バッハ 結婚カンタータ(BWV 202)
Bach Wedding Cantata (BWV 202)



バッハの20数曲残っている世俗カンタータの一つである結婚カンタータ(BWV 202)は、作曲年代も歌詞作者も未だに明確には特定されていません。
おそらくはワイマール時代では無く、ケーテンの宮廷楽長時代では無いかと推定されています。

結婚の喜びを、冬が去って春が訪れることと重ねて描いているソプラノのためのソロ・カンタータで、合唱は用いられていません。
冒頭の弦楽アルペジオ演奏からオーボエが奏でるメロディーは、冬の霧が晴れ上がる様を描いた美しいものとなっています。
次いで「いまぞ去れ、悲しみの影よ(Weichet nur, betruebte Schatten)」と始まるソプラノ独唱は、春と青春を讃える曲となっています。





Soprano: Emma Kirkby
The Taverner Players directed by Andrew Parrot
March 1981 in London



Weichet nur, betruebte Schatten,
Frost und Winde, geht zur Ruh!
Florens Lust
Will der Brust
Nichts als frohes Glueck verstatten,
Denn sie traeget Blumen zu.



今よ去れ、悲しみの影よ
霜と嵐は、休み給え
花の神フローラの歓楽
楽しき幸せは替え難く
胸に溢れる
花神が花々を咲かせて呉れるから




次へ