミングに合わされることは滅多にありまへん。
それに奴の制球力も、今季こそ一ゲームあたりの与四死球率は4.60やけど、05年は3.74、05年は3.04と、イメージほど壊滅的に悪いわけではなく、あまり制球を気にかけず思い切って腕を振るようになって、逆に四球も減ったように思います。
スタミナは十分、球威も抜群とくれば、次代のエース候補としてナンバーワンやと思います。
あとは一番プレッシャーがかかるゲームで、相手を圧倒して勝つような投球ができれば文句なし。
その意味では、この日本シリーズでの好投は、その足掛かりになったはずです。
来季はタイトルを獲るつもりで頑張ってや! |
60点 |
23 鈴木 義広 |
30 |
1 |
1 |
0 |
3.52 |
30-2/3 |
19 |
3 |
31 |
16 |
12 |
.188 |
一言で言うて、情けないわ。
入団三年目にもなって、奴はまだフルシーズン働いたことがありまへん。
今季も開幕を二軍で迎え、一軍昇格後の登板数、投球回数も、入団後の最低の数字に終わりました。
また今季は武器であるはずの、スライダーの曲がりが大き過ぎて制球を乱すことも多く、セットアッパーとして起用可能になったのは、殆どシーズンも終盤やったと思います。
一シーズンの間、ロクに投げてないのに、球速を抑えて?投げているのも気に入らんな。
疲労もそれほどなかったはずであり、もっと荒々しい投球が見たかったわ。
とにかく、来季はフルシーズン一軍で投げることを目標にして欲しいもんです。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
65点 |
29 山井 大介 |
14 |
6 |
4 |
0 |
3.36 |
83 |
75 |
6 |
56 |
33 |
31 |
.240 |
日本シリーズでの快投は、記憶に新しいですな。
ドロップとも称したくなる、魔球・スライダーを武器に、日本ハムの打者をなで斬りにしたのは、昨年のシリーズを知っているだけに快感でしたわ。
(あれはホンマにスライダーなんやろか?鋭いカーブというべき球筋なんやけどな)
一方で、奴は打者が一廻りした頃から本領発揮するんやけど、やはり立ち上がりの不安定さは一軍昇格後も、ずっと変わりまへんでしたな。
登板前の調整方法を工夫するなり、この辺は改善を期待したい。
そして一番の課題は、フルシーズン投げられるフィジカルの構築。
今季も投げられるようになった頃には開幕を過ぎており、一軍昇格はシーズン中盤、そしてクライマックスシリーズでは投球不能となるなど、右肩の状態維持を来季は強く期待しとります。 |
35点 |
30 石井 裕也 |
16 |
2 |
2 |
0 |
2.95 |
18-1/3 |
13 |
1 |
14 |
11 |
6 |
.213 |
奴のスライダーも、往年のG野口の球筋を思わせる、威力のあるボールやと思います。
問題は、奴も与四死球の多い投手やということなんやけど、それは技術的な問題やなく、ハートに起因したもののように思います。
走者を出すとストライクゾーンに投げる勇気がなくなり、カウントを悪くしては、魅入られたような絶好球を投げることも何度かありました。
シーズン終盤には、こうした傾向もかなり改善されて、戦力化されてきたようですが。
ボールの威力そのものから考えれば、十分にセットアッパーが務まる投手であり、来季のブレークを期待しております。 |
65点 |
33 平井 正史 |
45 |
4 |
2 |
0 |
3.29 |
41 |
35 |
5 |
30 |
11 |
15 |
.233 |
シーズン当初の出遅れもあり、登板数、投球回数ともに、落合体制の四年間で最低に終わりました。
それでも復帰からしばらくは、セットアッパーに相応しい投球を見せてくれたんやけど、中盤には早くもガス欠の症状が目に付くようになりましたな。
元々奴のボールはシュート回転する傾向があり、ここ一番の制球に微妙なところがありましたが、今季はボールが高めに浮き、そして何より球速が140kmそこそこに落ちてしもうた。
ボールが高く、球威のないボールでは、相手を抑えることはできまへん。
もし奴の球威が回復しないのてあれば、来季はセットアッパーの配置換えは必須になるでしょうな。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
30点 |
34 山本 昌 |
19 |
2 |
10 |
0 |
5.07 |
108-1/3 |
124 |
13 |
71 |
31 |
61 |
.292 |
正直言うて、今季は殆ど戦力になりまへんでしたな。
一時期、先発投手が不足した時期があっただけに、そこでイニング・イーターとして機能したのは事実やけど、それ以外は監督の温情も過ぎたという印象ですわ。
天下分け目、9月最後の東京ドーム三連戦に負け越したのは、監督が奴を先発に起用したからだと、私は未だに思うてます。
今季はボールのキレがなくなりました。
球速自体はそれほど代わらんのですが、昨季までは球離れが遅く、スピンのかかったボールを投げていたんやけど、今季はヒジが下がり気味になったためか、特に右打者の内角へのクロスファイヤーが威力を失いましたな。
実は奴の投球の軸はストレートであり、これで打者を脅かすことができなくなった以上、スライダーもスクリューも、有効な武器ではなくなりました。
このまま奴を投げさせても、決して好結果は出ないでしょうな。
私は奴の200勝を是非見たい。
ドラの投手は概して短命であり、200勝を達成したのは杉下氏だけやからね。
日本で三番目の歴史ある球団やのに、これは寂しすぎる。
それだけに奴への期待は大きいんやけど…、来季の復活はあるんやろか? |
45点 |
41 浅尾 拓也 |
19 |
4 |
1 |
0 |
3.53 |
51 |
51 |
5 |
40 |
20 |
20 |
.254 |
(A)(B)(C)(D)(E)
野球界ではマイナーな、日本福祉大から表れた150km右腕。
デビューした甲子園でいきなり152kmをマークし、その豊かな潜在能力の片鱗を見せてくれましたな。
ローテーションに穴が開いた時には先発も勤めるなど、ドラフト下位指名の新人としては出色の働きを見せてくれたと思います。
ただし我流で身に付けたそのフォームは、(C)で左腕のグローブが遊んでいるように、右腕に頼ったものであり、結果としてその右肩を故障してしまいました。
このように課題は、下半身や左腕をバランス良く使ったフォームを身に付け、フルシーズン働けるフィジカルを作ることでしょうな。
そのマスクも含めてスターの資格は十分なだけに、来季の活躍に期待しております。 |
75点 |
43 小笠原 孝 |
21 |
6 |
6 |
0 |
2.99 |
120-1/3 |
110 |
10 |
97 |
37 |
40 |
.248 |
(A)(B)(C)(D)(E)(F)
今季ブレークした投手のなかで、最もインパクトがあったのは奴でしょうな。
昨季までも、ローテーションの谷間を埋める役割は果たしてきましたが、今季はそのまま昌に代わる先発左腕として、十分その力を発揮してくれたと思います。
一番良くなったのは、やはりストレートでしょうな。
ストレートの球威が増したことで、特に右打者の内角へのクロスファイヤーを効果的に使えるようになり、対左打者への被打率.263に対し、対右打者.243と、抑え込むことに成功したわけです。
また内外角への制球力も奴の武器であり、今季の好成績を下支えしました。
来季は、さらに投球回数を伸ばしてくれることを期待しとります。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |
60点 |
61 久本 祐一 |
36 |
2 |
1 |
0 |
3.38 |
45-1/3 |
37 |
2 |
31 |
23 |
17 |
.223 |
連投、ロングイニングを任せられる使い勝手の良さは、奴の最も評価されるべき点であり、かつ一時期は被打率が悪かった左打者を抑えるようになったのも◎。
しかし奴もフルシーズン投げたことのない投手やね。
もうチームの戦力に定着しとるわけで、ええ加減に調整法を覚えて欲しいところ。
またクロスゲームに起用するには、与四死球率4.57は高過ぎるだけに、もう少し制球力の安定を求めたいですわ。 |
40点 |
67 高橋 聡文 |
25 |
1 |
0 |
0 |
4.23 |
27-2/3 |
29 |
4 |
27 |
13 |
13 |
.271 |
(A)(B)(C)(D)
(E)(F)(G)
絶好調時のストレートは、相手打者のバットにかすりもしない迫力がありましたな。
シーズン中盤、大阪ドームで無死満塁を切り抜けた場面があったかと思いますが、あの頃が奴の調子のピークやったと思います。
奴は上の写真の(D)のように上げた右足を降ろす際、上体を捕手に向かって動かす前に、軸足を折って身体のバネを目一杯使おうとします(元広島の大野氏のように)。
しかし疲労が蓄積してくると、軸足が十分折れずバネが効かなくなり、球離れが早くなるように見えます。
好調時が長く続かないというのは、そういう側面が大きいのと違うやろか。
来季に向けては、まずフィジカルの強化が第一やろね。
「あの」ストレートを長期間、投げられるように頑張って欲しいもんです。 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
防御率 |
投球回 |
被安打 |
本塁打 |
三振 |
四死球 |
自責点 |
被打率 |