タレルガ 前奏曲 
「ラグリマ(涙)」 Lagrima



フランシスコ・タルレガは1852年にスペイン東部の小さな町ビリャレアールで誕生しました。 彼が生きた時代は、マーラと同時代で、ロマン派音楽は音域とダイナミズムの拡大により大型化し、ワーグナーの楽劇等で極限まで肥大していました。
ギターは、その表現にはどちらかと言うと不向きでした。

しかし一方で、小市民的なサロン音楽もショパンのピアノ作品の様に隆盛しており、タレルガもギターに弦への右手のタッチ、左手の運指の工夫により、ピアノ音楽以上に多彩で繊細な表現を可能にして、サロンの音楽としてギターを人々に新たに認識させたのです。
又、民族音楽の勃興により、スペイン音楽の特色を強烈に作品に引き込みました。
彼はバッハ、モーツアルト、ショパン、シューマンの主題による曲も多く作曲し、 民衆楽器と細々と息づいていたギターを蘇生させました。
現在でもギターコンサートで彼の代表作「アルハンブラの思い出」は演奏されることが多いのです。

タレルガは1909年、57才でバルセロナに客死しましたが、その遺体は学び育ったカスティヨンの共同墓地に埋葬されています。


MP3のファイル容量が0.5MBあり、読み込みに約2分程掛かる見込みですので、暫くの間お待ち下さい!




マリア・エステル スペイン・セビリア出身

1991年 東京駒場エミナンスで録音



ラグリマ(涙)Lagrima

<前奏曲>という副題を持つこの曲は、ギター曲の人気あるレパートリーの一つに挙げられています。

この曲は前半の8小節がホ長調、後半の8小節がホ短調からなる簡素なものですが、親しみやすいメロディーが好まれている様です。






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