コーヒー・カンタータ
Kaffee Kantate (BWV 211)
カンタータ211番(BWV211)は、18世紀前半当時の人気詩人ピカンダー(Picander)による「Schweigt stille, plaudert nicht(じっと黙って、おしゃべりめさるな)」と言う歌詩に作曲した世俗カンタータ。
一般的には「Kaffee-Kantate(コーヒー・カンタータ)」として知られる、風刺的な内容です。
1734年、コーヒー愛好家であったバッハは、ライプツィヒのカフェで自らの指揮で初演したと言われています。
「千のキスより素晴らしく、マスカットより甘く、コーヒー無しではやっていけないわ」と言う娘にたいして、「コーヒーをやめないなら外出禁止だ」と言う父との掛け合いで、カンタータが展開されます。
Peter Schreier(Tenor) Edith Mathis(Soprano) Teo Adam(Bass)
Archiv 1976
最終的に親父が「良い婿を紹介するからコーヒーを止めなさい!」と説得し、娘も「それでは」と和解するのですが、「婿殿にはコーヒーを飲んでも良いとの誓約書を書かせましょう!」と策略を巡らし、結論的にはやはりコーヒーは止められないものだと親娘、語り手の三重唱となります。
Die Katze laesst das Mausen nicht,
Die Jungfern bleiben Coffeeschwestern,
Die Mutter liebt den Coffeebrauch,
Die Grossmama trank solchen auch,
Wer will nun auf die Toechter laestern!
猫がネズミを嫌いになることがないように、
未婚の娘達はコーヒーが好き、
母親がコーヒーを愛飲すれば
おばあちゃんもそれを飲む。
誰一人娘達に辞めさせることは出来ません!