天然ガス流送の各期設計計画

天然ガスは炭酸ガス発生の少ないエネルギーとして良く知られているが、日本は海外からの東南アジア、アラスカ、中近東等の諸外国からのLNG輸入にのみ頼らざるを得ない為売り手市場に有利な長期契約で縛られ、日本国民は国際価格の倍の値段で使用しなければ現状である。
この天然ガス流送計画は現状を打破し、従来の規制から脱却した環境に優しいエネルギー供給チェーンをもたらし 、日本のエネルギー革新ひいては経済構造の革新をもたらすトリガーとなり得るものである。


本計画は他のパイプ流送計画とは異なり、ロシア及びそこに権益を持つメジャーのみとの折衝で全ての問題解決を図ることの出来る、第3国群の介在の無い優れたプロジェクトである。最大の利点は、現在開発中のサハリン島の原油・天然ガスに加え、その後の東シベリアの天然ガス開発を見据えた輸送コストの安価なパイプ流送によって北海道経由日本各地に石炭価格並みの天然ガスを供給出来ることにある。
各地域への天然ガス供給は次の通りである。
− 京浜・東海地域    太平洋ルート
− 中京・関西地域    日本海ルート
− 山陽・四国地域    太平洋ルート
− 山陰・九州地域    日本海ルート

又、従来の船舶によるLNGのバッチ供給とは異なり、パイプによる連続大量輸送であるので貯蔵設備を整備すれば、石油類並みの国内・海外での商品取引の場も提供出来ることになる。



第1期目標(2006年予定)
・サハリン島天然ガスの北海道、東北、北関東、京浜地域へ最大2,000t/hrの導入

第1期計画概要
・第1期は将来に見合う鋼管仕様・圧送ステーション位置を設定
・北海道以北は陸上輸送を採用
・本州以南は基盤整備と干渉の少ない沿岸輸送を採用


北海道幹線での天然ガス流送量は 2,000t/hr
・北海道地区 300t/hr
太平洋ルートでのガス流送量は 1,700t/hr
・東北地区  500t/hr
・関東地区  400t/hr
・京浜地区  700t/hr
・東海地区  100t/hr

各地区での鋼管仕様は次の通り(黒色で表示)
・北海道幹線       1,422mmOD x 7.5MPa
・太平洋ルート東北地区  1,321mmOD x12.0MPa
・太平洋ルート関東地区  1,321mmOD x12.0MPa
・太平洋ルート京浜地区  1,422mmOD x 7.0MPa
・太平洋ルート東海地区  1,422mmOD x 7.0MPa
各地区での圧送ステーション数は次の通り
・北海道幹線       2ヶ所
・太平洋ルート東北地区  1ヶ所
・太平洋ルート関東地区  0ヶ所
・太平洋ルート東海地区  0ヶ所










第2期目標(2013年予定)
・サハリン島及びロシア/東シベリア地区天然ガスの北海道、東北、北関東、京浜地域へ最大3,400t/hrの拡張導入

第2期計画概要
・新たな鋼管増設はせず
・流送途中での圧送ステーションを追加することで拡張


北海道幹線での天然ガス流送量は 3,400t/hr
・北海道地区 300t/hr
太平洋ルートでのガス流送量は 3,100t/hr
・東北地区  700t/hr
・関東地区  700t/hr
・京浜地区 1,400t/hr
・東海地区  300t/hr

各地区での鋼管仕様は第1期のまま

各地区での圧送ステーション追設数は次の通り
・北海道幹線       3ヶ所
・太平洋ルート東北地区  1ヶ所
・太平洋ルート関東地区  1ヶ所
・太平洋ルート東海地区  0ヶ所














第3期目標(2020年予定)
・中京・関西地区への導入と最大6,900t/hrへの拡張

第3期計画概要
・北海道地区に第1期と同一仕様の鋼管敷設
・日本海ルートは基盤整備と干渉の少ない沿岸輸送を採用
・新潟地震に備えた東海ルートでの鋼管敷設
・各地区地震に備えた新潟・東海バイパスルートの設置


北海道幹線での天然ガス流送量は 6,900t/hr
・北海道地区  500t/hr/年
太平洋ルートでのガス流送量は 3,900t/hr
・東北地区   700t/hr  ・関東地区  800t/hr
・京浜地区  1,700t/hr  ・東海地区  700t/hr
日本海ルートでのガス流送量は 2,500t/hr
・日本海地区  700t/hr  ・中京地区  700t/hr
・関西地区   900t/hr  ・瀬戸内地区  200t/hr
各地区での追設鋼管仕様は次の通り(朱色で表示)
・北海道幹線        1,422mmOD x 7.5MPa
・太平洋ルート東海地区   1,422mmOD x 7.0MPa
・日本海ルート日本海地区  1,321mmOD x12.0MPa
・日本海ルート中京地区   1,219mmOD x 7.0MPa
・日本海ルート瀬戸内地区  1,067mmOD x 7.0MPa
・日本海ルート山陰地区   1,219mmOD x10.0MPa

各地区での追設圧送ステーション数は次の通り
・太平洋ルート東北地区  4ヶ所
・太平洋ルート関東地区  2ヶ所
・太平洋ルート東海地区  3ヶ所
・日本海ルート日本海地区 4ヶ所
・日本海ルート瀬戸内地区 0ヶ所








第4期目標(2030年予定)
・九州地区への導入と最大10,000t/hrへの拡張

第4期計画概要
・北海道地区に第2期と同一仕様の鋼管敷設
・山陰地区は沿岸輸送を採用
・瀬戸内地区では低圧沿岸輸送を採用


北海道幹線での天然ガス流送量は 10,000t/hr
・北海道地区  600t/hr
太平洋ルートでのガス流送量は 4,800t/hr
・東北地区   700t/hr  ・関東地区  1,100t/hr
・京浜地区  2,200t/hr  ・東海地区   800t/hr
日本海ルートでのガス流送量は 4,600t/hr
・日本海地区  800t/hr  ・中京地区   900t/hr
・関西地区  1,200t/hr  ・瀬戸内地区  800t/hr
・九州地区   900t/hr
各地区での追設鋼管仕様は次の通り(ピンクで表示)
・北海道幹線        1,422mmOD x 7.5MPa
・日本海ルート瀬戸内地区  1,067mmOD x 7.0MPa
・日本海ルート東九州地区   914mmOD x 7.0MPa
・日本海ルート山陰地区   1,067mmOD x10.0MPa
・日本海ルート西九州地区  1,067mmOD x10.0MPa

各地区での追設圧送ステーション数は次の通り
・太平洋ルート東北地区  4ヶ所
・太平洋ルート関東地区  1ヶ所
・太平洋ルート東海地区  0ヶ所
・日本海ルート日本海地区 2ヶ所
・日本海ルート瀬戸内地区 2ヶ所
・日本海ルート九州地区  0ヶ所








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