ベートーベン弦楽四重奏曲 作品18-4
4th Mov. Allegro
作品18-4の弦楽四重奏曲は唯一のハ短調調性で、交響曲「運命」、ピアノ・ソナタ「悲愴」等と共にベートーベンが特別な想いを込めて作曲するのに使った調性とされ、モーツアルトのト短調に匹敵するものとされています。
作曲されたのは1800年30才の時、27才に始まった耳症の悪化の最中であって、人生の辛い想いに耐えてその想いを音に託することが出来た突破口となった作品で、美の世界から脱して獰猛とも思える怒りの感情を表現した第一歩を記しているとも言われています。
但し、ベートーベンと言う巨人に依ってのみ可能だったのかも知れません。
第4楽章アレグロはロンド・ソナタ形式で、激しい怒りと密やかな悲しみが混在する楽章ですが、節度を失うこと無くハイドン風に仕上げられています。
ウィーン郊外ベートーベンの小径終点にある胸像
ウィーン・ムジークフェライン四重奏団
1990年9月 ウィーン・ショッテンシュティフト劇場で録音
この四重奏団は1973年からキュッヘル四重奏団として活動していましたが、ウィーン・ムジークフェライン(楽友協会)主宰の連続公演に出演した素晴らしい成果により、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団と言う輝かしい名称を冠することが許され、今日に至っています。
モントルー・フェスティバル、ザルツブルク音楽祭等、ヨーロッパの主要な音楽祭には殆ど出演し、その深い伝統を継承しつつもフレッシュな演奏を目指している意欲が、高い評価の結果となっている様です。