ロマンチック街道



訪問時期 1995〜2000年 

ロマンチック街道は古き良きドイツを知ろうとする旅人にはその夢を提供してくれる最適な場所でしょう。土の匂いのする忘れていた故郷をを想い起こさせ、長い歴史と文化を秘めた村々が点在する美しさを教えて呉れる約350kmの道です。ドイツには、この他北部にメルヘン街道、エリカ街道、南部に古城街道、ファンタスティック街道、アルペン街道がありますが、このロマンチック街道が一番の人気を集めています。




ヴュツブルク訪問日:1997年4月

ヴュツブルクはロマンチック街道の起点となる町で8世紀に大司教座が置かれ、以来ナポレオンの時代まで教会の栄光と富が町の繁栄を決定して来ている。大聖堂の他、ドイツ最大規模のバロック宮殿レジデンツや堅牢なマリエンベルク要塞などがその名残である。この写真はマリエンベルク要塞から町を見たもので、マイン河に掛かる古マイン橋、町中の大聖堂、レジデンツが散在している。











ヴュツブルクの町の歴史はこのマリエンベルク要塞から始まった。これは元々13〜18世紀の大司教の居城で、権力と富の象徴となった。敷地内には領主司教博物館の他にマイン・フランケン博物館があり、フランケン博物館にはワイン展示と共にリーメンシュナイダーの彫刻展示がある。













バロック宮殿レジデンツはヨーロッパ屈指の美しい宮殿で世界遺産に指定されている。1744年の建造で、元は大司教の住居として使われていた。内部にはツィックおよびティエポロの手になる素晴らしい複数の天井フレスコ画があり、その極彩色の素晴らしさは必見の価値がある。又、庭園は数多い子供の彫刻を緑の中に配置してあり、散策するのに和み、楽しくなる様に設計されている。











ローテンブルク訪問日:1995年10月

ヨーロッパの10月は霧が深く幻想的な雰囲気を醸し出すが、自動車の運転には数メートル先が判別出来ない危険な状態ともなる。訪問した朝も霧が深く、中世の城郭都市全体の見通しが出来ない程であった。ローテンブルクは中世の宝石と呼ばれ、ロマンチック街道のハイライト観光地で年間100万人の人達が訪れる。1274年に自由都市として発展、その後は衰退し城郭も残る当時の町並みが今も美しい。












サンクト・ヤコブ教会はゴチック様式の14世紀建造のローテンブルクの主教会。東側のステンドグラスは宗教美術史からも重要なものである。又西側2階にはリーメンシュナイダーの彫刻“聖血祭壇”展示がある。リーメンシュナイダーは生きている様な彫刻で有名だったが、体制派からその手を潰されると言う迫害を受けたことでも知られている。















アウグスブルク訪問日:1995年9月

ローマ皇帝アウグストスの町として紀元前後に創建され、16世紀には大富豪フッガー家の台頭と共にヨーロッパにおける商業の中心地となった。宗教的にも新旧両教の和解が行われた1555年の和議の地としても有名でもある。劇作家ブレヒト、モーツアルトの父レオポルド、画家ホルバイン、エンジン発明家ディーゼルの生誕の地でもあり、現在バイエルン州第三の経済都市、ロマンチック街道最大の町である。















この市庁舎は1615年に建造されたドイツ最大級ルネッサンス建築だ。内部の黄金の間は第2次世界大戦で焼失したが、1985年の2000年祭に市民献金により修復されている。又、左右の丸屋根の形、大きさが多少違うことでも知られている。













ランツベルク訪問日:2000年5月

ドナウ河の支流レヒ川に沿って半円形に出来上がった町である。他の町に較べ観光客の数も多く無く静かな環境が楽しめるし、フュッセンから流れて来る冷たい清流がこのランツベルクの町を一際美しく浮き立たせる。













ヴィーズ教会訪問日:2000年5月

少し横道にそれた静かな牧場の丘の上に忽然として現れるのがヴィーズ教会である。この教会はロココ風教会の最大傑作の一つで、ツィンマーマン最後の、且つ最高の作品で一歩堂内に入るとその壮麗さに立ち尽くすに違いない。












ノイシュバンシュタイン城訪問日:1995年9月、10月、2000年5月

周辺は山岳地帯に近い森や牧草の緑萌える草原地帯で、典型的なバイエルンの風景が広がる。やがて遙か、山の中腹に夢の様な白亜の秀麗な城が浮かび上がるのがノイシュバンシュタイン城だ。名前の如く白鳥と白石に彩られた“新白鳥石城”である。













ホーエンシュワンガウ城はノイシュバンシュタイン城を築城したルードヴィッヒ2世が生まれ育った城である。王家の黄金色で建造されているこの城には、ルードヴィッヒ2の庇護を受けたワーグナーも何回も訪れた様だ。ロマンチック街道の終点フュッセンの町はここから直ぐで、オーストリアチロルへの国境入口でもあり、アルペン街道の通過点の町でもある。このあたりから見るアルプス山岳も秀麗の一語だ。











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