ベートーベン 選帝侯ソナタ第1番 変ホ長調 WoO47-1
第3楽章 ロンド・ビバーチェ
ギレリスが独グラモフォンにベートーベンのピアノソナタ全集の録音を開始したのは1972年、足かけ14年という歳月を費やしましたが、全32曲を完成させることは出来ませんでした。
1984年最後の訪日時、“ハンマークラヴィア”が発売されたばかりであったがインタービューに答えて彼は次のように言ったそうです。
「“ハンマークラヴィア”は初めての録音です。ご存じのようにこのソナタは大変に巨大で偉大な作品です。技術的に練習して表面的に弾けるようになったからと言って録音出来るような作品では勿論ありません。私も以前からこのソナタを弾きたいと思っていましたし、若い頃にも随分練習しました。しかし、それはエベレストに登る様なものだと思うようになりました。