流送設計の実例:第3期計画

第3期流送設計は、太平洋ルートと同じ定格流量4,800t/hrの導管(1,321mmOD x 12.0MPa)を日本海ルートにも沿岸敷設することで、京浜地区のみならず中京、阪神地区にも供給出来る設計を実施した。
北海道陸上導管は第1期計画の導管に沿って更に1本追設することで流送容量を確保した。又、東海地区は二宮から名古屋、四国南部まで太平洋ルートを延長し中京地区のバックアップを実行する。
それに加え、温海−相馬間、敦賀−名古屋間では太平洋ルートと日本海ルートとの相互流送が可能にすることで、第2期計画迄は各地での地震対策は稚内及び相馬でのLNG貯槽のバッチ処理でしか対応出来なかったバックアップが瞬時連続的ネットワークとして実現出来る様に設計した。
東海地区、中京・阪神地区での陸上輸送では従来の許容ガス流送圧力7.0MPaを満足する様に導管サイズを設定した。
瀬戸内地区は、沿岸敷設ではあるが海上交通の激しさを鑑み、陸上輸送並みの許容ガス流送圧力7.0MPaにて導管サイズを設定した。




北海道幹線での天然ガス流送量は 6,900t/hr
・北海道地区  500t/hr
太平洋ルートでのガス流送量は 3,900t/hr
・東北地区  700t/hr 
・関東地区  800t/hr
・京浜地区  1,700t/hr 
・東海地区  700t/hr

第3期計画では北海道幹線では第2期と同一の導管・圧送ステーションを追設した。太平洋沿岸では第2期の久慈、相馬、常陸那珂の他に追加3ヶ所の圧送ステーションを加え、流送設計が成立した。
太平洋ルート東海地区では中京地区バックアップの意味合いから圧送ステーションが3ヶ所設置されるが、通常流送では必要無いことが結論となった。










日本海ルートでのガス流送量は 2,500t/hr
・日本海地区  700t/hr  
・中京地区  700t/hr
・関西地区   900t/hr  
・瀬戸内地区  200t/hr

第3期計画の日本海ルートでのガス流送量は導管定格流量の約50%であるので、合計4ヶ所の圧送ステーションを稼働させることで、流送設計が成立した。
日本海ルート山陰地区及び瀬戸内地区では圧送ステーションの必要が無いこととなった。












日本海の新潟付近で地震が発生した場合の緊急事態には、中京・阪神地区には太平洋ルートで供給することが出来る。
日本海ルートは新潟をバイパスして温海−相馬間の交流ラインにて太平洋ルートに合流し、東海地区の圧送ステーション3ヶ所を稼働し、中京地区に供給する。
更に名古屋−敦賀間の交流ラインにて通常の日本海ルートに戻し、阪神地区に供給する。

このような対策を実施することで、天然ガス供給は新潟地区を除く各地で100%を確保出来ることが結論となった。
新潟地区への供給確保は第2期迄に確保してある稚内、相馬の貯槽を用いてバッチ処理することにする。










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