➁:キックです。一瞬だけの動きではなく、常にニーブレイスやデッキに圧力をかけるようにしてください。パドルのスイープ(or プッシュダウン)時に最大限の圧力を加えましょう。膝を自分の胸に持ち上げるような感覚を意識してください。両脚を使えるようになると、更に効果的です。「Load and Drive」と呼んでいます。詳しくは下の動画をご覧ください。
3.Standard Greenland Roll / スタンダードロール
前屈から始まりレイバックでフィニッシュ。最後はセットポジションに戻します(これ大事!得点に影響します)。また、フィニッシュ時に前方向へのローブレイススイープを許可されています。 得点:2ポイント/片側 目的:すべてのロールに通ずる基本。力を必要としない易しいロール。 動画・画像:Standard Roll
Kinnguffik paarlallugu/nerfallaallugu:「反対側へ出る」という意味。
4.Rolling with Paddle Held in Crook of Elbow / 肘掛けロール
スタンダードロールの要領でパドルを持ちますが、前方向のグリップは手ではなく肘で固定します。セットポジションからロールインして、レイバックで反対側へ出ます。フィニッシュは再びセットポジションへ戻ります(得点に影響します!)。このとき一度でも肘が外れると減点です。 得点:3ポイント/片側 目的:片手に怪我を負ったり、何かを持っているときに使うロール。 動画・画像:
Pakassummillugu/unermillugu:「肘でパドルを固定する」という意味。
5.Storm Roll / ストームロール
前屈スタート→前屈フィニッシュのローブレイスロール(手のひらは下向き)。インボードハンド(回転する側、沈して行く側の手)はロール中、ハルやデッキに接触しています(得点には関係なさそうです)。時々(人によっては)ヒップスナップやキックをフィニッシュ時に利かせます。「コンバットポジション(漕ぐときのグリップポジション)で行なわなければならない」というのは誤った認識です。すべてのロールにおいてグリップポジションは自由であり得点には影響しません。 得点:3ポイント/片側 目的:強風の中で有効。非常に安定したポジションを得ることができます。 動画・画像:Stormtroopers
Siukkut pallortillugu/masikkut:「マシック付近におじぎする」という意味。
6.Reverse Sweep Roll / リバースロール
スターンからバウ方向へのローブレースロールです。フィニッシュは前屈。セットポジションに戻る必要はありません。 得点:3ポイント/片側 目的:グリーンランドではとてもポピュラーなロールです。スカートが外れていても浸水が少ないです。(ホントだろうか?) 動画・画像:Reverse Sweep Roll
Kingumut naatillugu:「パドルで後方を指す」という意味。
7.Spine Roll / スパインロール
パドルの先端があなたの頭を越えるように、背骨に沿って背中にパドルを構えます。前屈スタート→レイバックで起き上がり、フィニッシュはセットポジションへ戻ります(得点に影響します!)。パドルの下端をカップ状に持った場合、ジャッジによっては減点の対象になるかもしれません。 得点:3ポイント/片側 目的:背中に構えたパドルが風を受けて帆の役割を果たしたという説があります。 動画・画像:
Aariammillugu:「肩甲骨間に置く」という意味。
8.Paddle Held Behind Back / ビハインドバック
パドルを後方に構えて、スターン側のガンネルに沿わせます。背面にロールインして、やや前屈気味にパドルは背中に構えたままフィニッシュ。このときリカバリーのためのスカーリングが許されています。パドル先端のグリップに幾つかのバリエーションがあります。カップ状に持つ(もっとも易しい)。手のひらを表側に向ける(やや難しい)。手のひらを内側に向ける(もっとも難しい)。競技会では手のひらを表側へ向けるよう指示されるでしょう。フィニッシュ時にセットアップポジションへ戻る必要はありません。 得点:3ポイント/片側 目的:パドルをアウトリガーとして後方にセットしたまま沈したときに有効です(そんな余裕あるのか?) 動画・画像:
Kingup apummaatigut:「パドルを後方のガンネルに置く」という意味。
9.Standard Roll with Paddle Behind Neck / ビハインドネック
#3のバリエーションです。パドルの先端をカップ状に持つことは許可されていません。フィニッシュはセットアップポジションに戻ることで達成されます。これを行なわない場合は得点に影響します。
昔、まだ実物のマリギアックと会う前、房州素人船団のまんぞうさんや天狼☆の兄ぃは「マダムロール」と呼んでいました(笑)。 得点:4ポイント/片側 目的:余興から生まれたロールで、スキルアップの練習などにも用いられる。 動画・画像:
Siukkut tunusummillugu:「首によって前方を指す」という意味。
10.Reverse Sweep Roll with Paddle Behind Neck / ビハインドネック・リバース
#6のバエーションです。パドルの先端をカップ状に持つことは許可されていません。フィニッシュ時にセットアップポジションへ戻る必要はありません。 得点:4ポイント/片側 目的:余興から生まれたロールで、スキルアップの練習などにも用いられる。 動画・画像:
Kingukkut tunusummillugu:「首によって後方を指す」という意味。
13.Sculling Roll with Paddle Held Horizontaly on the Foredeck / スカーリングロール・オン・ザ・デッキ
パドルはデッキに接触させたまま、スカーリングによって回転します。ベストーフォームはパドルが常にカヤックに対して水平に保たれることです。フィニッシュ時にブレイスのためにパドルを伸ばしてしまった場合、ジャッジによっては減点の対象になるでしょう。 得点:4ポイント/片側 目的:余興から生まれたロール。あるいはパドルがデッキラインに挟まったまま沈したときのリカバリー。(わざわざ、そんな…泣) 動画・画像:
Masikkut aalatsineq:「マシック付近でのスイープ」という意味。
14.Sculling Roll with Paddle Held Horizontaly on the Backrest
スカーリングロール・オン・ザ・バックレスト
パドルはバックレスト付近に接触させたまま、スカーリングによって回転します。ベストーフォームはパドルが常にカヤックに対して水平に保たれることです。フィニッシュ時にブレイスのためにパドルを伸ばしてしまった場合、ジャッジによっては減点の対象になるでしょう。
QajaqUSAの原題では「Sculling roll with paddle held horizontaly on Isserfik」とありました。「Isserfik」は“後部のデッキビーム”という意味だそうです。なんでここだけグリーンランド語なん?(笑) 得点:4ポイント/片側 目的:余興から生まれたロールで、スキルアップの練習などにも用いられる。2005年のQaannat Kattuffiat総会で追加されました。 動画・画像:
Isserfikkut aalatsineq:「後部デッキビーム付近でのスイープ」という意味。
15.Rolling with the Arms Crossed / アームクロス
ストームロールに似ています。左側にセットする場合、右腕を左腕上に交差させてパドルを持ちます。(ジャッジはこのグリッピングからチェックするべし。間違っている場合は即刻減点対象)
回転し終わったら、しっかり腕の交差が保たれていることを示すために、パドルを持ったまま両腕を上げてください。セットポジションに戻す必要はありません。 得点:5ポイント/片側 目的:余興から生まれたロールで、スキルアップの練習などにも用いられる。 動画・画像:
Tallit paarlatsillugit paateqarluni/masikkut:「マシック付近で腕を交差させてパドルを持つ」という意味。
16.Sculling Roll with Paddle Held Under the Kayak / スカーリングロール・アンダー・ザ・カヤック
パドルをカヤックの下に構え、前屈状態でスイープします。ジャッジによっては3回以上のスイープを要求されるかもしれません。 得点:5ポイント/片側 目的:余興から生まれたロールで、スキルアップの練習などにも用いられる。ちなみにDavid Crantzは1767年に「沈したカヤックの上にパドルが浮いてしまったときにこのロールを使う」と記録しているそうです。(1767年!?) 動画・画像:
Qaannap ataatigut ipilaarlugu:「パドルをカヤックの下に置いたまま回転」という意味。
26.Hand Roll with a Clenched Fist, Start Tucked Forward, Finish Tucked Forward グーまえまえ
選手はロールの間ピンポン玉を握ることを義務付けられます。オフハンドをカウンターウェイトとして使用することを許されます。 得点:8ポイント/片側 経緯:2005年のQaannat Kattuffiat総会で追加されました。 動画・画像:
Assak peqillugu masikkut /Qilerlugu/poorlugu:「拳で前屈(マシック)ロール」という意味。
27.Hand Roll with a Clenched Fist, Sweep from Stern to Bow, Finish Tucked Forward グーうしろまえ
選手はロールの間ピンポン玉を握ることを義務付けられます。オフハンドをカウンターウェイトとして使用することを許されます。 得点:8ポイント/片側 経緯:2005年のQaannat Kattuffiat総会で追加されました。 動画・画像:
Assak peqillugu kingukkut /Qilerlugu/poorlugu:「拳で後ろからスタート」という意味。
28.Hand Roll with a Clenched Fist, Start Tucked Forward, Finish Leaning Aft グーまえうしろ
選手はロールの間ピンポン玉を握ることを義務付けられます。オフハンドをカウンターウェイトとして使用することを許されます。 得点:8ポイント/片側 目的:スキルアップ。道具を使わないリカバリー。 動画・画像:
Assak peqillugu nerfallaallugu /Qilerlugu/poorlugu :「拳によって後方へ横たわる」という意味。
29.Hand Roll Holding an 8kg Brick or Stone, Start Tucked Forward, Finish Tucked Forward 8キロまえまえ
こうなるともう説明すらないです(TOT) 得点:9ポイント/片側 経緯:2005年のQaannat Kattuffiat総会で追加されました。 動画・画像:
Ujaqqamik tigumisserluni “masikkut”:「石を持って前屈(マシック)ロール」という意味。
30.Hand Roll Holding an 8kg Brick or Stone, Sweep from Stern to Bow, Finish Tucked Forward 8キロうしろまえ
やっぱり説明ないです(TOT) 得点:9ポイント/片側 経緯:2005年のQaannat Kattuffiat総会で追加されました。 動画・画像:
Ujaqqamik tigumisserluni,” kingukkut”:「石を持って後からスタート」という意味。
31.Hand Roll Holding an 8kg Brick or Stone, Start Tucked Forward, Finish Leaning Aft 8キロまえうしろ
オフハンド(使わない方の手)をカウンターウェイトとして使うことが認められています。 得点:9ポイント/片側 目的:スキルアップ。道具を使わないリカバリー。 動画・画像:
Ujaqqamik tigumisserlunii “nerfallaallugu”:「石を持って後方へ横たわる」という意味。